現代医学に比べると東洋医学は副作用が少ないイメージがありますが、わずかですが副作用は起こります。
瞑眩(めんげん)
瞑眩とは、東洋医学の考え方で、治療後一時的に起こる症状の悪化や倦怠感のことです。しかしこの症状を、副作用とは違う好転反応ととらえています。
鍼灸は身体のバランスを整え、自然治癒力をアップさせます。身体は良くなろうとするときに副交感神経が優位になり、心地良いだるさを感じるのです。このような場合は、身体を休めることで回復が早まります。
慢性の腰痛・肩コリなどの場合、鍼灸をした後に痛みが増すことがあります。これも瞑眩で、筋肉が硬くなり血行が悪くなっていたために痛みすらを感じなくなっていたところに、治療によって血行が良くなり、痛みやコリを感じるようになったためです。
また、治療したところと別の場所が痛くなることもあります。これは悪い箇所が数カ所ある場合、すべての痛みを感じることができないためです。
最も強い痛みは感じていても、ほかの箇所の痛みは感じていないため、強い痛みの場所の痛みが緩和されると、2番目に痛い場所に痛みを感じるようになるのです。これは治療が確実に効果が出ている証です。
鍼の副作用
鍼での副作用には
- 刺入時の痛み
- 針を抜いた後の痛みやかゆみ
- 針の痕が残る
- 微量の出血
- 皮下出血
- めまい、ふらつき
- 疲労感、倦怠感
- 眠気
- 吐き気
などがあります。
ですが、その発生率は非常に低いです。
また、治療を受けるときの体調によっても副作用が起こることがあります。過度の睡眠不足や極度の疲労、空腹時、飲酒後などに治療を行なった場合、脳貧血や、気分が悪くなることがあるので注意しましょう。
初めて治療を受ける場合に、過度の緊張状態になり、同じような症状が起こることがあります。治療中に気分が悪くなったときは、すぐに申し出て、適切な対処をしてもらいましょう。
灸の副作用
灸で起こる副作用には、火傷や灸痕、灸あたりがあります。
火傷・灸痕は、昔ながらの大きなお灸や、皮膚に直接灸を乗せる場合に起こります。最近では、熱くない、痕のつかない方法が主流ですが、火傷や灸痕が心配な人は、施術者に相談し、副作用が起こらないように治療してもらいましょう。
灸あたりとは、一度に多くのお灸をすえた後に起こる、倦怠感や熱っぽさです。数日で快復しますが、無理せず、ゆっくり休みましょう。
そのほか、重症の糖尿病の人、多量のステロイド剤を服用している人、免疫抑制剤を服用中の人などは免疫力が低下しているので、火傷や灸痕には注意した方が良いでしょう。
体質の問題などから起こる副作用は、熟練した施術者であれば、避けることができますが、薬を服用している場合は、避けることが難しいので、初診時に必ず申告しましょう。
鍼灸で副作用が起こることは非常に少ないので、あまり過敏にならずに治療を受けてください。少しでも不安がある場合は、早めに鍼灸師に相談することをオススメします。
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