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手のむくみが引き起こされる病気とは

更新日:2017.04.27
公開日:2017.04.30
ドクター画像
この記事の監修者
大阪 雅 -miyabi-美容外科 院長 川端久雅

日常生活の中であらわれる手のむくみは、重力や血流の滞りが原因の可能性があるといわれています。しかし、それ以外に高血圧や糖尿病などの病気が原因の可能性もあります。手のむくみについて、ドクター監修の記事で解説します。

手が動かしづらくなるような感じがしたり、指輪が抜けにくくなったりする手のむくみは、なぜ起こるのでしょう。手のむくみが起こる原因について、くわしく説明します。

むくみとは

医学用語では、むくみは浮腫(ふしゅ)と呼ばれます。人間の身体のうち6割ほどは水分でできているといわれており、その水分の代謝がさまざまな原因により上手く機能しないと、皮膚の下にある細胞と細胞の間にある水分が通常より多く留まってしまいます。その状態がむくみとなるのです。

通常、心臓がポンプのように力強く機能することで、身体の中では、動脈を通して必要な栄養素や水分などをすみずみの細胞まで届けることができます。そして、静脈やリンパ管を通して、細胞内で不要になった水分などを再び心臓へと戻します。しかし、静脈やリンパ管の流れがなんらかの原因で滞ってしまうと、一緒に不要な水分も留まることになってしまい、むくみへと繋がるのです。

むくみを引き起こす原因はさまざまです。立ち仕事やデスクワークなどで同じ姿勢を長時間保たなければならなかったり、お酒を飲みすぎたりすると、むくみを引き起こしやすくなるように、日々の生活の中でもむくみは簡単に起こる可能性があります。そのため、むくんでいても、つい軽く考えてしまいがちですが、むくみは、病気が原因で引き起こる可能性もあります。病気が原因の場合は、なるべく早く適切な治療を行わなくてはなりませんので、むくみが気になる場合は、迷わず、専門の医師に相談するようにしましょう。

手のむくみの原因とは

日常生活の中で起こる手のむくみは、血流の滞りや重力が原因となっている可能性があります。起きているときに引き起こる手のむくみは、心臓より手が下の位置にあり、同じ姿勢を長時間とらなくてはならない場合にむくみやすくなります。また、朝起きたときに手がなんだかこわばって感じたり、握りにくかったりするのも、むくみによるものの可能性があります。

目覚めたときの手のむくみは、顔がむくむのと同じように、寝ている間に身体の中の余分な水分が手の方へとやってくることが原因であると考えられています。起きているときには、重力の影響で足や心臓より下に置いていた手に水分が溜まりがちです。しかし、就寝時には横になる事で、足と心臓、そして、頭と手がほぼ同じ高さになるため、重力の影響が均等にかかることになります。そのため、それまで足の方に溜まっていた水分が顔や手にもやってくるのです。重力のほかに、寝る前にお酒を飲みすぎたり、塩分を取りすぎたりするのも、むくみを引き起こす原因になる可能性があります。

手のむくみが引き起こされる病気とは

手のむくみは、病気が原因で引き起こされる場合もあります。むくみの症状を引き起こす病気で一番多いといわれているのは腎臓の病気ですが、腎臓の病気はそれだけで発症するだけでなく、他の病気の合併症として発症する場合もあります。

腎硬化症による手足のむくみ

血圧が通常より高い状態にある高血圧は、直接むくみの症状を引き起こすわけではありません。高血圧になることで引き起こされる合併症がむくみの原因となっている場合がほとんどだといわれています。高血圧は、ポンプの役割をしている心臓にも大きな負担をかけますが、身体の中にある老廃物を濾過(ろか)するための腎臓の濾過機能をも低下させてしまいます。

腎臓の中には、血液を濾過し老廃物を尿として身体の外へ排出するための糸球体(しきゅうたい)があります。網目のような毛細血管のかたまりである糸球体は、高血圧が長期にわたると、その毛細血管が動脈硬化を起こしてしまい、濾過機能を十分に果たせなくなってしまうのです。この場合のむくみは、手だけでなく、足や顔、腹部など全身でその症状が引き起こされます。

糖尿病による腎症

高い血糖値が続く糖尿病は、さまざまな合併症を引き起こすといわれており、その合併症のひとつに腎症があります。高血糖の状態が続くと腎臓の中の糸球体にも影響が及び、濾過機能が正常に機能しなくなります。糸球体は、本来、身体に必要なタンパク質などは、外に排出しないようにコントロールしていますが、腎症になると、そのコントロールが難しくなり大量のタンパク質を尿と一緒に外に排出してしまいます。身体に必要なはずのタンパク質を大量に排出してしまうと、血液中のタンパク濃度が低下してしまい、浸透圧によって血液中の水分が血管外へと染み出しむくみへと繋がります。

腎症の症状が進むと、むくみはさらにひどくなり、症状が慢性になってくると、人工透析や腎移植が必要となる場合もあります。

脳卒中患者にみられる肩手症候群

脳卒中患者にみられる肩手症候群は、肩や手を動かせる範囲が制限されたり、痛みをともなうむくみの症状が手にみられたりします。肩手症候群の原因は未だ明らかにはされていません。

手のむくみを緩和するための方法

手のむくみが、立ち仕事など日頃の生活習慣によるものの場合は、手を肩から上にあげて伸びをしたり、手を開いたり閉じたりしてほぐすなどのストレッチがおすすめです。

病気が手のむくみの原因と思われる場合は、まず、その原因を突き止める事が非常に大切です。手のむくみが生活習慣によるものでないと感じたら、迷わず、専門の医師に相談しましょう。

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