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爪水虫の飲み薬の効果と副作用

更新日:2018/03/30 公開日:2014/10/01

水虫の病院での治療方法

足や体の水虫の治療には主に塗り薬が使われますが、爪にできた水虫(爪白癬)の場合は飲み薬を使うのが一般的です。ここでは、爪水虫の治療に飲み薬が処方される理由や、その薬の効果と服用時の注意点についてドクター監修のもと説明します。

◎短くポイントをまとめると
爪水虫は飲み薬で3~6か月くらいかけて治療するのが一般的
爪水虫に市販の塗り薬は効かないので、病院に行く必要がある
爪水虫の飲み薬ではなく、爪水虫専用の塗り薬(処方薬)で治療することもある

爪水虫の写真画像

水虫(正式名称は白癬;はくせん)は、白癬菌という真菌(カビ)が皮膚、爪、毛髪に感染し、ケラチンを栄養源として増殖し、手足のかゆみや水疱、かかとの亀裂、爪の白濁などを引き起こす病気です。水虫の治療として多くの場合は塗り薬が使われますが、特に爪にできた水虫(爪白癬)の場合は飲み薬を使うことが多いです。ここでは、爪水虫の治療に飲み薬が処方される理由や、その薬の効果と服用時の注意点について説明します。

爪水虫(爪白癬)の症状・特徴

爪水虫は、その名の通り、爪に水虫(白癬菌)が感染して起こります。白癬菌は爪の表面についた小さな傷から侵入したり、足にいる白癬菌が爪の下の皮膚(爪床)や爪の生え際から移動してきたりします。あまり自覚症状はありませんが、以下のような特徴があります(これらは必ず起こるものではなく、爪水虫のタイプや重症度によって出方は異なります)。

  • 爪に白く濁った点や斑ができる
  • 爪の光沢がなくなる
  • 爪に白~黄色の筋ができる
  • 爪が分厚くなる
  • 爪がボロボロになる
  • 爪を押すと痛い
  • 歩くと痛い
  • 細かい作業がしにくくなる

水虫と聞くと「かゆい」というイメージがありますが、爪水虫では多くの場合はかゆみをともなうことがないため、水虫だと気づかれにくく治療が遅れる傾向にあります。爪水虫の発見が遅れてしまうと症状の悪化だけでなく、新たな水虫の原因になることがあります。また、同じ空間で生活している家族など他の人への感染源になってしまうこともあり得るため、早めに治療を行いたいものです。

爪水虫に飲み薬が効果的な理由

薬局やドラッグストアに行くと、多くの種類の水虫薬が市販されています。すべて軟膏やクリームなどの塗り薬(外用薬)で、効能欄には「みずむし、ぜにたむし、いんきんたむし」と記載されており、手足、陰部、体部の水虫に対応していますが、爪水虫に効くとは書いていません。それは、爪水虫に塗り薬はあまり効かないことがわかっているからです。

爪のように硬い部分には、塗り薬を塗っても薬の有効成分が白癬菌のいる場所まで届きません。そのため、爪水虫の治療には飲み薬が処方されるのです。体内に薬の有効成分を取り入れることで身体の中から白癬菌の増殖を抑え、殺菌することができます。

爪水虫に使われる飲み薬

薬局には爪水虫に使える塗り薬はありませんので、爪水虫を治すには病院(皮膚科)を受診しなければなりません。爪水虫に使われる飲み薬として下記がよく処方されています。いずれも白癬菌のような真菌を殺す作用をもつ抗真菌薬です。

  • ラミシール(有効成分:テルビナフィン)
  • イトリゾール(イトラコナゾール)

爪水虫の治療期間

治療期間については、使う薬によって変わります。ラミシールを用いた場合は、1日1回の服用を6か月続けるのが一般的です。また、イトリゾールでは1日2回の服用を1週間続け、その後の3週間は薬をお休みするのを3回くり返すパルス療法を行います(全部で3か月)。なお、どちらの飲み薬も、治療の進み具合によって服用期間が延びる場合があります。

国内の臨床試験の結果から、短期間で治療を完了したい場合はイトリゾール、時間がかかっても高い治癒率を期待する場合はラミシールがよいようです[1]。どちらの薬を選ぶかは、生活のスタイルや個人の体質に合わせて、医師と相談して決めましょう。

飲み薬を服用できない場合もある?

どんな薬にも、副作用があります。水虫の治療のために飲み薬を飲みたいと思っても、そもそも服用することができない方がいることは、薬である以上仕方のないことです。水虫の治療で飲み薬を服用する際には、必ず病院で検査をすることになります。服用できないのはどのような方なのか、その一部を紹介します。

肝機能障害のある方

水虫の治療に使われる飲み薬はいくつか種類がありますが、それらには共通して肝機能障害の副作用があるとされています。そのため、もともと肝機能に問題があったり、過去に肝臓の病気の治療歴があったりするような方では、副作用の危険性が高いため処方できません。

妊娠中の方

妊娠中の服薬は、できるだけ避ける方がよいでしょう。妊娠中の方や、妊娠の可能性がある方は、どのタイミングで爪水虫の治療をするべきか医師と相談しましょう。

高齢者

高齢の方は肝臓や腎臓の機能が低下していることが多く、薬の副作用が出やすくなる可能性があります。医師の判断で飲み薬が適さないと判断される場合があります。

他の薬と併用する場合

日常的に服用している薬があれば、その薬との組み合わせはとても重要です。お薬手帳などを活用し、処方される薬と日常的に服用している薬との組み合わせを医師や薬剤師に調べてもらいましょう。

飲み薬を服用できない場合はどうする?

飲み薬の服用が続けられない、また負担が大きい場合は、塗り薬での治療になります。先ほど塗り薬はあまり効かないと説明しましたが、病院で処方する薬には爪水虫専用の外用薬があります。前述したような飲み薬が飲めない人でも、体への負担をあまりかけずに治療することができます。具体的には下記のような薬になります。

  • クレナフィン(エフィナコナゾール)
  • ルコナック(ルリコナゾール)

これらは従来の塗り薬と違い、薬剤を高濃度にすることで爪の奥まで届いて留まるようにつくられています。どちらも1日1回患部に塗布するタイプですので、薬を続けていくうえでも苦はないかと思います。どちらの効果が強いかは人によって変わってきますので一概にはいえません。いずれにせよ、飲み薬の場合と同様に、すぐに完治するものではないので、気長に治療していく必要があります。

参考文献

  1. [1]渡辺晋一ほか. 皮膚真菌症診断・治療ガイドライン, 日皮会誌 2009; 119(5): 851-862
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