高木誠 先生

東京都済生会中央病院 院長

東京都済生会中央病院 高木誠 院長先生

高木誠

地域医療支援病院としての「東京都済生会中央病院」の役割

当院は大正4年、北里柴三郎を初代院長に開院し、2015年12月1日に100周年を迎えました。地域とともに成長してきた当院は、一刻を争う重篤な患者さんに対応する「3次救急病院」として、また、地域医療を支える「地域医療支援病院」として、大きく2つの役割を担っています。

役割のひとつである「地域医療支援病院」は、 ひと言で言うと『地域のかかりつけ医の先生方と一緒に、地域の医療提供体制を作る』という役割を担っています。

例えば、日常的によくある病気は、身近なかかりつけ医の先生へ受診していただき、入院が必要な治療や、大型の検査機器が必要な検査は当院へ、と、機能を分担して、地域の皆さんへ医療を提供しています。

また、地域の医療人に向けて、勉強会や懇親会を積極的に開催し、「顔の見える連携」を促し、医療の質向上にも寄与しています。

地域医療を支える上で大切な「病診連携」

日本は「皆保険制度」といって、保険証があれば、全国等しく同じ医療が受けられる、世界でも最高水準の医療制度を担保しています。また、「1次救急」「2次救急」「3次救急」の3段階の医療体制を整えています。

1次救急は、入院治療の必要がなく、外来で対処しうる帰宅可能な軽症患者に対応する救急医療。
2次救急は、入院治療や手術を必要とする重症患者に対応する救急医療。
3次救急は、一刻を争う重篤な救急患者に対応する救急医療。

読者の皆さんの多くは、1次救急を担う、身近なかかりつけ医(近くの診療所やクリニック)を受診した経験があると思います。その先生にかかり続けると、既往歴や家族関係、仕事の状況も把握でき、より適切な診療につながります。これを「かかりつけ医制度」といって、国や医師会が推進、啓発している制度です。

一方、当院は「地域医療支援病院」として、かかりつけ医の先生方に入院や検査が必要な患者さんを紹介していただき、速やかに専門的な医療を提供できるよう体制を整えています。

そして、かかりつけ医の先生方が、当院の医療サポートが必要と判断したときに用意するのが「紹介状」(診療情報提供書)です。紹介状には、診療記録や検査結果などが記されており、病院に受診する際、同じ検査を重複せずにすむので、すぐに診療に入れます。患者さんは、検査の待ち時間などが少なくて済むので、負担が軽減されます。

また当院に受診の際、初診で紹介状のない患者さんは、国の定めに従って、選定療養費5400円(自費/税込)が必要になります。※救急診療などは適用外になります。
重篤な状態でなければ、身近な先生を受診していただくことで、金銭的な負担も軽減できます。

多くの診療所やクリニックの先生方が、当院に登録しています。日ごろから、当院の医師や職員とかかりつけ医が、「顔の見える連携」をすることで、患者さんお一人お一人をしっかり支える医療体制が強化されています。

「3次救急」と地域住民の声に応える開かれた病院

当院の大きな役割として「3次救急」があります。命をつなぐために、一刻を争う重篤な患者さんを積極的に受け入れることのできる体制をしっかり整え、地域を支えています。

また、近年急増している、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病のいわゆる4疾病にもしっかり対応しております。加えて、高齢化の波は、着実に東京にも来ており、認知症や大腿骨頸部骨折、脊椎圧迫骨折などの整形外科領域も大切です。

2017年5月には新病棟が稼動予定です。これに先立ち、近隣の住民の方々のご意見を拝聴する機会の中で、産科を再開して欲しいという要望が数多く寄せられました。実は、しばらく産科を休止しておりましたが、新病棟稼動と同時に、再開いたします。

開院して100年以上、この病院で生まれた方やお産を経験した方がたくさんいます。この地域でお産の再開を希望される声をいただくことは、とても嬉しいことです。

病院に来ない日常が健康であることの証ではありますが、当院では、年に1回、病院を地域住民の皆さんに開放する、オープンホスピタルデイを開催しております。
病院をもっと身近に感じて頂き、安心してこの地域で暮らしていただければと思います。