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全身性エリテマトーデスとは

更新日:2017/10/16 公開日:2014/05/14

膠原病

皮膚、血管、関節、内臓など全身が侵される全身性エリテマトーデス。様々な重い症状を引き起こす可能性がある病気なので注意が必要です。ドクター監修のもと全身性エリテマトーデスの原因や症状、治療法について詳しく解説します。

全身性エリテマトーデスとは?

全身性エリテマトーデスとは膠原病(こうげんびょう)の1つで、全身を侵してしまう恐れのある怖い病気です。患者の大部分は20代~30代の女性であり、1993年度の調査報告では発症率は1万人に約2人となっています[1]。患者の男女比は1:10といわれています[2]。

「エリテマトーデス」とは、皮膚の赤い斑点を指す言葉ですが、全身性エリテマトーデスは皮膚だけではなく血管、関節、内臓と全身のあらゆる部分に炎症を起こします。

それぞれの症状のいずれかが生じるわけではなく、全ての症状が1度に、もしくは次々に繰り返し生じるため慢性的に進行することもあります。

全身性エリテマトーデスの原因

全身性エリテマトーデスは、抗体を作る役割を担っているBリンパ球が、何らかの原因で異常に活性化し、それによって生産された自己抗体が、臓器や皮膚、血管や関節に異変を生じさせるものであると考えられています。

病気を発症するきっかけには、複数の遺伝子が関与していることが分かっています。一方で、病気の発症には、紫外線や感染症などの影響のほか、女性に多く生じる病気なので女性ホルモンの影響もあると考えられています[2]。

全身性エリテマトーデスの症状

全身性エリテマトーデスの症状は、広範囲にわたります。発熱や倦怠感、疲労感などの全身症状や、皮膚の赤い発疹、関節痛などが多くみられます。

皮疹は両側の頬に蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)が生じるのが特徴です。蝶が羽を広げたような形をしています。また、円形の発疹が現れることもあります。その場合、顔や耳、首の周囲に多く生じます。さらに、寒冷によって手の指が白くなったり紫になったりする「レイノー現象」や、口内炎、脱毛といった症状が現れる場合があります。寒冷だけでなく、強い日光にさらされた後に発疹や水疱ができたり、発熱したりするケースもあります。いずれも全身性エリテマトーデスの初期症状だと言ってよいでしょう。

上記のような症状に加えて、内臓や血管にも症状が現れます。症状が軽く、内臓には発症しないケースもありますが、腎臓が侵されると高血圧になり、むくみが生じやすくなります。

心臓や肺の症状としては、心臓や肺の周囲に水が溜まり、胸膜炎や心膜炎、心筋炎、冠動脈疾患などを起こす可能性もあります。肺に炎症が起きて線維化が進むと、呼吸困難に陥るおそれもあるので注意が必要です。

全身性エリテマトーデスの管理

全身性エリテマトーデスは、完治させることが難しいため、症状を軽くするような治療計画を練ることが重要となります。

症状が進んでいない段階では、皮膚炎、関節炎、倦怠感を抑えるために、非ステロイド性消炎鎮痛薬のほか、低用量での副腎皮質ステロイド剤などが使われます。

症状が進み、特に全身性エリテマトーデスによる腎炎が悪化した場合には治療を強化する必要が出てきます。高用量での副腎皮質ステロイド剤のほか、免疫抑制薬が組み合わされて使われます。いずれも副作用には注意が必要です[3]。

参考文献

  1. [1]橋本隆ほか編. 標準皮膚科学 第10版. 医学書院 2013; 160
  2. [2]デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル 2016; 2176-2187
  3. [3]浦部晶夫ほか編. 今日の治療薬2017. 南江堂 2017; 1041

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