肌の構造とその役割
品川スキンクリニック新宿院 黒田愛美
品川スキンクリニック 新宿院医師。レーザー、ヒアルロン酸やボトックスなどの注射、美容全般の手術、など全般的に担当。得意分野は目(二重やたるみ)、豊胸手術、肌の悩み、など。
「美肌に必要なのはコラーゲンやセラミド」と聞き、これらの成分が含まれたコスメは大人気。でもそのメカニズムや役割はあまりよく知られていないようです。より効果的なスキンケアで美肌を保つために、肌の構造やコラーゲン・セラミドなどの役割を簡単に頭に入れておきましょう。

一般に皮膚と呼ばれている部分は「表皮」「真皮」の2層構造になっています。その厚みはわずか0.4~1.5㎜程度。「お肌をこすってはいけない」とよくいいますが、それはこの薄さゆえ。お肌は桃の皮のように薄いので、優しく丁寧に扱わなければならないのです。
■表皮の役割
この皮膚の中でもわずか0.3㎜程度の「表皮」は一番内側から「基底層(きていそう)」「有棘層(ゆうきょくそう)」「顆粒層(けいりゅうそう)」「角質層(かくしつそう)」と徐々に変化し、最後は皮膚の一番外側にある角質層となり一定の期間留まったあとに剥がれ落ちていきます。つまり一ヶ月程度で皮膚は再生されていて、これがターンオーバーと呼ばれるサイクルです。
肌の一番外側を覆う厚さ0.02〜0.03㎜の角質層は、角質細胞がブロック状に重なり、その間にはセラミドを主成分とする細胞間脂質が角質細胞同士をセメントのように接着しています。このセラミドが角質細胞を十分に繋ぎ合わせることで肌のバリア機能や潤いが保たれています。潤いのある美肌を保つためには皮膚の新陳代謝であるターンオーバーが正常に繰り返されていることと、バリア機能と水分保持の役割を果たすセラミドが十分保たれていることが重要となります。

図 1 皮脂腺から出た皮脂と汗が混じりあい皮脂膜となりお肌を整えます
また、皮脂腺より分泌される皮脂と汗が混ざり合い乳化し、肌を覆う皮脂膜となり、お肌の保湿と保護をする天然のクリームの役割を果たします。化粧品のクリームはこの皮脂膜を基準に作られています。健康な肌の皮脂膜は、pH4.5~6.0の弱酸性に保たれ、酸に弱い細菌やカビなどの増殖を抑制しています。
■真皮の役割
そして「表皮」を下から支えている「真皮」。編目状にはりめぐるコラーゲン繊維(俗にいうコラーゲン)とそれを繋ぎ合わせる弾力性のあるエラスチンが、皮膚の弾力を保つために真皮内でクッションの役割を果たし、サポートしています。そしてこれらの隙間には水分が十分に含まれたゼリー状のヒアルロン酸などが含まれ、肌の内側の水分を保つ役割を果たすだけでなく肌全体のうるおいと柔軟性をもたらしています。
真皮の中には繊維芽細胞と呼ばれる美肌作りに一番大きく関わる細胞が点々と含まれ、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を作り、古くなったコラーゲンやエラスチンの分解処理も行ないます。しかし老化や紫外線の影響で繊維芽細胞は弱り、真皮の構成要素の生産が徐々にスムーズにいかなくなります。
真皮全体のコラーゲンやエラスチンの生産量が減ることで、表皮を支える力が弱くなり肌全体の弾力やハリが失われ、法令線のような深いシワや目の下や顔全体のたるみなどを引き起こすのです。
■丈夫な皮膚を作るために最重要なケア
日常で心がけてほしい重要なケアはやはり保湿とUVケア。化粧水の後に必ず乳液やクリームで仕上げることは必須です。UVケアはシミ対策のためだけでなく、紫外線が活性酸素を作り、肌そのものを老化させコラーゲンやエラスチンの生産量を減らしてしまうということを頭に入れ、通年を通して行ないましょう。








