女性の抜け毛・薄毛の相談が増加中
薄毛の悩みといえば男性に多いというイメージがありますが、女性にも薄毛に悩む方はたくさんいます。しかし、ここで注意したいのは、女性の薄毛は男性の薄毛とは似て非なる症状だという点です。男性の薄毛と同じような対処法をとっても、効果が出るとは限らないのです。まずは、女性特有の抜け毛・薄毛の原因をしっかりと学びましょう。
女性型脱毛症と男性型脱毛症の違い
女性特有の薄毛は、男性の薄毛と区別するために「女性型脱毛症」と呼ばれています。
男性型脱毛症の場合は、生え際がM字型に後退したり頭頂部が薄くなることから始まり、進行すると頭頂部から前頭部にかけて髪の毛の生えていない部分が広がり頭皮が大きく露出してきます。
これに対して女性型脱毛症は、前頭部を中心に毛髪のハリやコシが落ち細くなり、密度が低くなることで頭皮が覗いて見えるようになってきます。最初は分け目が大きく目立ってくることで気づくことが多いです。一方男性型脱毛症のような生え際の後退はみられません。
なお、女性でも男性型脱毛症がみられる場合もあります。
女性型脱毛症の主な原因3つ
<加齢>
主な原因としてあげられるのが加齢による毛髪の衰えです。加齢とともに毛包の構造が変化し、繊維化してしまうこともわかっています。
<女性ホルモンの低下>
毛髪の成長には、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが深く関わっています。30代半ば以降、年齢を重ねていくと共に女性ホルモンの分泌が減り、40歳頃から大きく減少し、更年期には男性ホルモンが相対的に高くなります。
<遺伝性>
遺伝形式は明らかではありませんが、家族内発生が少なくありません。
ストレス?女性型脱毛症以外の薄毛の原因
<女性ホルモンの変化>
更年期でなくても女性ホルモンのバランスが崩れると脱毛がおこる場合があります。また、出産後に髪が抜けてしまうのも女性ホルモンバランスによる影響です。まれにデヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンが病的に高くなっている場合もあります。
<甲状腺ホルモンの低下>
女性の多くは40歳頃から甲状腺の機能低下がみられやすくなります。血液検査で異常が出なくても本来理想的な数値よりホルモン分泌が下回っていることも少なくありません。甲状腺の機能低下はいろいろな症状を引き起こしますが、その一つが脱毛症です。
<膠原病などの皮膚疾患>
膠原病(こうげんびょう)は全身性の慢性炎症性疾患ですが、その一つの症状として脱毛症がおきることがあります。ほかにもムチン沈着症など皮膚疾患としての脱毛がまれにみられます。もちろん円形脱毛症がびまん性におこる場合もあります。
<生活習慣や食生活の乱れ>
睡眠不足や偏った食生活も、女性の薄毛の原因となります。これらの要因により頭皮の血行が悪くなり、アミノ酸や亜鉛など毛髪をつくるための充分な栄養が行き渡らなくなるからです。その結果、抜け毛が増えたり健康な髪が生えにくくなったりしてしまいます。
タバコは血流を悪くし活性酸素を発生しますし、過度のダイエットは栄養を不足させるので禁物です。
<ストレス>
ストレスが溜まると、ホルモンや自律神経のバランスが崩れ、活性酸素が発生し、毛髪の生え替わるサイクル(ヘアサイクル)に影響を与えるとされています。ホルモン分泌が乱れると心身の働きが悪くなり、自律神経が乱れると血行が悪くなります。よって、毛髪に充分な栄養が行き届かなくなってしまうのです。
薄毛になったことで精神的ストレスが強まり、さらに薄毛が進行するという悪循環に陥るケースもあります。
<不適切な頭皮ケア>
髪の毛の健康は、頭皮の健康と密接な関係にあります。シャンプーやカラー・ブリーチのし過ぎは頭皮の状態を悪化させるため、抜け毛の原因になると考えられます。
以上のように、女性の薄毛には女性型脱毛症とそれ以外の生活習慣やストレスからおこるものがみられます。一方、上記のように基礎疾患が隠れている場合もあるので注意が必要です。
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