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脂漏性角化症(老人性いぼ・老人性疣贅)の皮膚科治療

更新日:2016.12.09
公開日:2014.08.01
ドクター画像
この記事の監修者
札幌シーズクリニック 院長 大久保真

老人性いぼとも呼ばれる「脂漏性角化症」は良性腫瘍の一種。脂漏性角化症をキレイに取り除くための皮膚科での治療法にはどのようなものがあるのか、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。

脂漏性角化症

「老人性いぼ」とも呼ばれる脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)は、皮膚の良性腫瘍のためそのまま放置しておいても問題はありませんが、見た目の美しさという面からはとても気になるものです。

大きさがまだ小さく数も少ないうちならば、治療も簡単でキレイに取り除くことができるため早めに対処するのがオススメです。

皮膚科では、どのような治療を行なってもらえるのでしょうか。

脂漏性角化症の診断

まず、脂漏性角化症かどうかの診断を行ないます。

脂漏性角化症はシミ(老人性色素斑)やホクロ(良性腫瘍)、日光角化症(皮膚がんの前段階)、悪性黒色腫(皮膚がん)などと見た目が似ていることもあり、素人ではなかなか判断が難しいものです。

医師はほとんどの場合、所見で判断ができますが、悪性である疑いが少しでもある場合はダーモスコピー検査を行なって診断します。ダーモスコピー検査とは、特殊な拡大鏡・ダーモスコープ外部リンクを使って皮膚のメラニン色素や毛細血管の状態を調べるものです。皮膚に超音波検査用ジェルを塗って拡大鏡をあてるだけなので、痛みはありません。

さらに、組織を一部採取または全切除して細胞の検査(病理組織検査)を行なう場合もあります。

脂漏性角化症の治療

脂漏性角化症と判断されたら、主に次の方法により治療を行ないます。

なお悪性の可能性が捨てきれず病理検査を行なう際は、液体窒素やレーザー、電気焼灼の治療をしてしまうと患部が変化して正しい診断ができないため、外科的手術が選ばれることもあります。

液体窒素による凍結療法

患部に液体窒素をあて、凍結させてかさぶたを作ります。1~2週間後にかさぶたが取れると、脂漏性角化症も自然に除去されます。

麻酔不要で手軽にできるため広く一般的に行われていますが、数回の治療を繰り返す必要があるケースもあります。また炎症による瘢痕(はんこん)が残る可能性があるため、主に顔面以外に行われます。

レーザーによる切除術

ホクロやいぼの治療で使用される炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)を患部に照射して細胞組織を蒸散させ、脂漏性角化症を除去します。

液体窒素と違って削る深さの調節ができるため、繊細な治療が可能です。根本的治療ができる利点があり、顔面の治療には適していると言われます。

なお老人性色素斑が混在している場合は、QスイッチYAGレーザーやアレキサンドライトレーザーなどを組み合わせて治療します。

電気焼灼治療(電気外科的治療)

ホクロ治療にも使われる、電気メスを使用した切除術です。傷あとを残さないよう、ドクターの繊細な技術によって患部の表皮をごく浅く削り取ります。通常であれば2週間ほどで傷あとは治ってきます。

外科的手術による切除術

脂漏性角化症のサイズが大きくて液体窒素やレーザーでは対処が難しい場合や病理検査を行なう際は、メスで患部を浅く切除します。擦り傷と同じような感じで、2週間ほど経てば手術のあとも残らずに治っていきます。

さらに広範囲な切除術の場合は、皮膚移植が行われる場合もあります。

脂漏性角化症治療の健康保険適応について

老人性色素斑の治療には健康保険は適用されませんが、脂漏性角化症の場合は治療法によっては健康保険が適用されます。

健康保険が適用されるのは液体窒素による凍結療法と、電気メスや金属メスによる外科的な皮膚良性腫瘍摘出術です(明らかに美容目的の場合は保険外になることもあります)。

健康保険が適用されず、全額自己負担となることが多いのがレーザー治療です。

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