クロード・ショーシャ 先生

ラ・クリニーク・ドゥ・パリ・インターナショナル会長

「Live Longer, Live Better(より長く、より良く生きる)」を支援する抗老化医学界の権威

クロード・ショーシャ

医師として成し遂げたいことを教えてください。

私が成し遂げたいことは、1人でも多くの人が「より長く、より良く生きる(Live Longer, Live Better)」ことです。 日本をはじめ、多くの国で寿命が延びましたが、「老化は身体の急速な退化であり、避けられないものである」というネガティブな考えが浸透しています。

しかし、近年の科学的な研究から得られた知見によると、人間の生物学的寿命は100年以上あります。科学の進歩により、正しく対処していくことで、100年以上健全な状態でいることが可能なことが判明しています。

ただし、これを実現できるかどうかは、人々が「積極的に老化と立ち向かうかどうか」にかかっています。私は、多くの人が加齢のプロセスを理解し、正しく対処することで健康な未来を手に入れられるよう、アンチエイジングの知識が広く普及し、多くの人が実践することを願っています。また、止まることなく研究を重ね、「より長く、より良く生きる」ことを実践していかれる方々を支援し続けたいと考えています。

より長く、より良く生きるために重要なことは何でしょうか。

長年に渡る研究と臨床の結果、「nutrition(栄養素)」「absorption(栄養素の吸収)」「hormone(ホルモン)」の3つがアンチエイジングや病気の予防において重要なキーになることが分かりました。

肉体の老化度を示す生物学的な年齢は、細胞の状態、すなわち細胞膜やDNAなどの状態を表しています。老化が進んでいるということは、1つ1つの細胞の状態が良くないということです。逆に言うと、細胞の状態が良くなれば、肉体全体が若返ります。

細胞の状態を改善し、細胞同士の調和の崩れを是正するためには、不足している栄養素を補ったり、ホルモンの不均衡を是正する必要があります。そのため、「nutrition(栄養素)」や「hormone(ホルモン)」はアンチエイジングにおいて大変重要な要素です。

また、冒頭でお話をした通り、「absorption(栄養素の吸収)」も重要です。必要な栄養をしっかり吸収し、必要な細胞に届けるには、「単に食事を摂ればいい」という訳にはいきません。消化を司る臓器には、肝臓、膵臓、胃、腎臓などがありますが、それぞれの臓器は24時間同じように働いている訳ではなく、代謝活動のリズムが異なります。そのため、このリズムに合わせて、「適切な栄養素を、適切な時間に摂る」ということが大変重要になります。

日本の読者へのメッセージをお願いします。

科学の進歩により、「より長く、より良く生きる(Live Longer, Live Better)」は実現が可能な時代となりました。病気になると、多大な治療費がかかるばかりか、精神的にも大きな苦痛や苦悩を負うことになります。これに対し、予防にかかる費用は、治療にかかる費用の20%以下と言われています。年老いて病気になって治療を受けるのではなく、老化や病気を防ぐ努力をしましょう。

そのためには、先ほどお話しした「nutrition(栄養素)」や「absorption(栄養素の吸収)」、「hormone(ホルモン)」が大変重要です。栄養素とその吸収という意味では、和食は大変優れており、私もよく食べています。和食を基本に、食べ方を工夫すれば、理想的なアンチエイジング食となります。私の著書『体内リズムダイエット』(永岡書店)でご紹介した食事のコツを取り入れ、ぜひ実践してください。

また、日本では、女性の更年期障害の治療においても、ホルモン補充療法の普及率は海外と比べて低くなっています。ホルモンは老化のメカニズムの中で、大変重要な役割を果たしています。女性も男性も、ホルモンバランスの崩壊は老化の最大の原因の1つです。日本では、まだ更年期のホルモン療法、特に男性向けの治療を適切に行える医師は少ないのが現状ですが、積極的にアンチエイジングをしたいとお考えの方はぜひ優れた医師を探し、治療を受けることを検討していただきたいと思います。