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主な女性用育毛剤の成分(1)オウゴンエキス

更新日:2016.12.09
公開日:2014.08.01
ドクター画像
この記事の監修者
白石ガーデンプレイス皮膚科クリニック 院長 竹中ちひろ

女性用育毛剤の成分である「オウゴンエキス」について、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。オウゴンエキスの5つの育毛作用を取り上げ、そのメカニズムを解説します。

オウゴンエキス

オウゴンエキスとは

「オウゴン(黄芩)」は、シソ科の多年草であるコガネバナ(黄金花)の根の周皮を取り除いて乾燥した生薬。黄金色をした、この根から抽出したのが「オウゴンエキス」です。

オウゴンエキスには、抗炎症・抗アレルギー作用などで知られるバイカリン、バイカレインなどが含まれていて、古くから多くの漢方薬に用いられてきました。

オウゴンエキスの育毛作用とは

抗炎症作用

頭皮もストレスやシャンプー剤などの影響によって、炎症を起こしやすい場合があります。炎症がひどくなると、脱毛などの原因となります。そこでオウゴンエキスに含まれるバイカリン、バイカレインによる抗炎症作用が頭皮の炎症を抑え、頭皮環境を改善することで、脱毛を防止する効果が期待できます。

保湿作用

頭皮が乾燥するとかゆみや細かなフケを生じ、掻きむしってしまうことで頭皮トラブルに繋がるケースがあります。オウゴンエキスには頭皮にうるおいを与える保湿作用があり、頭皮トラブルを防いで毛髪を成長させる環境を整えます。

環境ストレスによるAhR-CYPシグナルの抑制作用

タバコの煙や車の排気ガスなどには多数の化学物質が含まれ、これらを総称して「環境ストレス」と呼びます。この環境ストレスを受けると、皮膚の繊維芽細胞内にあるAhR(芳香族炭化水素受容体)が活性化し、CYP1B1という異物代謝酵素の発現を誘導します。この一連の流れを「AhR-CYPシグナル」と言います。

AhR-CYPシグナルが活性化すると、コラーゲンを分解する酵素MMP-1やエラスチン分解酵素が作り出されます。コラーゲンやエラスチンは皮膚の真皮にあって、うるおいを保つための重要な要素。これらが分解されることで、皮膚の老化に繋がります。

オウゴンエキスはAhR-CYPシグナルの活性化異常を防ぎ、MMP-1を抑制することで皮膚の老化を予防・改善する作用があります。オウゴンエキスの働きにより、抜け毛などを引き起こす原因の一端であるタバコの影響や頭皮の老化現象が抑えられ、脱毛を予防できるのです。

SOD様作用

SODとは“スーパー・オキサイド・ディスムターゼ”の略で、活性酸素を除去する酵素のことです。

私たちの身体には、外部からの異物や刺激を受けると活性酵素を作り出して防御する免疫機能が備わっています。この活性酵素が過剰に生産されると細胞や内臓にダメージを与えるため、体内でSODを生産してダメージを軽減させる機能も備わっています。

ところが40歳を過ぎると、SODの活動が徐々に低下。これにより老化が加速して、お肌や髪の悩みに繋がる一因になることが最近の研究でわかってきました。そこでSODと似た作用を持つ物質(=SOD様物質)を外部から摂取し、活性酵素を除去して細胞などの酸化を防ぐことで、エイジングケア効果が期待できます。

オウゴンエキスにはこのSOD様作用があり、老化による薄毛などの悩みを解消してくれます。

男性ホルモン(DHT)の抑制作用

男性ホルモンの影響による男性型脱毛症(AGA)は女性にもみられ、女性男性型脱毛症(FAGA)と呼ばれることもあります。

これが引き起こされる主な原因は、「DHT(ジヒドロテストステロン)」という活性型男性ホルモンであることが分かってきました。DHTが毛母細胞の分裂を妨げて発毛を阻害し、脱毛を引き起こすのです。

DHTは、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼという還元酵素によって変換され作り出されます。オウゴンエキスには、この5αリダクターゼの働きを抑制させる作用があり、これによってDHTを減らし、脱毛を防ぐことができます。

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