痔の種類(2):切れ痔(裂肛)の原因と症状

更新日:2017/02/11 公開日:2015/10/30

痔の種類

痔には、切れ痔、イボ痔、痔ろうの3種類あり、そのうちのひとつである切れ痔の症状は、皮膚が切れ肛門部に痛みと出血が見られることです。ドクター監修のもと、切れ痔の原因と主な症状について詳しく解説していきます。

肛門部の痛みとともに出血が見られることから、痔のなかでも自分で症状に気づきやすい「切れ痔(裂肛)」。なぜ切れ痔が起こるのか、原因と主な症状について解説します。

切れ痔の原因とは

切れ痔の主な原因は、便秘と下痢です。便秘で硬くなった便が肛門を通過するときや、下痢便をくりかえすことによって、肛門上皮が切れて裂けてしまうことから、切れ痔が起きやすくなってしまうと考えられています。肛門上皮は、肛門と直腸のつなぎ目にある入り組んだ部分である「歯状線(しじょうせん)」の下にあり、痛みを感じる知覚神経が通っているため、切れ痔になると激しく痛みます。切れ痔は、裂肛、裂け痔とも呼ばれ、もともと肛門が狭い人は、切れ痔になりやすいと考えられています。

便秘は、ダイエットなどで無理に食事量を制限することで便の量が少なくなり、腸の働きが鈍くなって起きやすくなるため、切れ痔は便秘になりやすい女性にも多く見られる症状です。

切れ痔の症状

切れ痔は、排便時に激しい痛みを感じることや、トイレットペーパーに付着するくらいの少量の出血がでることが主な症状です。イボ痔や痔ろうと比べて痛みが非常に激しく、痛みによって肛門の両わきにある内肛門括約筋がけいれんを起こすため、痛みが持続することも大きな特徴です。

切れ痔治療の主流は、薬による保存療法です。初期段階の切れ痔であれば、一度切れてもすぐに治りますが、痛みがなくなったからといって治療を怠ると、切れ痔は治るどころか、さらに深くなっていきます。切れ痔は再発をくり返すと慢性化し、慢性的な切れ痔になると、少し肛門が小さくなり、手術したほうが早く楽になる場合もあります。さらに悪化すると、筋肉が固まり肛門がより狭くなって皮膚が脆くなり、肛門を少し広げただけですぐ切れてしまうようになります。

一度切れ痔になると、患部を硬い便が通過するたびに激しい痛みが起こるため、だんだんと排便を我慢するようになってしまいます。すると、ますます便秘を引き起こすという悪循環に陥り、排便するときに肛門を傷つけ、慢性化しやすくなります。

病院に行くと、症状によって、出血を止める薬や傷を治す軟膏、痛み止め、便を柔らかくする薬などが処方されます。薬を使用しながら、便秘にならないように生活習慣を見直すことで、効果が現れます。

薬は医師の指示通りに使用しましょう。痛みが消えたからといってやめてしまうと、慢性化しやすくなります。薬を使っても症状がよくならない場合は、手術を行うこともあります。

出血があるときの応急処置

肛門部からの出血がある場合は、応急処置をして血が止まったとしても、大腸がんなどの重篤な病気が隠れていることもあります。異変を感じた場合は、必ず病院を受診するようにしましょう。

出血の仕方はさまざまですが、トイレットペーパーに血がついたり、便器にぽたぽたと血が落ちてしまう場合には、切れ痔やイボ痔の可能性があります。入浴などで患部を清潔にするようにし、下着が血で汚れないように、患部をコットンなどの柔らかいものを当てて安静にしましょう。

ただし、便に黒ずんだ血や鮮血が混ざっていたりする場合は、大腸などから出血しているケースがあるので、すぐに病院を受診するようにしましょう。

痔の応急処置については『放置はNG!自分でできる痔の応急処置法とは』の記事で詳しく解説しています。

手術の方式はさまざま。納得してから受けるようにしましょう

薬物療法や食事・排便方法の改善などを行っても、切れ痔の症状がよくならない場合は、手術を行う場合もあります。手術にはさまざまな方式があるので、医師の説明を受け、納得してから手術を受けるようにしましょう。

痔の手術については『痔の種類別に見る手術方法』をご覧ください。

この病気・症状の初診に向いている科 肛門外科

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