ニキビ跡の治療
渋谷スキンクリニック 吉田貴子
渋谷スキンクリニック院長。アトピー性皮膚炎、ニキビ、湿疹、ホクロ、イボ、シワなどあらゆる皮膚疾患に対応。ピーリング治療、ボトックス注射、ヒアルロン酸注入、レーザー脱毛、脂肪融解注射などの治療も充実。
ニキビ痕を家庭のケアでキレイにするのはなかなか難しいものです。ニキビは炎症を起こしてしまうと、治った後でもニキビの痕が残ってしまうことがあります。そうならないためには、早期の治療をおすすめします。
痕がどれだけ残るかは、ニキビがどれだけ進行したかや、ニキビの出来た部位などにもよりますし、体質も関係するので個人差があります。ここでは、残ってしまったニキビ痕のケアについてご紹介します。
■ニキビ痕の種類
ニキビ痕は、出来てしまったニキビの炎症により周囲の組織がダメージを受け、傷跡(瘢痕(はんこん))として残ってしまうもので、状態によって次の2つに分けられます。
図 1 毛穴の周囲の組織がダメージを受けて痕になってしまった状態
■A:クレーター
クレーターは、毛穴とその周囲に強い炎症が起こったことで、真皮がダメージを受けコラーゲン組織が破壊され落ちくぼんでしまった状態です。ダメージを受けたコラーゲンの再生を促さないと肌は盛り上がってきません。残念ながらクレーターは、ホームケアで治すことはできません。
クリニックで、コラーゲンを作る作用のあるレーザーを当てたり、新しく肌を生まれ変わらせる効果のあるピーリングを行ったり、凹んだ部分にコラーゲンやヒアルロン酸等を注入してくぼみを盛り上げる方法があります。また真皮のコラーゲンを作るといわれているレチノイン酸をクリニックで処方してもらい、塗布するのも有効です。
同時にビタミン剤の内服もおすすめします。また、普段のスキンケアにおいても、イオン導入器でのビタミンCの導入、家庭でのピーリングなども効果的です。
日常生活においても、規則正しい生活を送り、ストレスをためないように気を付けましょう。
■B:赤みと色素沈着
炎症によって肌に赤みが残ったり,メラニンが過剰に生成され、色素沈着を起こしてしまうことがあります。時間が経てば、正常に戻ることが多いのですが、正常な状態になるまでの期間は、個人差があり、長い方では、1年以上かかる方もいます。
赤いニキビ痕
ニキビが進行して炎症が起こり、赤みが生じた場合、なかなか消えなくなることがあります。盛り上がっていたのが平らになって、ニキビはほぼ治っているのに、赤みだけがいつまでも残っているという状態です。
皮膚に傷ができた場合、毛細血管が豊富に形成され皮膚を再生させますが、ニキビの痕の赤みも傷を治そうとする働きでできた毛細血管の増生、拡張によるものです。毛細血管が多いと中にたくさんの血液が流れているので、表面から赤く見えます。ある程度、日数がたてば薄くなるものもあります。
色素沈着
炎症が起こっ後の赤みが茶色いシミになることがあります。これを、炎症後色素沈着といいます。紫外線に当たることでメラニンが生成され、痕が消えにくくなりますから、UVケアは入念に行ってください。
色素沈着、赤みがあるうちは、日焼けをしないことが大切です。ビタミンCは、色素沈着や赤みを薄くする作用もありますので、少しでも早く赤みを消すには、ビタミンC誘導体配合の化粧品を使ったり、ビタミンCのイオン導入が効果的です。また、ホームピーリングも効果的です
赤みが濃くてなかなかきかない場合や濃く色素沈着してしまった場合には、クリニックで治療を受けることで早く改善します。
クリニックでの治療は、医療ピーリング、レーザーによる治療に加え、肌の漂白剤といわれる塗り薬ハイドロキノンクリームやコラーゲン生成をうながすトレチノインクリームなどの処方があります。同時にビタミン剤の内服も効果的です。
ケロイド
まれなケースですが、人によっては体質的に顔のあご部分に赤く盛り上がったケロイド状の跡が残る場合があります。これは、皮膚が再生するときに過剰にコラーゲン線維が作られてしまい、硬くなったものです。自然治癒は難しく、クリニックでの治療が必要です。ステロイドを局所注射すると、肌表面の光沢感は治りませんが、盛り上がっていた状態が平らになってきます。
痕になってしまうと、肌へのダメージと同時に精神的にもダメージを受けてしまいます。痕になってしまった後も、早く治療すれば、早くキレイに治ることがほとんどですから、1人で悩まず、皮膚科医に相談してみてはいかがでしょうか。








