生理痛の症状は人によりさまざまですが、中には締め付けられるような胃痛を感じたり、吐き気を感じたり、下痢の症状を起こす人がいます。では、なぜ生理により胃痛が起こるのでしょうか?詳しく解説します。
頭痛・胃痛・吐き気の原因はホルモン
生理が始まるときは、役目を終えた子宮内膜と経血を排出するために「プロスタグランジン」というホルモンが分泌され、子宮が収縮します。プロスタグランジンの分泌量が多いと収縮が激しくなり、さまざまな臓器の平滑筋にも影響を与えるため、下腹部だけでなく胃にも強い痛みを感じることがあります。生理のたびにひどい胃痛に悩まされたり、吐き気を感じる人は、プロスタグランジンの分泌量が過剰である可能性があります。
また、自律神経の乱れも胃痛の原因のひとつといわれます。生理時は女性ホルモンのバランスが大きく変化します。これによって自律神経が乱れると、胃痛や頭痛などの症状が起こることがあります。
生理のときのひどい痛みを抑える薬
痛みを軽減するには、プロスタグランジンの過剰分泌を抑える必要があります。プロスタグランジンの分泌を抑制するには、低用量ピルの使用が効果的です。低用量ピルには子宮内膜の増殖を抑える作用があるため、プロスタグランジンの分泌量も減らすことができます。胃痛がひどい場合は、一度婦人科に相談してみましょう。
また、プロスタグランジンの働きを抑える非ステロイド性抗炎症薬(代表的な薬:イブプロフェン、アスピリン)を使うことで、痛みをコントロールすることもできます。ただし、15歳未満の使用は不可です。代わりにアセトアミノフェン(代表的な薬:カロナール)を使用してください。
生理痛の症状を和らげるには
カフェインやアルコール、塩分、脂肪分の多い食品は、生理痛の症状を悪化させる原因になるといわれます。特に、体内に蓄積された脂肪はプロスタグランジンの原料になります。生理痛による胃痛がひどいときには、脂肪分の多い食品は控えるか、摂取量を減らすようにしましょう。
ストレスも自律神経を乱す要因となるので、痛みの悪化につながる可能性があります。痛みがあるときは無理をせず、安静にしましょう。また、生理中は子宮のまわりがうっ血するため、血行も悪くなりがちです。身体を冷やさないように注意し、特に腰回りやおなかを温かく保つようにしましょう。ホッカイロやブランケットなどで直に温めるのも有効ですし、身体を温める食材や飲み物で内側から冷えを緩和させるのも効果的です。
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