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PMS(生理・月経前症候群)・PMDDの原因とメカニズム

更新日:2017/10/31 公開日:2014/10/06

PMSの原因と対処法

PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)症状は、女性ホルモンの乱れが関係するだけではありません。ドクター監修の記事で、PMSやPMDDの原因とメカニズムについてご紹介します。

PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)症状を引き起こすのは、女性ホルモンだけが原因ではありません。PMSやPMDD症状が起こる女性の体の仕組みを見ていきましょう。

月経周期と女性ホルモン

月経は、28~30日の周期で繰り返される子宮内膜からの自発的な出血です。正常な周期の上限は38日となり、個人差が大きいのが特徴です。この周期には、卵胞期・排卵期・黄体期があります。そこで重要なのがエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類の女性ホルモンです。エストロゲンの分泌量は排卵に向けて急上昇し、排卵以降は緩やかに低下します。一方プロゲステロンの分泌量は黄体期に一気に上昇し、月経が始まると急激に低下します。そしてPMSやPMDDの症状は、この黄体期にあらわれます。黄体期は、体温の高くなる高温相と重なるので、基礎体温を測ることでその時期を特定することができます[1]。

このように女性ホルモンが周期に合わせて正常に分泌されることは、排卵を促し妊娠をするために不可欠であり、女性にとっては大切な仕組みでもあるのです。

PMSやPMDDはなぜ起こる?

結論から言ってしまうと、PMSやPMDD症状がなぜ起こるのか、詳細なメカニズムは分かっていません。

プロゲステロンやエストロゲンといった女性ホルモン、脳内のドーパミンやセロトニンなどが関係していると考えられていますが、証明はされていません。女性によってそうしたホルモンに反応して症状が改善する場合もあれば、改善しない場合もあるためです。そのため、一つの原因だけには絞り込めていません。しかし、そうした中でも、脳内物質の影響や社会的な問題の関係が強いのではないかと見られています[2]。

脳内物質の低下

原因のひとつとして、脳内のセロトニンという、喜びを感じる脳内物質の不足が注目されています。脳内のセロトンを増やす、抗うつ薬「SSRI(セロトニン再取込阻害薬)」と呼ばれる薬を使うと、症状が改善するためです。セロトニンのもとになる、トリプトファンというアミノ酸を減らした食事をとると、症状が悪化することからも関連は指摘されています。しかし、セロトニンの不足と症状との関連には個人差があるため、セロトニンとの関係は完全に証明できたわけではないのです[3]。

仕事や人間関係などの社会的な問題

脳内物質の変化などだけでは、PMSやPMDDは説明しきれないと考えられています。複数ある原因の中で重要視されている事柄の一つは、月経にともなっておこる仕事や人間関係などの社会的な問題です[2]。

症状につながる決定的な原因は分かっていませんが、こうした原因にアプローチして、症状の改善を目指すとよいでしょう。また、もし生活に支障が出るようであれば、産婦人科や心療内科/精神科を受診するようにしてください。

参考文献

  1. [1]池ノ上克ほか編, NEWエッセンシャル産科学・婦人科学 第3版. 医歯薬出版 2015; 25-32, 150-156
  2. [2]MedlinePlus. "Premenstrual syndrome" NIH. https://medlineplus.gov/ency/article/001505.htm (参照2017-10-26)
  3. [3]長塚正晃. 婦人科疾患の診断・治療・管理. 日産婦誌 2009; 61(12): 657-663

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