人に不可欠な成分「マグネシウム」とは
マグネシウムといえば、人間が生きてくために欠かせないミネラルのひとつです。生命活動に深い関係のある体内の酵素反応のうち、実に300種類以上のものが、マグネシウムなしでは成り立ちません。ホルモン分泌や神経伝達、筋肉の収縮といった反応はすべてマグネシウムと関係しています。そのマグネシウムは、便秘対策に効果があると期待される成分としても知られています。
市販の便秘薬には、「マグネシウム系便秘薬」という1ジャンルもあるほど、マグネシウムが含有されているものが非常に多くあります。また、便秘に効果があるとされる健康食品やサプリメントなどにも、マグネシウム配合のものが目立ちます。それだけ、マグネシウムは便秘の改善・解消に役立つと考えられます。
しかし、マグネシウムは過剰に摂取すると体に悪影響をおよぼす場合もありますので、適切な摂取を心がけることが大切です。
便秘解消に効くマグネシウムの効果
市販の便秘薬によく用いられているのは、マグネシウムの中でも酸化マグネシウムです。マグネシウムには、水分吸収を高める働きがあります。水分不足は、便秘の主要な原因であると同時に、便秘を慢性化させている要因でもあります。便は水分が足りないと硬くなって出にくくなり、腸内に長く残っていると、なおさら水分を奪われて余計に硬くなってしまうという負の連鎖が起きるためです。
マグネシウムの作用で水を含みやすくなることで、便はやわらかくなります。また、食物繊維などと同時に摂れば、便のカサを大きくすることにも繋がるため、腸の蠕動運動を助けて便秘解消に繋がるというわけです。マグネシウムは体内に吸収されにくいので、腸内まで無事に到達して、水分を吸収する役割を存分に発揮してくれます。また、天然由来の成分であることもあり、副作用の少なさでも知られています。
便秘解消に効くマグネシウムを含む食べ物
マグネシウムは、以下のような食品に多く含まれています。なお、横の数字はいずれも、100gあたりのマグネシウム含有量です。
植物性食品
- ひじき:620mg
- 昆布:520mg
- ココア:440mg
- インスタントコーヒー:410mg
- カットわかめ:410mg
- ごま(いり):360mg
- アーモンド(いり):310mg
- 焼き海苔:300mg
- 大豆:220mg
- 玄米:110mg
動物性食品
- さくらえび(素干し):310mg
- うるめいわし(丸干し):110mg
- あさり:100mg
- いくら:95mg
- はまぐり:81mg
- かき:74mg
- きんめだい:73mg
- ししゃも:57mg
- パルメザンチーズ:55mg
- ビーフジャーキー:54mg
マグネシウムを摂取するときの注意点
過剰摂取はしない
原則的に、マグネシウムは副作用が少ない成分です。しかし、過剰に摂取しすぎると身体に不都合が出てくるおそれがあります。通常の食生活の中では、マグネシウムが過剰となることはまずありません。ところが、医薬品やサプリメントといった形でマグネシウムを補っている場合には、知らず知らずのうちに摂取過剰となっていることもあるため注意しましょう。
高齢者は特に注意
高齢者の場合などは、血中マグネシウム値を定期的に測定する必要があります。体内のマグネシウムが過剰になると、下痢の症状が出やすくなります。便秘に苦しんでいる人からすればそれでも羨ましいと思ってしまうかもしれませんが、便秘と下痢が交互に繰り返されるような状態になると腸への負担が大きくなるため、絶対に避けるようにしましょう。
腎臓疾患の人は医師へ相談を
腎疾患を患っている人は、マグネシウムを処理する能力が低くなっているため、通常の食事以外でマグネシウムを補うことは避けましょう。
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