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金属アレルギーはピアスが原因?|検査法と症状の治し方&対策

更新日:2018/09/05 公開日:2014/04/30

湿疹・皮膚炎

ピアスやネックレス、指輪、時計などを着けていた部分が赤くなってかゆみが出たら、「金属アレルギーかも?」と心配になってしまいますよね。ここでは、アレルギーを引き起こしやすい金属と、それが含まれているアクセサリーなどの物品や食べ物を紹介します。また、金属アレルギーかどうかを知るための検査や、症状を治すための薬、対策法についてドクター監修のもと詳しく解説します。

◎短くポイントをまとめると
ピアスなどの装飾品に含まれる金属にアレルギー反応を起こし、赤みやかゆみが出ることがある
アレルギーを起こしやすい金属には、ニッケル、コバルト、金、クロム、水銀などがある
原因となっている物品を外し、市販薬などで症状を抑え、長引くようなら皮膚科受診を

お気に入りのピアスを着けると、顔まわりがパッと華やかになり、気分も上がります。しかし、ピアスを着けた耳が赤くなり、ブツブツ、ジュクジュクしてかゆくなってきたら、せっかくの気分も台無しになってしまいます。オシャレを楽しむためにも、金属アレルギーについてぜひ知っておいてください。

金属アレルギーになったらどうすればいい?

金属アレルギーがあると、特定の金属に触れた皮膚の部分に、紅斑(腫れぼったい赤み)や丘疹(ぶつぶつ)、水疱、湿潤(じゅくじゅく)、痂皮(かさぶた)が出て、かゆくなるという症状が出ます。これは接触皮膚炎(一般的には「かぶれ」)と呼ばれます。

まずは原因を取り除こう!

ピアスを着けたところに一致して症状が出ているのであれば、金属による接触皮膚炎が疑われます。せっかくのピアスですが、我慢して着け続けていても症状が悪化・長引くだけなので、取りましょう。

一度、金属アレルギーによる症状が出てしまったなら、その原因となった物品(この場合はピアス)はもう体に合わないということです。何回か使っていれば体が慣れる、ということはほとんどありません。むしろ悪化していくことが多いです。残念ですが、別の使い道を考えましょう。

不快な症状を抑えよう

アレルギーのある金属に触れたところは、皮膚に炎症が起きています。炎症によって赤みやかゆみが出ているのです。かゆいですが、掻いてはいけません。症状が悪化してしまいます。

かゆみを抑えるには、赤くなっている部分を冷やしてみてください。凍傷になってはいけないので、ビニール袋に氷を入れて、その周りをタオルで巻いて当てるといいでしょう。冷やすとかゆみが軽くなり、炎症も多少は収まります。

また、肌の保湿も大事です。皮膚炎が起きているところは皮膚のバリア機能がそこなわれています。保湿は皮膚のバリアになりますから、清潔にしたあとに低刺激の保湿クリームなどでケアしてください。保湿するとかゆみは起きにくくなります。

それでもかゆくて困る場合は、薬局やドラッグストアに売っている市販薬を使うこともできます。「外用湿疹・皮膚炎用薬」という種類の薬で、パッケージの効能欄に「かぶれ」と書かれているものを選べばOKです。炎症を抑える成分に加え、かゆみを抑える成分も配合されている商品もあります。クリーム、軟膏、ゲルなど色々ありますので、塗る場所と好みに応じて選んでください。

もし迷ってしまうようなら、お店の薬剤師や販売登録者に相談してみましょう。薬のプロの意見を聞いてぴったりのものを選んでください。

長引くようなら皮膚科を受診

アレルギーのある金属を含む物品を使わないようにして、正しい対処をしていれば、接触皮膚炎は数日~1週間ほどで消えていくことがほとんどです。もし症状が長引いたり、悪化したりするようであれば、お近くの皮膚科クリニックを受診してください。

代わりのものを探す

ここまでに説明したような対処を行って、金属アレルギーによる症状がおさまったあとに気になるのは、「もうピアスを着けてはいけないのか」「代わりに使えるものがあるか」ということではないでしょうか。アレルギーは特定の物質に対する過敏反応なので、その物質が入っていないものであれば使用できます。

例えば、ニッケルにアレルギーがあるのであれば、ニッケルを含まないピアスを探せばいいのです。「ニッケルフリーの製品はありますか?」と店員に尋ねてみて、きちんと対応してくれるお店で買うことをオススメします。

どんな金属がアレルギーを引き起こすの?

このような対応をするためにも、自分がどんな金属にアレルギーがあるのかは知っておきたいですよね。アレルギーの原因を調べるには「パッチテスト」という検査を行います。これは皮膚科で行うことができますので、医師にこれまでの経緯をお話しして、検査をするかどうかを相談してみてください。

アレルギーになりやすい金属は?

