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痔の種類(3):痔ろう(あな痔)の原因と症状

更新日:2016/12/15 公開日:2015/10/30

痔の種類

あな痔とも呼ばれる「痔ろう」は、「イボ痔」「切れ痔」と並ぶ肛門の3大疾患(しっかん)です。痔ろうとは肛門にトンネルができるタイプの痔です。ここでは、ドクター監修のもと、この痔ろうの原因と主な症状、また治療法について解説します。

「いぼ痔」、「切れ痔」と並んで肛門の3大疾患である「痔ろう」。いぼ痔や切れ痔に比べると発症する確率が低いのですが、他の痔と治療法が大きく異なります。なぜ痔ろうが起こるのか、原因と主な症状について解説します。

痔ろうとは

「痔ろう」とは、肛門腺などが大腸菌などの細菌に感染し化膿して膿が溜まり(肛門周囲膿瘍)、状態が進行すると溜まった膿が出て、直腸と肛門周囲の皮膚をつなぐトンネルができる痔のことです。膿が出てしまえば楽になりますが、膿のトンネルができているため、細菌が侵入しやすくなり、常に膿が出る状態になってしまいます。

痔ろうの原因とは

以下の5つが考えられますが、実際のところはっきりとはわかっていないのが現状です。

よく下痢になる

直腸と肛門の境目の凸凹した部分である歯状線(しじょうせん)には、肛門陰窩(こうもんいんか)と呼ばれるくぼみがあり、粘液を出す肛門腺があります。肛門陰窩は小さなくぼみのため、通常は便が入り込んだりしないのですが、下痢になると入りやすくなります。よって、下痢をしやすい人は痔ろうになりやすいのです。

排便時に強くいきむ

便を出そうと強くいきむと、肛門に負担がかかって痔ろうを発症しやすくなります。男性は女性よりも肛門括約筋の力が強いので、いきむ力も強くなります。

もともと肛門陰窩が深い

先天的に肛門陰窩(こうもんいんか)が深いと、細菌が入り込みやすくなります。肛門陰窩とは、直腸と肛門の境目にある歯のように入り組んだ歯状線(しじょうせん)という部分にある、十数個の小さなくぼみです。

疲労やストレスによって肛門内の免疫が低下する

肛門腺の周囲に傷があったり、ストレスや疲れなどによって体の抵抗力が弱まっているとちょっとした刺激でも炎症が悪化しやすくなります。

温水便座やシャワートイレの利用

近年、温水便座やシャワートイレを利用する人の中で、痔ろうが増えています。肛門の中に水が入って、下痢便と同じような状態になるためだといわれています。

また、痔ろうは女性よりも男性の方がなりやすい病気です。詳しくは、「男性に痔ろうが多い理由」で解説していますのでご覧ください。

痔ろうの症状

肛門の周囲が化膿して膿が溜まって肛門周囲膿瘍になると、患部が腫れたり、ズキズキした痛みが起こります。38~39℃の高熱が出ることもあります。また、おしりから膿が出てきたり、おしりが熱を持つなどの症状が見られます。

痔ろうや、痔ろうの前段階である肛門周囲膿瘍は、イボ痔や切れ痔と異なり、市販薬や生活習慣の改善によって治すことはできません。根治するためには手術治療が必要です。また、痔ろうの治療を受けずに放置していると、トンネルが枝分かれして複雑な治療が必要になったり、まれにがんになることもあります。この場合、最悪肛門ごと摘出することもあります。

痔ろうの手術は、痔ろうを切り開いてトンネルを取り除く方法と、切り開かずにトンネルを取り除く「シートン法」があります。切り開く方法は、3週間ほどで治るものの、肛門が変形したり、おならや下痢便が漏れるなどの副作用が起こることがあります。シートン法は、弾力のあるゴム紐と薬を含む糸をトンネルに入れる治療方法です。完治までに1年近くかかることもありますが、副作用が起こることはほとんどないため、近年注目されています。

重度の痔ろうの場合は入院が必要になることもありますが、軽度な痔ろうは日帰り手術が可能です。肛門付近に痛みや腫れを感じたり、高熱が出た、おしりから膿が出てきたなど、痔ろうが疑われる場合は、早めに専門医を受診しましょう。

この病気・症状の初診に向いている科 肛門外科

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