肌の層構造の一番表面にある角質層が炎症を起こすと、「赤ら顔」といわれる顔が赤く見える状態になります。正式には「毛細血管拡張症」と言う病気である赤ら顔には、どのような化粧品を選べばよいのでしょうか。まずは、そもそも赤ら顔とは何なのかというところからチェックしてみましょう。
赤ら顔(毛細血管拡張症)とは
赤ら顔は、原因や進行度によっては治療が必要な「疾患」です。たとえば、ニキビができたり、急激に日焼けをしたり、急に寒い場所から温かい場所に移動したときに赤くなる状態は、時間がたてば治まります。
しかし、ニキビが治っても赤みが引かない、日焼けだと思っていたら赤みがずっと消えない、冬でもないのに頬が赤い、などの状態は、毛細血管が異常に拡大していたり、炎症がいつまでも続いていたり、色素が皮膚の深い部分に沈着してしまっている可能性があるので、医療機関で治療すべき症状であることが多いのです。
また、中高年から発症しやすい「酒さ(しゅさ)」や生まれつきのものが多い「血管腫」などは、生活習慣などを改善しても治りませんので、やはり医療機関での治療も検討した方がよいでしょう。医療機関による治療には、レーザー治療などがあります。詳しくは、『気になる顔の赤み・赤ら顔の治し方と改善方法』を参照してください。
その他に見られる赤ら顔の症状は、皮膚の表面(角質層)が薄くなって、真皮層という皮膚の下層部の毛細血管が透けて見えていたり、毛細血管の拡張が続くことで起こります。また、すぐに治りはするけれども少しの刺激でも赤くなってしまうという場合は、生活習慣に問題がある可能性が高いです。スキンケアや食生活、運動、睡眠などを見直すことで、赤みをなくしていくことが可能です。
赤ら顔の原因とは
赤ら顔の拡張を招く要因はさまざまですが、主な原因は以下の5つとされています。
- 皮膚の薄さ
- 体温上昇や気温などによる毛細血管の拡張
- アルコールや香辛料のとりすぎ
- ニキビや皮脂による炎症
- 老化
毛細血管の拡張は、寒暖差や体温上昇のほか、体質で拡張している場合や、生まれつき毛細血管が多い場合も起こります。
また、ニキビが赤ら顔の原因になるのは、ニキビによって肌に起きた炎症が治らないまま新しいニキビができることによります。皮膚に炎症が起きると血管が拡張しますが、炎症が治まらない状態が続くと肌の奥にある真皮や皮下組織への色素沈着が起こり、赤ら顔を引き起こす場合があるのです。
では、「赤ら顔」の症状がある場合には、どのような化粧品を選べばいいのでしょうか?選び方のコツをご紹介します。
肌の赤みの改善によい化粧品とは?
どのような原因によって肌の赤みが起きているかによって、おすすめの化粧品成分が変わります。気温の変化などですぐ赤くなる場合は、血管が広がりやすい体質と考えられます。血液の流れがスムーズになると血管が広がりにくくなることから、血流をスムーズにするのに役立つ成分をとるとよいと考えられます。一方、ニキビなどの炎症によって顔などの赤みがある場合、炎症を抑える成分を使用するとよいでしょう。
それぞれどのような成分があるかご紹介します。
炎症を抑える作用を期待できる成分
皮膚の炎症による赤みと思われる場合、以下のような化粧品成分が炎症への働きかけを期待できます。
- ビタミンC誘導体
- フラーレン
- トコフェロール(ビタミンE)
ただし、赤みとともに肌が熱をもっているようであれば、炎症が治まっていない証拠です。可能なら化粧を控え、炎症の抑制を助ける化粧品を使いましょう。
- ビタミンC誘導体
- 皮膚の炎症を抑えるためには、「ビタミンC誘導体」が配合されている化粧水が効果的です。ビタミンC誘導体とは、抗酸化作用のあるビタミンCを肌に浸透させやすくした成分です。パッケージなどに「リン酸パルミチン酸アスコルビル3Na(APPS、またはアプレシエ)」や、「リン酸アスコルビン酸Na(APS)」などと表記されているものが、ビタミンC誘導体にあたります。クリームなどにも配合されていますが、化粧水に配合されているもののほうが肌への吸収はよいとされています。
- フラーレン
- フラーレンは抗酸化作用によってニキビなどによる炎症を抑える作用が期待されます。
- トコフェロール(ビタミンE)
- トコフェロールにも活性酸素を除去する効果が期待でき、フラーレンと同じく炎症への作用が期待されます。
血流をスムーズにする成分
血管の健康を保ち、血流をスムーズにする作用を期待できる成分として、ビタミンKがあげられます。
炎症が治まった肌には、ビタミンKが配合された化粧品をおすすめします。ビタミンKは、血管を詰らせている栓をとりのぞき、血液の流れをスムーズにさせる役割があるといわれています。血液がスムーズに流れれば血管が広がりにくくなりますので、赤ら顔の改善も期待できます。
化粧水やクリーム、美容液などさまざまな種類の化粧品に配合されているので、いくつか使ってみて、自分に合ったものを見つけましょう。
※その他、肌のヒリヒリをケアする保湿のコツは『顔の皮膚がヒリヒリ・ピリピリ痛い時の正しいケア方法』をご覧ください。
自分の肌にあった化粧品を選ぶことが重要
そして、もっとも大切なのは、「○○によい成分」と書かれていても、それを鵜呑みしないことです。その他の配合成分や肌質によっては合わない場合もあります。
自分の肌と対話して、自分に合った化粧品を選ぶようにしましょう。また、どんなによいといわれる成分でも、自分の肌に効果がなければ意味がありません。赤ら顔によい成分を参考にしながら、しっかりと効果を実感できるものを探すようにしましょう。
まとめ
赤ら顔は、毛細血管の異常な拡張や皮膚の炎症が治まらないことによって起きる病気です。まずは皮膚科で相談することをおすすめします。ただし、すぐには病院に行けない場合などには化粧品の刺激で悪化させないよう、刺激の少ない化粧品を選ぶことが大切になります。
化粧品で意識したい成分は、以下のような作用を期待できる成分です。
- 炎症を抑える作用
- ビタミンC誘導体、フラーレン、トコフェロール(ビタミンE)
- 血流をスムーズにする作用
- ビタミンK
以上のような成分を配合した化粧品の中で、自身の肌に合うものを選びましょう。
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