スキンケア講座

世間に知られているスキンケアには意外に間違っていることが多いのをご存知ですか?スキンケア大学では、医師が本当のスキンケアの知識をレクチャーします。

何もしないスキンケア

山口麻子

白金ビューティフルエイジングクリニック 山口麻子

白金ビューティフルエイジングクリニック院長。知性と品格ある大人のための美容クリニック。ファンデーションに頼らない素肌づくりを目指します。

熱心にスキンケアをしているのに、肌が乾燥する、化粧のりが悪い、赤味やザラつき、ニキビなどのトラブルが起きてしまう……。このような経験は誰にでもあると思いますが、そんな時こそ過剰なスキンケアをいったんお休みして、肌の状態をリセットしてみてはいかがでしょうか。

■メイクやスキンケアのメリット・デメリット

女性は20歳前後になると自然とメイクを学び、クレンジングで落とし、さらに洗顔して化粧水で水分を補い、美容液で栄養を与え、クリームで保護する、という一連の流れが毎日の習慣として当たり前に生活に組み込まれていきます。それで本当に肌がきれいになるのでしょうか。

この女性にとって当たり前のメイク+スキンケアという習慣が数十年と続いたとき、それが果たして肌にとって良かったと言えるのでしょうか? 20代までは若さでカバーできても、40代にもなればシミ・くすみ・シワなど目に見える老化現象を認識し、「何か違う……」と疑問に思われる方も多いことでしょう。 お化粧品の中には界面活性剤や、防腐剤等の肌に刺激となる化学物質がたくさん入っていますが、残念ながらいくつもの化粧品を長期間使用することに対する安全性についてはこれまでに十分といえる検証がされたことはありません。きれいになるために続けてきたスキンケアが、かえって肌トラブルの原因となっていることがあるのです。

図 1 一つ一つの物質に対する研究はきちんとされているものの、コスメを多種類、そして長期に使用した場合のシミやシワに関する研究などは難しい部分があるようです

図 1 一つ一つの物質に対する研究はきちんとされているものの、コスメを多種類、そして長期に使用した場合のシミやシワに関する研究などは難しい部分があるようです

メイクをすることのメリットは、心や気分を明るくするといった心理的効果や、素肌をより美しく見せたり、目鼻立ちや長所を引き立たせるといった効果、さらには紫外線を防御するという効果も期待できます。しかし、これらはあくまで楽しむものであり、皮膚の健康を考えると、メイクは肌とって負担となりますし、毎日過剰に塗っていては肌を痛める可能性も考えられます。

図 2 さらにクレンジングや化粧水、乳液やクリームも、メイクを落とすために過剰に洗顔した結果、肌が乾燥し、これらのケアが必要だと感じているだけで、顔以外の皮膚と同様、本来どうしても必要だというものでもないのです。

図 2
さらにクレンジングや化粧水、乳液やクリームも、メイクを落とすために過剰に洗顔した結果、肌が乾燥し、これらのケアが必要だと感じているだけで、顔以外の皮膚と同様、本来どうしても必要だというものでもないのです。

■大切なことは素肌そのものの美しさ

つまり、メイクも基礎化粧品もある意味ではお肌にとっては異物といえるのです。肌が健康な人にとっては、これらの異物が肌に負担をかけてもすぐに修復してくれるため、目立ったトラブルが起こらず、メイクや基礎化粧品が異物であることに気づきません。

しかしお肌の弱い人や敏感な人は、メイクや過剰なスキンケアの結果、赤みや発疹などのトラブルが起こり、自分にあうコスメを探し続けることになります。けれども大切なことはメイクやコスメに頼らない美しい素肌を作ることではないでしょうか。「メイクをしてもきれいに見えない!」という人は、欠点をカバーするメイクを中止し、素肌をきれいにしてみてはいかがでしょうか。

図 3 コスメの成分がアレルギーや肌荒れをひき起こすことも……

図 3 コスメの成分がアレルギーや肌荒れをひき起こすことも……

■トラブルが起こったらできるだけ何もしない

肌に何らかのトラブルが起こったら、いったんメイクやスキンケアを中断し、ぬるま湯洗顔だけで様子を見てみるとよいでしょう。

ただし、発疹や腫れるなど接触皮膚炎のような、どちらかというと病気の部類に入るものは皮膚科医に相談しましょう。

■自分の肌をよく観察しましょう

クレンジング剤を使わなければ落とせないような濃いメイクは、肌に負担をかけていますので、できればメイクは石鹸で落とせる程度のものがよいでしょう。メイクをしていないのであれば、日中肌についてしまったほこりや皮脂はぬるま湯の洗顔で十分に落とせます。

洗顔後は、先入観にとらわれず、何もつけないで素肌の様子を観察してみてください。直後につっぱる感じがしても、何も塗らずにしばらくして肌が自然にしっとりしてくる人は、自分自身の持つ保湿能力があるということです。かさつきがある部分はワセリンなど不要な添加物が入っていない保湿剤を塗る程度で十分です。保湿剤は1種類で十分です。何種類も使う必要はありません。

■何もしないスキンケアで本当に必要なものを見極めよう

トラブルがある人はもちろん、トラブルのない人でも週末などを利用して上記のような肌断食を行ない、自分の本来の肌状態をじっくり観察してみると良いでしょう。
「余計なことはしない」というスキンケアで、乾燥が緩和された、肌のキメが整った、吹き出物が改善された、という報告も少なくありません。過剰なメイクやスキンケアは卒業して、ファンデーションに頼らない美しい素肌を目指してみてはいかがでしょうか。


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