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汗の仕組みと役割

更新日:2017.04.22
公開日:2017.04.22
ドクター画像
この記事の監修者
札幌シーズクリニック 院長 大久保真

汗のニオイが気になるから汗をかきたくないと考えている人もいるでしょう。しかし、汗には体温を調整するという重要な役割があります。ドクター監修の記事で、汗の仕組みと役割、ニオイが気になるときの対処法について解説します。

人によっては、わずらわしく感じてしまうこともある汗は、ニオイが気になる人と気にならない人がいるといわれています。その原因は何なのか、また、汗にはどのような役割があって、どのような仕組みで発汗しているのかについて紹介します。

汗が持つ役割とは

汗はニオイの原因ともなると考えられていることもあり、「出ないほうがよいのに」と考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、汗は体温を調整するのに役立ち、なくてはならないものといわれています。とくにエクリン腺は、全身にたくさんあり、主成分も水なので体温調整に重要な汗腺と考えられています。

汗をかく仕組み

体温が高くなっているときには、熱を放出するために皮膚血流を増やし、汗腺への水分補給量を上げて汗をかきます。このように、神経性に汗腺の機能を高めて発汗し、体温を調整することができるのはヒトのみとされていいて、他の動物はパンディングと呼ばれる、浅い呼吸をたくさん行い呼吸器から水を蒸発させる方法で体温を調整するといわれています。

また、体温を調節するのに活躍している汗腺はエクリン腺というもので、体に200~500万個ほどあると考えられています。個数に300万個もの差があるのは、エクリン腺が妊娠28週ころから生後2年半までの間にエクリン腺が完成するとされ、その間の環境によって汗腺の数が変わるといわれているからです。

汗がにおうのはなぜ

汗がにおうのは、汗腺から出た汗が体の常在菌に分解されることが原因と考えられています。汗腺には、エクリン腺の他にアポクリン腺というものがあります。エクリン腺は、99%が水、尿素、アンモニア、塩化ナトリウムなどで、アポクリン腺はタンパク質、アンモニア、鉄分、脂質、糖質などがふくまれているので、水分が主体のエクリン腺から出る汗よりもアポクリン腺から出る汗のほうが、常在菌に分解されたときにワキガのようなニオイを放つといわれています。

汗がにおう原因を解説

汗のニオイは、エクリン腺から発汗したものなのか、アポクリン腺から発汗したものなのかによって違いがあるといわれています。前の項目でもふれていますが、汗のニオイは体の常在菌が汗を分解したときに発生すると考えられています。そして、アポクリン腺は人によって個数が違うといわれています。アポクリン腺の個数は、遺伝によるものが多いと考えられていて、両親のどちらかがアポクリン腺が多かったり大きかったりするワキガ体質である場合には、50%の確率で遺伝するといわれています。また、両親のどちらもワキガ体質の場合は80%の確率で遺伝するとされています。

汗がにおう原因は、アポクリン腺の個数や大きさの違いによるものの他、生活習慣や汗をかいたあとの対処法によって変わるといわれています。たとえば、運動不足の人や冷暖房の設備が整った場所で働いている人などは、汗腺の働きが弱くなっているため、ベトベトしたにおいやすい汗をかいてしまうと考えられています。

日本と海外の違い

日本人のワキガ体質の割合は、約10%、欧米のワキガ体質は約70~100%とされています。そのため、海外の人よりも日本人の方が、汗のニオイを不快に感じてしまうことが多いといわれています。アポクリン腺が発達する小学生から思春期くらいの時期に、ワキガ体質であることに気がつくことが多く、ニオイに敏感な日本では、いじめに発展してしまうケースやニオイを気にするあまり積極性がなくなってしまう場合があるとされているので、家族に汗がにおいやすい人がいるならば、早めに対処することが大切と考えられています。

汗のニオイの対策法

汗がにおわないように対策する方法はいくつかあります。アポクリン腺の個数が多い、大きいという場合は、アポクリン腺を摘出する手術を行う方法が有効と考えられています。ベトベトしたにおいやすい汗が出ている場合は、以下のような生活を心がけて、サラサラした質のよい汗をかけるようにしてみましょう。

バランスのよい食生活をする

肉中心の食生活を送っていると汗のニオイが気になりやすいといわれています。魚中心の食事に切り替えることで、ニオイを減らすことができると考えられています。

たくさん水分をとる

水分が少ないとベトベトした汗になりやすいため、水分補給をこまめにしたり、汗をかいたときはスポーツドリンクなどのミネラルを含むものを飲んだりするとよいとされています。

適度な運動をする

適度に運動をすることで、汗腺の働きを高めたり、老廃物をこまめに排出することでサラサラした汗をかいたりすることができると考えられています。

ミョウバン水を使う

汗のニオイの原因となっている細菌は、アルカリ性を好むといわれています。ミョウバン水を使って酸性にすることで細菌を増やさないようにすることがよいと考えられています。

汗をこまめに拭き取る

汗を分解して細菌が発生してしまわないように、こまめに汗を拭き取ることが大切といわれています。

よい汗をかいてニオイ予防しよう

汗には体温調整をするという大切な役割があります。しかし、その役割に重要なのはエクリン腺から出る汗とされています。汗のニオイが気になるという人は、アポクリン腺から出る汗の質を変えたり発汗した汗の対処をしたりすることでニオイ予防をしてみましょう。

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