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中性脂肪が高いと動脈硬化になるの?

更新日:2018/05/02 公開日:2014/10/01

中性脂肪の原因・症状

コレステロールの値が高いと動脈硬化になるのはよく知られていますが、中性脂肪も高いと動脈硬化になりやすいのでしょうか? また、動脈硬化が起こると何が問題になるのでしょうか? ここでは、中性脂肪と動脈硬化の関係についてドクター監修のもと解説します。

中性脂肪の多い食事

健康診断の結果、中性脂肪(トリグリセライドまたはトリグリセリド、略称はTG)の項目で「要注意」や「異常」と判定されることがあります。コレステロールの値が高いと動脈硬化になるというのはよく知られていますが、中性脂肪の場合も高いと動脈硬化になりやすいのでしょうか? また、動脈硬化が起こると何が問題になるのでしょうか? ここでは、中性脂肪と動脈硬化の関係について詳しく解説します。

中性脂肪が高いと何が問題なの?

健康診断で中性脂肪の値が150mg/dL以上の場合は、「高トリグリセライド血症」と判定されます。この状態が続くと「動脈硬化」が進み、将来の「冠動脈疾患」や「脳梗塞」の発症、そして死亡が多くなることが分かっています[1]。

動脈硬化とは?

動脈硬化とは、全身に酸素や栄養がたっぷり含まれた血液を全身に送るための動脈が、しなやかさを失って硬くなり、うまく血液が送れないような状態になることを指します。

動脈硬化にはいくつかの種類がありますが、脂肪が主に関係するのは「粥状動脈硬化」(じゅくじょうどうみゃくこうか)というものです。血管の壁の中に脂肪(コレステロールなど)が溜まり、お粥のような、ヨーグルトのようなブヨブヨした塊になって、血管の壁が分厚くなっていきます。

このブヨブヨは硬さがまちまちで、ゆるければゆるいほど崩れやすく、また崩れたことをきっかけにして血の塊(血栓)ができてしまいます。この血の塊が血管の内側を塞いでしまうので、血液の流れが悪くなる/止まってしまうのです。

冠動脈疾患とは?

冠動脈疾患というのは、心臓をまるで冠のように取り囲んでいる血管が詰まって起こる病気の総称です。酸素や栄養が足りなくなりますので、心臓の動きが悪くなったり、止まったりします。心臓が動かないということは、脳や全身に血液が回らないということですから、非常に危険な状態ですし、命に関わります。

脳梗塞とは?

脳梗塞は、脳の血管が詰まってしまって、詰まった先に血液が届かなくなる病気です。やはり酸素や栄養が足りなくなり、神経細胞が死んでしまいます。脳は部位によって機能を分担していますので、脳梗塞が起きた場所によっては、言葉が出なくなったり、片方の手足が動かせなくなったり、記憶や認知機能に影響を及ぼします。これも非常に怖い病気です。

どうして中性脂肪が高いと動脈硬化になるの?

では、どうして中性脂肪が高いと動脈硬化になるのでしょうか。少しややこしい話なのですが、わかりやすいように簡略化して箇条書きで説明します[2]。

まずは、中性脂肪の値が高くない正常な場合についてです。

  1. 肝臓は、脂肪(中性脂肪やコレステロール)を箱に詰めて血液に流す
  2. 全身にある細胞は血液に乗ってやってきた箱を開けて、中性脂肪を受け取る
  3. 中性脂肪がなくなると、コレステロールだけになり、箱は小さくなる
  4. 全身にある細胞は、小さくなった箱を開けてコレステロールを受け取る
  5. 空になった箱は、要らなくなった古いコレステロールを回収して肝臓に戻る

正常な場合は、肝臓から全身の細胞へ必要なだけ中性脂肪やコレステロールを届け、かつ古いコレステロールも回収してくるというサイクルがきちんと機能しています。

しかし、中性脂肪の値が高いとそのサイクルがうまく回らなくなり、動脈硬化を引き起こします。

  1. 脂肪がたくさんあるので、肝臓は多くの箱に詰めて血液に大量に流す
  2. 全身にある細胞は箱を開けて受け取るが、中性脂肪もコレステロールも余る
  3. 余ったコレステロールが活性酸素に酸化されて不良品になり、血管の壁を傷つけたり、そこに溜まったりする(→動脈硬化へ)
  4. 箱があまり空にならないので、古いコレステロールの回収もうまくいかない
  5. 中性脂肪の燃えカス(レムナント)も溜まっていき、動脈硬化の一因となる

このように、中性脂肪が多いと、配達するコレステロールの量が多くなり、回収するコレステロールの量が少なくなります。このため、中性脂肪の値が高いと動脈硬化になるのです。ちなみに、配達されるコレステロールを「LDLコレステロール」(俗にいう「悪玉コレステロール」)、回収されるコレステロールを「HDLコレステロール」(俗に「善玉コレステロール」)といいます。

動脈硬化を進行させないためには?

残念ながら、動脈硬化が進行していても自覚症状としては現れないため、冠動脈疾患や脳梗塞のような命に関わる病気が起こるまで、動脈硬化に気が付かないケースが多いのが現状です。

動脈硬化を進行させないためには、中性脂肪やLDLコレステロールの値を下げ、HDLコレステロールの値を増やすことが重要です。血液内の脂質の状態は、食生活や運動習慣によって変えることができます。高い中性脂肪値を下げるための方法について詳しくは『高い/低い中性脂肪を改善する方法』をご覧ください。

参考文献

  1. [1]日本動脈硬化学会.動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版
  2. [2]宮崎 滋. “メタボリックシンドロームのメカニズム(1) 動脈硬化編” 厚生労働省e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-02-001.html (参照2018-03-06)