冷えが更年期障害を悪化させる?

更新日:2017/07/26 公開日:2016/03/28

更年期のよくある疑問

更年期に多くの人が感じるのが冷えの症状です。身体が冷えると全身に影響を及ぼすことがあるため、更年期の症状をより重くするといわれています。更年期障害と冷えの関係や冷えの改善方法について、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。

ヘルスケア大学参画ドクター

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更年期に感じやすい冷えと更年期障害の関係について解説します。

「冷え」は更年期障害を悪化させる?

更年期に冷えの症状に困る女性は少なくありません。更年期に冷えが起こりやすいのはなぜでしょうか?更年期による冷えは、エストロゲンの減少によってホルモンの分泌や自律神経をつかさどる脳の働きが乱れ、自律神経のバランスが崩れて体温調節がうまくいかなくなるためといわれています。

また、更年期による冷えは、ほてりやのぼせをともなうことが多いです。急に顔が熱くなって大量の汗をかいたりのぼせたりする症状は、ホットラッシュと呼ばれています。ホットフラッシュは、更年期特有の症状で一見冷えとは逆のような症状ですが、体の芯は冷えていることがほとんどです。身体が冷えていると血液は、重要な臓器がある上半身を中心にめぐるようになるため、上半身や顔だけが熱くなるという現象に拍車をかけることになります。

自律神経は呼吸をはじめ、血液循環や消化・吸収、また、排泄や体温調節など生命維持に不可欠な身体の機能をコントロールしている神経です。女性ホルモンの低下によってこの自律神経が乱れると血行が悪くなり、全身の細胞に栄養や酸素を十分に送ることができなくなります。すると、身体のさまざまな機能が低下してしまうため更年期の症状がより顕著に現れることがあるのです。特に、若い頃に冷え性だった人は更年期の症状が強く出て、更年期障害になりやすい傾向があるので注意しましょう。

さらに、加齢にともなう基礎代謝量の低下や動脈硬化などによる血流の悪化なども更年期に冷えを感じやすくさせる一因です。

更年期の冷え防止対策

更年期の症状をひどくする冷えを改善するには、毎日の生活の中で積極的に身体を温める工夫することが1つの手段です。

半身浴と足浴

まず、入浴では、湯船につかることを習慣にするのが大事です。ぬるめのお湯にみぞおちから下だけつかる半身浴は身体を芯から温めてくれるので、顔に汗をかくまで15分以上つかりましょう。半身浴ができないときに利用したいのは足湯です。くるぶしがつかるくらいまで容器に熱めのお湯を入れて、20分以上を目安に温めてください。

また、血行を促す効果が期待できる精油(ジュニパーベリーやイランイラン、オレンジ・スウィートなど)を入浴の際に数滴入れると、香りによるリラックス効果も期待できます。入浴は寝る前が効果的ですが、入浴後、身体を冷やさないように注意しましょう。

適度な運動とツボ刺激

血行をよくするには筋肉も必要です。筋肉には手足など身体の末端まで血液を運ぶためのポンプの役割があり、身体を動かすと筋肉のポンプ機能が高まり、血行が促進されます。適度な運動で血の巡りをよくし、筋肉もつけましょう。

さらに、冷えに効くツボを刺激するのも有効です。冷えに効くのは「三陰交」というツボで、冷えの改善のほかにホットフラッシュや生理不順などさまざまな婦人科系の症状にも効果があるといわれています。足の内側のくるぶしの一番出っ張ったところから、指4本分上、骨と筋肉の境目のくぼみにあります。痛気持ちいいと感じる程度に5秒ほど押しましょう。

食事

冷えの対策には、食べ物にも気をつけてください。冷たい食べ物や飲み物、果物や生野菜、夏が旬の食べ物、また、白砂糖やお菓子などは身体を冷やしやすい食品です。逆に、身体を温める食品には冬が旬の食べ物(カリフラワー、春菊、長芋、白菜など)、さらに、みそ・しょうゆ、赤身の肉や魚などがあります。にんじんやごぼう、さつまいもなどの根菜類や発酵食品のキムチなども身体を温めたいときにおすすめです。

冷えを改善して全身の血行をよくすると、更年期障害の症状を軽くすることにつながります。冷え対策のセルフケアで、更年期の身体をいたわりましょう。

ご自身・ご家庭でいわゆるマッサージや指圧(ツボ押し)などをする際の注意点

  1. 1.マッサージや指圧などは身体に影響を及ぼす行為です。ご自身・ご家庭で行う場合は、部位の把握や力の加減が難しく、身体への影響には個人差があります。
  2. 2.病気やケガ、痛みがある場合は、マッサージや指圧などをするまえに医師の診断やアドバイスを受けましょう。
  3. 3.食後、飲酒時、妊娠中など、普段と異なる体調の際は、自己判断によるマッサージや指圧などは避けましょう。
  4. 4.マッサージや指圧などをしたことで体調が悪くなったり、痛みなどが出た場合は、すぐに医師に相談しましょう。また、症状が改善しなかったり悪化したりするようなら、医療機関を受診しましょう。