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家族・友人が「尋常性乾癬」になったら|症状・原因・治療

更新日:2018/08/07 公開日:2014/05/15

角化症

尋常性乾癬は「じんじょうせいかんせん」と読みます。約1000人に1人がかかる皮膚の病気なので、家族や友人、同僚やご近所さんにこの病気の患者がいてもおかしくはありません。ここでは、尋常性乾癬の患者のまわりにいる人々に知っておいてほしい7カ条をまとめました。ぜひ知り合いにも教えてあげてください。

◎尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)について知ってほしいこと
うつらない、遺伝しない
食事に気をつける必要がある
ストレス発散が大切
喫煙や飲酒はよくない
ゆったりした服装が望ましい
肌を保湿することが重要
民間療法を安易に勧めない

尋常性乾癬とは?

尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)は、皮膚がよく擦れる部分(頭皮や肘、膝、腰など)に、円形~楕円形のさまざまな大きさの紅斑(赤い盛り上がり)がいくつもできる病気です。紅斑の内側は銀白色をしており、皮膚がポロポロと薄く剥がれ落ちます。また、爪が変形して色が混濁したり、一部が凹んだり、分厚くなったりすることもあります。関節に痛みが出ることもあります(関節炎)。

※実際の症例写真は下記のサイトで見ることができます。
『日本皮膚科学会 皮膚科Q&A:乾癬』

尋常性乾癬について知っておきたい7カ条

尋常性乾癬は、命にかかわるような病気ではありません。もし発症しても、普通に生活することは十分に可能ですし、適切な治療を受けることで患者の3~7割は症状が完全に出なくなるといわれています[1]。

患者が根気よく治療を続けて、1日でも早く良くなるためには、周囲の人の協力も欠かせません。以下の7カ条を読んで、尋常性乾癬の患者が前向きに治療に取り組めるようにサポートしてあげてください。

①うつらない、遺伝しない

まず、尋常性乾癬は「うつる病気ではない」ということを理解しましょう。一緒に温泉やプールに入っても、決してうつることはありません。

なぜならば、尋常性乾癬の症状は、病原体(細菌やウイルスなど)によって起こったものではなく、何らかの原因によって、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)が異常に早くなったために引き起こされているものだからです。次から次へと不完全な角質層ができてくるために、見た目の変化があり、薄く剥がれ落ちやすくなります。

どうしてこうなってしまうのか、残念ながら未だに解明されていません。遺伝子が関係していると考えられていますが、それだけではなく感染症、薬剤、ストレスや食生活などの外的因子と、肥満や生活習慣病のような内的因子が影響し合って発症すると考えられています。

その証拠に、一卵性双生児の両方に乾癬が発症するのは7割程度です[2]。つまり、まったく同じ遺伝子を持っていても、発病する場合としない場合があるのです。また、乾癬患者の家族の中に、乾癬を患っている人がいる割合は6.1%しかいません[3]。

このことから分かるように、尋常性乾癬の発症には遺伝が多少なりとも関係はしていますが、環境にも大きく左右されるのです。親が患者だからといって、必ずしも子どもが発症するとは限りません。「乾癬は遺伝する病気ではない」と捉えておくのが妥当でしょう。

②食事に気をつける必要がある

尋常性乾癬の発症には遺伝だけではなく、日々の生活習慣がかかわっています。発症した後も、症状を悪化させないために、生活上で気をつけるべき点がいくつかあります。

日本の尋常性乾癬の患者は、近年増加傾向にあるといわれています。その原因の一つが「食の欧米化」です。脂肪の多い高カロリーの食事が、この病気の発症や悪化に関係していると考えられています。患者は下記のような点に気をつける必要があります。

  • 脂肪は少なめの、あっさりした食事にする
  • 肉よりも魚を食べるようにする
  • 野菜が多めの、栄養バランスの良い食事を心がける
  • かゆみがある場合は、辛い料理や熱い料理、飲酒を控える
  • 薬との飲み合わせに注意する(酒など)

家族で食べる食事を用意するときや、友達と外食するときなどは、これらの注意点に配慮してあげるとよいでしょう。

③ストレス発散が大切

ストレスがたまると尋常性乾癬の症状が悪化しやすくなります。患者はただでさえ病気で気分が沈みがちですから、周りの人が明るく接することで、少しでもストレスがたまらないようにサポートしてあげたいものです。

適度な日光浴が皮膚症状の改善によいことが分かっているので、天気がいい日に一緒に軽く散歩に出るなどしてみてはいかがでしょうか。歩くことでストレス解消にもなりますし、いい運動になります。

④喫煙や飲酒はよくない

尋常性乾癬の患者は、喫煙や飲酒も控えた方がいいです。

喫煙すると症状が悪化したり、薬の効き目が悪くなったりするといわれています。また、喫煙によってのどを痛めると感染症(風邪など)にかかりやすくなり、尋常性乾癬の症状も悪化することが多いです。ですから、禁煙するに越したことはありません。周りの人からも禁煙を勧めてあげてください。

また、飲酒することで体温が上がると、かゆみが増してしまうこともあります。飲んでいる薬の種類によっては、お酒を飲むのが好ましくない患者もいます。無理にお酒を飲ませるようなことは慎みましょう。

⑤ゆったりした服装が望ましい

尋常性乾癬の患者では「ケブナー現象」といって、皮膚に刺激が加わったところに症状が出るという特性があります。なるべく肌を刺激しないように、圧迫しない、ゆったりとした服装が望ましいです。肌に触れるところは、綿や絹でできたものを使いましょう。できればベルトや腕時計などはしないほうがいいです。

患者と服選びをするときは、このような点に注意しながら、オシャレなアイテムやコーディネートを探してみましょう。

⑥肌を保湿することが重要

尋常性乾癬は、皮膚が乾燥すると症状が悪化しやすいです。そのため、肌の保湿に気を付ける必要があります。

お風呂に入ると肌がしっとりしますが、熱いお湯に入ったり、長湯をしすぎたりすると、かえって乾燥してしまいます。洗うときにも皮膚を擦りすぎてはいけません。また、冬は空気が非常に乾燥しますので、加湿器などを使って湿度を上げるとともに、保湿クリームなどを塗って保護します。

患者は保湿クリームだけでなく、治療のための外用薬を塗っています。毎日のことで大変なので、塗るのを手伝ってあげるといいかもしれません。

⑦民間療法を安易に勧めない

家族や友人が尋常性乾癬で大変な姿を見ると、何とかしてあげたくて、良い治療法を探してあげたくなりますよね。あそこの温泉がいいだとか、この漢方が効いたという口コミを見たとか、この食べ物や飲み物がいいらしい…などという情報を教えてあげたくなるかもしれません。

その気持ちは素晴らしいものです。しかし、これらの民間療法を勧めることが、患者にとって重荷になったり、不快に思ったり、本来受けるべき正しい治療から遠ざける原因になってしまう可能性があります。

治療は、患者が主治医と相談して決めていくものです。周りの人が良かれと思って安易に口出しをすべきものではありません。本人と主治医の決断を信じて、温かく見守ってあげてください。

参考文献

  1. [1]日本皮膚科学会. "乾癬" 皮膚Q&A. https://www.dermatol.or.jp/qa/qa14/q02.html (参照2017-10-10)
  2. [2]Lønnberg AS et al. Heritability of psoriasis in a large twin sample. Br J Dermatol. 2013;169(2):412-416
  3. [3]J-PEARLS. Module 3:乾癬の疫学. スライドライブラリー
  4. https://www.pearlsprogramme.jp/files/J-PEARLS_M3_Epidemiology.pdf (参照2018-08-02)

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