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尋常性湿疹の原因と治療法は?尋常性乾癬とは違うの?

更新日:2018/03/19 公開日:2013/08/23

湿疹・皮膚炎

「尋常性湿疹」という病名には重い皮膚病のような印象があります。また「尋常性乾癬」という別の病気と似ていることもあって不安になる方もおられるでしょう。ここでは、尋常性湿疹の原因と治療法、尋常性乾癬との違いをドクター監修のもと解説します。

◎短くポイントをまとめると
尋常性湿疹は「湿疹を起こす病気のうち、明らかな特徴をもつもの以外」を指す病名で、一般的な「湿疹」とほぼ同じ意味
薬局で外用湿疹・皮膚炎用薬を購入するか、皮膚科などの病院で治療する。セルフケアも大事
尋常性湿疹と尋常性乾癬は全く別の病気

湿疹のイメージ写真画像

「尋常性湿疹」(じんじょうせいしっしん)という病名には、重い響きがあります。また、「尋常性乾癬」(じんしょうせいかんせん)という別の皮膚病と似ていることもあって不安になる方も多いと思いますが、尋常性湿疹は通常の「湿疹」と同じものであり、心配しすぎる必要はありません。ここでは、ドクター監修のもと、尋常性湿疹の原因と治療法、セルフケアを解説するとともに、尋常性乾癬との違いについても触れます。

尋常性湿疹とは?

「尋常性湿疹」という病名は、実はもうあまり使われていません。意味合いとしては「湿疹を起こす病気のうち、明らかな特徴をもつもの以外」を指す病名で、一般的な「湿疹」とほぼ同じ言葉です。

もう少し詳しく説明すると、湿疹の分類法の一つに、下記のように5つに分ける方法があります。

  • 接触性皮膚炎
  • アトピー性皮膚炎
  • 脂漏性皮膚炎
  • ビダール苔癬
  • 尋常性湿疹

このうち、接触性皮膚炎アトピー性皮膚炎脂漏性皮膚炎ビダール苔癬は湿疹を起こす病気ではありますが、それぞれに特徴があって区別することが可能です。これら以外の湿疹が尋常性湿疹に含まれます。要は「その他の湿疹」というような位置づけです。

近年では、湿疹を起こす病気の原因が以前よりも分かってきていることもあり、尋常性湿疹という医学用語はあまり使われなくなってきています。ここでは、「尋常性湿疹=一般的な湿疹」という意味で解説します。

尋常性湿疹の原因は?

湿疹とは「皮膚におこる炎症」のことです。湿疹が起こると、皮膚にかゆみを伴う赤いむくみ(紅斑)、盛り上がり(丘疹)、小さな水疱、膿が溜まった膿疱(のうほう)、かさぶたができたり、カサカサと皮むけしたりします。また、ほとんどの場合でかゆみを伴います。

現在、湿疹は身体の外にあるもの(外的因子)と身体の中にあるもの(内的因子)が絡み合って生じていると考えられています[1]。具体的には下記のようなものがあげられます。

外的因子

  • 薬剤
  • 化学薬品
  • 花粉
  • ハウスダスト
  • 細菌や真菌(カビ)
  • その他のアレルゲン(アレルギーを起こす物質)など

内的因子

  • 健康状態
  • 皮脂の分泌
  • 発汗
  • アレルギーの有無
  • アトピー素因 など

皮膚は、これらの外的因子が侵入してくると、有害な異物と認識して、これを排除しようとします。この反応は「炎症」と呼ばれる身体の防御反応のひとつです。どういう炎症がどの程度起こるのかは、内的因子によって決まります。

例えば、ある化学物質(外的因子)にアレルギー(内的因子)のある人が、その化学物質が接した部分に湿疹を起こしたとしたら、それは接触性皮膚炎と診断される可能性が高いです。一方、湿疹ができているけれども、どの外的因子と内的因子が組み合わさって起きたものかよく分からないという場合は、尋常性湿疹という扱いになります。

原因が分からないことも多々あります。けれども、必ずしも原因が分からなければ治療ができないわけではなく、皮膚の局所の炎症を抑えるという点においては上記のどの湿疹群も治療は同じです。一時的な炎症を早く抑えてあげることによって、慢性化し、皮膚が回復しにくくなることを防ぐことができます。湿疹は火事のようなものですので、しっかり消火して悪化させないことが肝心です。

いったん改善したものの繰り返す場合には、生活を細かく振り返って、外的刺激の原因になるようなものがあればそれを排除したり、なるべく暴露しないように生活を工夫すると良いでしょう。原因究明をすることでぶり返さないようにコントロールすることは可能ですからご安心ください。

尋常性湿疹の治療法は?