パッチテスト(ジャパニーズスタンダードアレルゲン25種類)を約2000人に実施し、どんな原因が多いかを調べた報告があります。多い順に結果を見てみましょう[1]。

  • 硫酸ニッケル(装身具やメッキ、塗料、セメント、ビューラーなど): 16.7%
  • ウルシオール (漆の主成分): 12.5%
  • 塩化コバルト(メッキ、塗料、染色剤、粘土、セメント、乾燥剤など): 8.4%
  • パラフェニレンジアミン(ヘアカラー剤など): 7.7%
  • 硫酸フラジオマイシン(抗生物質): 7.6%
  • 金チオ硫酸ナトリウム(貴金属、歯科用金属、電子部品など): 5.7%
  • 香料ミックス(食品、香水、化粧品、石鹸、シャンプーなど): 5.6%

この報告では金属以外の成分も含まれていますが、トップに金属のニッケル、3位にコバルト、6位に金が入っていることから、アレルギーの原因として金属はかなり多いといえるでしょう。この他にもアレルギーを起こしやすい金属としてクロムや水銀がよく知られています。以下、それぞれの金属を含む主な物品を紹介します[2]。

ニッケルを含む物品

合金装身具(ベルトのバックル、腕時計、ピアス、イヤリング、ネックレスなど)、ニッケルでメッキをした製品、ニッケルを含む塗料(ペンキ、ニス)、陶磁器、セメント、乾電池、磁石、ビューラーなど

コバルトを含む物品

コバルトでメッキをした製品、塗料(エナメル、ラッカー)、染色剤(青系)、顔料、陶器、乾燥剤、ハエ取り紙、粘土、セメントなど

金を含む物品

歯科用金属(詰め物、金歯など)、貴金属、金メッキをした製品など

クロムを含む物品

クロムでメッキをした製品、印刷(青色)、塗料(ペンキ、ニス)、陶磁器、皮なめしなど

水銀を含む物品

錫亜鉛合金、漂白クリーム、化粧品(保存剤)、消毒剤、農薬、防腐剤、入れ墨(赤色)、うわぐすり、染料、皮革、皮なめし、フェルトなど

全身型の金属アレルギーもある

最後に、金属アレルギーの「全身型」について簡単に紹介します。金属アレルギーでよく知られているのは「触れた部分に症状が出るパターン」(=接触皮膚炎)ですが、「触れた部分ではないところに症状が出るパターン」(全身型金属アレルギー)もあります。

全身型金属アレルギーの症状

全身型金属アレルギーは、歯の詰め物や食べ物に含まれている微量の金属が、口の中の粘膜や消化管から取り込まれたことで、身体の免疫システムが間違って「敵」と認識してしまうために起こります。

例えばニッケルにアレルギーがある人がほうれん草をたくさん食べたときに、ほうれん草に含まれるニッケルに対するアレルギー反応が起こって、手足に小さなブツブツができたり(異汗性湿疹)、からだに丸いジュクジュクした湿疹(貨幣状湿疹)ができたりします。また、歯の詰め物に含まれる金属が原因で、手のひらや足の裏に膿の入った白~黄色の水疱ができる掌蹠膿疱症という病気もあります。

※掌蹠膿疱症について詳しくは 『こんな症状があったら掌蹠膿疱症かも』『掌蹠膿疱症になぜ金属アレルギーが関係するの?』(教えてドクター!掌蹠膿疱症お悩みホットライン)をご覧ください。

全身型金属アレルギーの対処法

全身型金属アレルギーで起こる症状はさまざまな種類があります。接触皮膚炎のように、原因物質と接触したところに症状が出るわけではないので、分かりにくいです。似たような症状が出る別の病気もあるので、自分で見分けるのはまず無理です。皮膚科を受診して医師に診てもらいましょう。

パッチテストをして、どうも金属が原因になって症状が出ているようだと分かれば、その金属を含む物品や食べ物をできるだけ避けましょう。以下、アレルギーを起こしやすい金属を比較的多く含む食べ物を紹介します[2][3]。

ニッケルを多く含む食品
豆類・木の実、玄米、蕎麦、オートミール、ほうれん草、レタス、かぼちゃ、キャベツ、マッシュルーム、海藻、牡蠣、鮭、ニシン、香辛料、紅茶、ココア、ワイン、チョコレート、タバコ、漢方薬など
コバルトを多く含む食品
豆類・木の実、キャベツ、レバー、帆立貝、香辛料、紅茶、ココア、ビール、コーヒー、チョコレートなど
クロムを多く含む食品
ばれいしょ、玉ねぎ、マッシュルーム、香辛料、紅茶、ココア、チョコレートなど

ただし、ここにあげた食品以外にも、金属は微量に含まれています。また、栄養素として、ある程度の金属の摂取は必要です。金属を摂らないように気をつけるあまり、栄養不足になっては意味がありませんので、できる範囲で回避してください。

例えば、チョコレートが大好きで、毎日のようにたくさん食べているようなら、試しに食べる量を減らしてみてください。それで身体の調子や症状が良くなる傾向があれば、チョコレートを食べるのを止めるか、量や回数を減らした方がいいでしょう。

このような日頃の対処をした上で、個人の状況に合わせて、外用薬で皮膚症状を抑えたり、金属が体内に吸収されにくくする内服薬を飲んだりする治療をしていきます。

参考文献

  1. [1]鈴木加余子ほか. ジャパニーズスタンダードアレルゲン (2008) 2013年度・2014年度陽性率. 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会雑誌 2017; 11(3): 234-247
  2. [2]足立厚子. 金属接触アレルギーと全身型金属アレルギー Clinical Derma 2013; 15(4): 3-6
  3. https://www.torii.co.jp/hifu/gakujutsu/clinical_derma/images/ClinicalDerma_vol15_no4.pdf (参照2018-08-01)
  4. [3]高橋一夫. 全身性金属アレルギー. ドクターサロン 2013; 57(8): 593-597
  5. http://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/useful/doctorsalon/upload_docs/130857-1-33.pdf (参照2018-08-01)

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