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角質の役割と硬くなる原因とは

更新日:2017.11.28
公開日:2017.05.04
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この記事の監修者
スキンケア大学参画ドクター

硬くなった角質のケアに悩んでいるという人は多いといわれています。角質の悩みを解消したい人に、角質がどのような役割を果たしているのか、なぜ硬くなってしまうのかについて、ドクター監修の記事で解説します。

角質のケアのためには角質が硬くなる原因を知ることが重要です。角質とは、どのような役割を果たしているのか、角質が硬くなる原因について見ていきましょう。

角質とは

皮膚の構造は表皮と真皮に分かれており、表皮は外側に位置して0.2~0.3mm程度の厚みを持っています。表皮のほとんどは、角化細胞と呼ばれる細胞で構成されていますが、この細胞は表皮のもっとも内側で分裂して成熟とともに徐々に外側に移動していく性質を持っています。このため、表皮は細胞の成熟段階によって層のような構成をとっており、内側から順に

  • 基底層(きていそう)
  • 有棘層(ゆうきょくそう)
  • 顆粒層(かりゅうそう)
  • 角質層(かくしつそう)

と呼ばれています。角質層は一般的には0.02~0.03㎜のきわめて薄い組織ですが、手のひらやかかとの裏などでは厚くなります。

もっとも外側にある角質層の組織がいわゆる角質と呼ばれており、角質となった角化細胞はある程度の期間が経過すると表面からはがれ脱落します。細胞が分裂してから成熟とともに徐々に表面に移動し、角質になってはがれ落ちるまではおよそ45日程度とされていますが、この期間はターンオーバー時間と呼ばれ皮膚のケアなどでもよく使われる言葉です。

角質の役割

表皮の表面部分となる角質層は非常に薄い組織ですが、10層もの層から成り立っています。角質層にいたった角化細胞は内部がケラチン線維で満たされた扁平型の形状をしていますが、顆粒層に近い部分では層のように並んだ構造をし、表面に出てくると膜のような構造に変化します。また、角質層となった角化細胞は通常よりも細胞膜が厚くなり、周辺体によって細胞が保護されます。

層となり、ブロックのように並んだ角化細胞はセラミドをはじめとした細胞間脂質によって繋がれていますので、外部の刺激から内側の肌をしっかりと保護でき、細胞間脂質によって体内の水分キープの役割も果たします。大気が乾燥していても水分を失わず、周囲の環境の影響を体におよぼさないなど人の体はこの角質層のバリア機能によって守られており、角質層と角質が全てなくなってしまうと水分を失い24時間以内に死亡してしまうともいわれています。角質層と角質は人にとってきわめて大きな役割を持った組織であるといえるでしょう。

角質が硬くなる原因

角質層と角質の主な機能は、水分の保持と外部刺激からの保護となりますが、角質に異常がある場合は当然ながらこれらの機能が衰えることになります。バリア機能が衰えた角質層はザラザラやカサカサとした触感となり、白く変色して乾燥した状態になる場合が多く、ひび割れを起こすような硬い状態となってしまいます。この場合、鱗屑(りんせつ)と呼ばれる硬く厚い角質のかたまりができてしまうこともあります。

角質が硬くなると見た目にも気になるだけでなく、深刻な場合はひび割れによる痛みがあることもあります。また、古い角質層が過剰に蓄積されると細菌が発生してにおい、かゆみなどを引き起こすこともあります。原因を確認して、硬化を未然に防げるようにケアや対策をしておくことも必要でしょう。

乾燥と水分の不足が原因となる

角質が硬くなってしまう大きな原因は、乾燥による水分の不足です。

  • 外気の乾燥の影響
  • 加齢による皮脂分泌の減少

など、乾燥をまねく要因にもさまざまなものがありますが、細胞間脂質の減少によって水分を保持する機能が低下していることで乾燥してしまうケースが多くなります。

外用薬で油分を足すケアにも効果はありますが、肌の乾燥を改善するのは肌の水分量です。基礎化粧品や保湿で改善をはかるほか、セラミドなど細胞間脂質の補給などを意識するとよいでしょう。

肌の再生能力の衰え

加齢やストレスなど要因はさまざまですが、肌の再生能力が衰えてターンオーバーが遅くなる、ターンオーバーが正常に行われないなど新陳代謝への影響がある場合があります。この場合、はがれ落ちるべき古い角質が残ってしまい角質層が厚くなることで角質が硬くなることがあります。

足の裏は物理的な刺激の影響が大きい

物理的な外部刺激によっても角質が硬くなります。特に、歩行するたびに大きく体重がかかってしまう足の裏の部分はこの影響が大きく、

  • サンダルを裸足で直接履いている場合
  • クッション性能が低い履物での歩行

など、肌に強い刺激が与えられ続けることで角質が硬くなってしまいます。また、こういった刺激が続くと皮膚の内部を保護する反応として角質は徐々に厚くなり、硬く厚いゴワゴワの角質ができあがってしまうことになります。

また、硬く厚くなった角質層の1点に力が加わると、硬くなった角質層が皮膚の内部の1点に向かって突起していくようになります。硬く芯を持った突起が真皮に到達して痛みを感じることもあり、これが魚の目の症状となります。魚の目も非常につらい症状ですので、足裏のケアや履物の選択、歩き方の対策などで角質の硬化を防ぐよう注意するべきでしょう。

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