尋常性湿疹の治療は、薬局で薬を買って自分でケアする方法(セルフメディケーション)と、病院(皮膚科)に行って診察を受けてから処方された薬で治す方法があります。

薬局で市販薬を買って治療する

薬局では下記のような成分の入っている「外用湿疹・皮膚炎用薬」を買うことができます。種類がいろいろあるので、薬剤師のアドバイスを聞いて選ぶとよいでしょう。薬の注意書きをよく読んで使用してください。

  • 炎症をおさえる成分(デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、ウフェナマート、グリチルリチンなど)
  • かゆみをおさえる成分(クロルフェニラミンマレイン、ジフェンヒドラミン、クロタミトン、リドカインなど)
  • 殺菌成分(イソプロピルメチルフェノール、クロルヘキシジン、ベンザルコニウムなど)
  • 治りを助ける成分(酸化亜鉛、アラントイン、ビタミンEなど)

主体となるのは炎症をおさえる成分ですが、市販薬に含まれるステロイド含有量はごくわずかなため、弱すぎて改善しないことはよくあります。ごくごく軽い湿疹であれば、薬を塗ってから数日で症状がおさまってくることが多いですが、そうでない場合は皮膚科を受診し、本当に湿疹なのかどうかの診断や、何か原因があるのかを調べてもらいましょう。

病院(皮膚科)に行って治療する

かゆみや炎症が治まらない場合や、同じような湿疹を繰り返す場合は、皮膚科に行って医師に相談することをおすすめします。ごくまれにですが、ただの湿疹ではなく、カンジダ皮膚炎やとびひなどの感染症、糖尿病や肝臓病などによるものや、悪性腫瘍が隠れている場合もあります。皮膚科専門医は、詳しい問診や視診、検査などにより湿疹の特徴を見極め、それぞれに合った治療を行ってくれます。

湿疹のセルフケア

市販薬や処方薬を使いながら、湿疹に対するセルフケアも一緒に行うことが効果的です。下記のような点に気をつけて、湿疹の治療・予防に努めましょう。

  • なるべく掻かないようにする(掻いた刺激でまた炎症が起こります)
  • 湿疹のある部分に物理的な刺激を与えないようにする(ガーゼで保護するなど)
  • 刺激の強い石鹸でゴシゴシ洗わないようにする(泡で優しく洗い、お湯で流すだけで十分です)
  • 保湿する
  • バランスの良い食生活を心がける(特にビタミンB群を摂るようにする)
  • 不規則な生活習慣(ストレス、疲労、睡眠不足、ホルモンバランスの乱れ)を改める

尋常性湿疹と尋常性乾癬の違い

最後に、尋常性湿疹と尋常性乾癬の違いについて簡単に説明します。この2つは字面がよく似ていて、尋常性湿疹でウェブ検索すると尋常性乾癬も出てきてしまうことから、心配になる人がいるかもしれません。

尋常性乾癬は、表皮のターンオーバー(新陳代謝)が早くなりすぎて、角化が不完全となることで起こる病気です。皮膚に厚い銀白色のかさぶたに覆われた赤い円形~楕円形の発疹が表れます。頭皮、肘、膝、おしりなどにできることが多く、湿疹のようにかゆくなることはあまりありません。患者は1万人に2~4人程度と非常に少なく、病院で治療を受ければ症状をコントロールすることができます。

尋常性湿疹は表皮のターンオーバーは正常ですが、化学物質や細菌などの外的因子と、アレルギーやストレスなどの内的因子の相互作用により、体を守るために炎症が起きた結果として起こるものです。

このことから、尋常性湿疹と尋常性乾癬はまったく異なる病気であり、またどちらも他の人にうつるものでもありません。

まとめ

尋常性湿疹は、一般的な「湿疹」とほぼ同意義です。原因がはっきりしないときに付けられる病名ですが、実際に原因を確定するのは困難なことが多く、たとえ原因が分からなかったとしても一時的な治療は可能です。ただし頻繁に繰り返す場合は接触皮膚炎などを疑って詳細な検査を要することがあります。薬局で買える市販薬を使ったり、皮膚科を受診したりしてください。似ている病名に尋常性乾癬がありますが、これとは全く異なる病気です。

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