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アトピーを克服するためのスキンケア基礎知識&春の紫外線対策

更新日:2016.12.09
公開日:2014.03.27
ドクター画像
この記事の監修者
千春皮フ科クリニック 院長 渡邊千春

春は、アトピーの方にとってはアトピー症状が悪化しやすい要注意な季節です。季節の変わり目、スキンケアや紫外線対策は万全でしょうか?ここでは、ドクター監修の記事で、スキンケアの基礎と春の紫外線対策についてご紹介しています。

草木が芽吹き、自然の息吹が感じられる春という季節。清々しい気持ちで新生活をスタートさせる方も多いと思いますが、アトピーの方にとっては気をつけたい季節でもあります。季節の変わり目でもあるこの時期は、寒暖の差が激しく、紫外線量は増加、花粉や黄砂も舞いやすい…ということで、アトピー症状が悪化しやすい時期なのです。そんな春に気をつけたいアトピーケアの基礎と、紫外線対策についてご紹介していきます。

アトピーを克服するには「保湿」と「紫外線対策」が重要!

アトピー肌は、そうでない方に比べて乾燥しやすいという特徴があります。これは、皮膚を乾燥や細菌などの感染から守る「バリア機能」が低下しているためで、この状態では外部からの刺激に弱く、水分を失いやすくなってしまいます。肌バリアをとり戻すためにも、しっかりと保湿ケアをすることが重要です。

同時に、春からしっかりとケアをしたいのが紫外線です。紫外線は夏にピークを迎える印象があり、2月や3月頃はまだ紫外線量が少ないイメージですが、春先は紫外線量がとても多くなります。バリア機能の低下した肌は、紫外線の影響を受けやすく、肌へのダメージも大きくなるため注意が必要です。

<保湿ケアの必要性>

アトピー肌では角質層・顆粒層で、細胞間脂質と言われる成分「セラミド」が不足していて、そのため角質層の細胞配列は乱れ、十分な水分を保持することができません。また、この状態では皮脂膜も薄いため、バリア機能も脆弱で、乾燥しやすくアレルゲンの侵入を容易に許してしまいます。

そこで、重要となるのが保湿に重点を置いたスキンケアです。保湿ケアすることで、皮脂膜と角質層が果たすべきバリア機能を補完しながら、肌のうるおいやツヤをとり戻します。

<保湿ケアのポイント>

まず、かゆみに耐えられずかいてしまった場合のかき壊しを最小限に抑えるため、爪は短く切っておきます。そして、スキンケアする際はとにかくやさしく、皮膚に刺激を与えないよう注意しましょう。

また、補う成分については、基本はセラミドやヒアルロン酸、コラーゲンといった保湿成分を中心に与えます。炎症が酷くじくじくしているところには軟膏類を、カサカサと乾燥しているところにはクリーム類を使うとよいでしょう。肌の状態ごとに、柔軟かつていねいなケアを心がけてください。

<紫外線のアトピー肌への影響>

紫外線は皮膚のバリア機能を破壊しますが、すでにバリア機能が万全でないアトピー肌では、バリア機能のさらなる低下と肌の乾燥を招きます。また、バリア機能が低下した状態では、ほこりや細菌などが侵入しやすく感染を起こしやすい状態です。遺伝子にも傷がつきやすい危険な状態です。

さらに、日焼けによる炎症物質それ自体が刺激となりアトピー症状を悪化させるほか、皮膚に色素沈着を起こしたり、老化させるなど多大な悪影響が懸念されます。

春から実践したい紫外線対策

紫外線は、早めの対策が功を制します。まだ寒さの残る春先から万全な対策を施して、アトピーを克服しましょう。

<紫外線を浴びない>

快晴でなくても、紫外線は降り注いでいるので油断は禁物です。曇りでも約60%、雨でも約30%の紫外線が降り注いでいます。日焼け止めや日傘、帽子、衣類などで紫外線を浴びない工夫をしましょう。

<紫外線の性質・特性を知る>

紫外線は、太陽の位置が高いほど強くなるため、朝日や夕日よりは、正午前後の日差しに特に注意が必要です。また、標高が1000m上昇するごとにUV-Bは10~12%増加、赤道に近い沖縄では北海道のおよそ倍の紫外線が降り注いでいます。そして、紫外線は空気中で散乱する性質があるため、日蔭や屋内にいても紫外線を浴びている場合がありますし、ビーチや雪原では地上からの反射が強いため、通常より紫外線量は多くなります。

<紫外線を浴びてしまった場合のケア>

とにかくしっかりと患部を冷やし、炎症を抑えることが先決です。続いて、ローションなどでていねいにスキンケアをします。水ぶくれなど症状が重い場合は医療機関に相談することをおすすめします。

色素沈着を起こしている場合でも、多くは紫外線を極力避けていれば自然と薄く消えていきます。消えずに残ってしまった場合は、美白剤の外用やビタミンCのイオン導入・ケミカルピーリングなどを行うことがありますが、いずれも自費診療となります。

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