最近は、1年を通じてアレルギー症状に悩む人が増えています。季節の変わり目、杉やヒノキに代表される花粉もそうですが、最近では黄砂やPM2.5などがアレルゲンとなっていることもあります。さらに精神的なストレス、体調不良や疲れなどもアレルギーの原因になることがあります。
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顔の肌荒れ、実はアレルギーが原因であることも
アレルギー肌と聞くと、赤くはれたりカブレやカユミが出たりする症状を思い浮かべる方も多いと思いますが、乾燥肌もアレルギーが原因となっていることがあります。また、皮膚に触れたものでアレルギーを起こし湿疹を生じた場合などは接触性皮膚炎と言います。
そして、鼻水が出ているからといって、肌は平気だろうというとそうでもなく、鼻に現象が現れているだけで、体内ではアレルギー誘発物質であるヒスタミンが増えている状態となり、肌も敏感になります。
乾燥肌がアレルギーを悪化させる場合もある
乾燥肌とは、もともとの体質もありますが、環境や洗い過ぎ、保湿不足などが原因で肌の角質層が破壊され、肌内部の水分が減少してかさつきを感じるようになった状態です。角質層は、もともと鱗状に閉じていますが、このように洗い過ぎなどで乾燥してバリアが壊れるとめくれてしまい、こうなると外部刺激から肌を守る肌のバリア機能が低下し、ハウスダストや花粉、化粧品などの成分に含まれるアレルゲンが肌内部に入り込みやすくなり、アレルギーを発症・悪化させたります。
肌の乾燥を防ぎ、角質層のバリア機能を保つ
日本人は清潔好きだということは知られていますが、ついつい洗いすぎてしまう傾向があります。しかし洗いすぎると乾燥を招き、上述したように角質層のバリア機能が壊れアレルギーを起こしやすくなります。洗い過ぎに気をつけるとともに、日々化粧水や乳液、クリームなどでしっかり保湿ケアを行い、バリア機能を修復するようにしましょう。
また、どこか体の一部が乾燥していると、潤そうとして体が皮脂を出そうとします。しかし乾燥した部分にだけ皮脂を出すということはできないので、体全体で皮脂の分泌が活発になります。乾燥すると背中や胸元に皮脂が増えたりするのはそのためです。そういったときは意識的に、顔だけではなく身体のすみずみまで乾燥している部分が無いかチェックし、こまめに保湿をすることを心がけましょう。
乾燥肌の人が知っておくべき化粧水選びのポイントや成分については、『乾燥肌の化粧品選び(3)化粧水』をご覧ください。また、具体的なアイテムについては『セラミド配合化粧水の正しい選び方・使い方』や『シアバターの正しい使い方と注意点』をご参照ください。
肌にトラブルが起きたときは、生活を振り返る
保湿以外で重要なのは、やはり生活習慣です。よく話を聞いてみると「そういえば、友達のクレンジングを借りました」「化粧品のサンプルを使いました」「普段よりも紫外線を長く浴びました」「洗剤、ボディソープを変えました」など、アレルギーを起こしやすい要因が生活のなかに潜んでいる場合があります。
また、特定の動物性タンパクを多く摂取するとアミノ酸に分解する際、ヒスタミンなどの体内物質が遊離しやすくなり、アレルギー症状が出ることがあります。体調が今ひとつ優れない時などに、卵や青魚、甲殻類、生ものなどを食べて症状が出ることもありますので、症状が出た時期の体調や食事内容を振り返ってみることも大切です。
腸内環境は、アレルギーと深い関係が
アレルギーは、肌にだけ症状が出るように思っている方が多いと思いますが、実は肌荒れや敏感肌の症状が出るときは腸内環境が悪化していることも多く、便秘や、おなかの調子が悪いなどの症状が出ることもあります。
腸の状態が悪いと腸内の善玉菌が減少し、有害な物質を体内に吸収してしまうことになります。有害な物質が血液中に入り体内を巡ることで、アレルギーを起こしやすくなってしまいます。
ですので、町内環境を整えて免疫力を高めることも大切です。ヨーグルトで腸内の善玉菌を増やすことも対策の1つですし、普段の生活においてストレスをなくして、きちんと睡眠、栄養をとって腸内環境をキレイに保つこも、肌にもいい影響を与えるでしょう。
アレルギーによる肌荒れを病院で治す方法
肌荒れを放置したり自己流で間違ったスキンケアを続けていると、肌がさらにダメージを受けて、回復に時間がかかってしまうことがあります。そんなときは、病院で治療を受けることも大切です。
皮膚科やアレルギー科では、肌の状態を診察し、既往歴や睡眠、食事など生活環境を問診するとともに、必要に応じてアレルギーの原因となる物質を特定する検査を行います。また、適切な治療薬を処方するとともに、スキンケア方法や生活習慣の改善などを指導することもあります。
薬による治療
かゆみや炎症を抑える塗り薬や飲み薬、肌のバリア機能をサポートする保湿剤などを処方します。
- 抗ヒスタミン剤…肌のかゆみを抑制する働きがあります
- 抗アレルギー剤…さまざまな物質によるアレルギー反応を抑えます
- ステロイド外用薬…かゆみやかぶれをともなう皮膚の炎症を抑えます
- 保湿剤…ワセリン、ヘパリン類似物質や尿素などのクリームがあります
これらのほか、漢方薬などを処方することもあります。
まとめ
アレルギーが係わっている肌の不調や肌荒れについて、わかりやすく解説しました。
肌の不調をきたしたとき、身体のなかではなにかアレルギーが起きているかもしれません。もし肌に何かしらサインが出たら自分の生活を振り返ってみることをおすすめします。そして、うまく改善しない場合は早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
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