ニキビができてしまった時、早く治したいという一心で、ニキビの芯を自分でとって、さらにニキビや吹き出物が悪化して肌荒れしてしまった失敗経験のある方はいませんか?
皮膚科などの医療機関では、よくニキビの芯を出してくれるニキビ治療、面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)を受けられることがあります。そのため、ニキビの芯はとったほうがよいと思われがちですが、実際のところどうなのでしょうか?
ニキビの芯の正体
ニキビの芯とは何か
ニキビの芯とは、古い皮脂や角質が蓄積されて角栓ができ、毛穴がつまり、毛穴の中に古い皮脂が溜まった状態のことを指します。初期段階である芯は、まだ炎症を起こしていませんが、毛穴が閉じていると白い芯(白色面皰)に見えます。
普段よく見る芯はこのタイプが多いのですが、毛穴が開いたまま角栓ができると酸化が進み、黒い芯(黒色面皰)に見えます。いずれの場合も毛穴が閉塞した状態となっているため、もともと毛穴に存在しているアクネ菌が増殖しやすい環境となり、アクネ菌から放出するリパーゼが、毛穴に溜まった皮脂を遊離脂肪酸という物質に変えます。この遊離脂肪酸が毛穴の壁を傷つけるため、芯の中身が毛穴の壁から外にでてしまい、これを異物ととらえた反応として炎症を引き起こすといわれています。いわゆる黄ニキビよばれる化膿したニキビです。
この状態が長く続くと、ニキビ跡がいつまでも赤みを残したり、炎症後の色素沈着といった茶色いシミを残したりします。ただし、これらのニキビ跡の色味は、数か月で目立たなくなるため心配ありません。むしろ、皮膚がクレーター状に陥没してしまうと自然に治ることは期待できないため、注意が必要です。
ニキビの芯はとっていいの?
自分では取らないようにしましょう。
ニキビができてしまった時のニキビケアの基本としては、まず洗顔が第一です。洗顔は、過剰に分泌されている皮脂を洗い流します。けれど、芯を洗顔で完全に取り除くというのは、なかなか難しいでしょう。
ニキビの芯を自分で潰してはいけない理由
自分で芯を取ると細菌が入りニキビが悪化する
セルフケアでニキビの芯を取ろうとすると、ニキビを悪化させてしまう可能性があります。指で芯を押し出すことでニキビを潰し、除去したつもりであっても毛穴に傷がつき、雑菌が入り込んで炎症を起こしたり、化膿する原因となります。
毛穴の中身を押し出せたとしても、ホルモンの影響下にある肥大した皮脂腺が毛穴と一緒に存在しているため、皮脂は再び皮脂腺からどんどん分泌されるためキリがありません。また、押し出そうとすると爪の形とそっくりな赤味やシミが濃く残ってしまうデメリットの方が高くなります。その意味でも自分の手を使って無理やりニキビの芯を取るのは控えましょう。
また、化膿してしまった赤ニキビや黄ニキビは、どちらもアクネ菌が繁殖して炎症を起こしているため、ニキビを手で潰してしまうと、ニキビ菌の増殖を誘発してし、さらに炎症が悪化してしまいます。固いしこりのあるニキビや大きなニキビなどはどうしても目立ってしまうため、思わず自分で押し出してしまいたくなることもあると思いますが、かえって悪化させてしまうこともあるため、早めに皮膚科を受診して圧出してもらいましょう。
皮膚科でニキビの芯を取る方法
皮膚科で芯を取る効果(メリット)
皮膚科の中には、ニキビの芯出し・圧出というケアを行ってくれるところがあります。ニキビの芯出し・圧出とは、細い針でニキビの頂点に穴をあけてから面皰圧出器でニキビの中にある芯を押し出すことです。
レーザーを使って穴をあけて面皰圧出器でニキビの中にある芯を押し出す方法もありますが、これが保険診療外の治療になります。ただし、ニキビの状態によっては、芯出し・圧出を受けることができない場合もあるので、事前に医師に自分のニキビの状態を見てもらい、判断してもらいましょう。
※ニキビの芯を取る治療、圧出治療については、『面ぽう圧出でニキビを治療する方法』をご覧ください。
まとめ
ニキビの芯を取り出す方法についてご紹介しました。無理に手で潰すことのないよう、ニキビの状態に合わせた対処法をとるようにしましょう。
また、
- 食事
- 睡眠
- ストレス
などの影響でホルモンバランスが乱れ、男性ホルモンが過剰になるとニキビができやすくなります。そのため、日々の食生活ではバランスのよく栄養を摂取し、睡眠も十分にとりましょう。また、ストレスを解消できるよう、適度な運動に励むなど、規則正しく健康的な生活を送るよう心がけてください。
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