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ハッピーリフトの効果とデメリット(失敗例・副作用・ダウンタイム)について

更新日:2018.02.13
公開日:2014.10.14
ドクター画像
この記事の監修者
六本木境クリニック 院長 境隆博

とても手軽にたるみを治療できるハッピーリフト。溶ける糸を使った、人気のリフトアップ法ですが、実際の効果はどうなのでしょうか。形成外科医としての実績が豊富な六本木境クリニックの境先生に、ハッピーリフトの内容や効果に加え、デメリットや後遺症などについても、詳しくお話を伺いました。

ハッピーリフトとは?

「ハッピーリフト」とは、イタリアのPromoItalia社が開発した糸の名前で、そのまま施術名称として呼ばれています。生分解性ポリマーで作られた溶ける糸「ハッピーリフト」を皮膚内に埋め込み、たるみを引き上げる治療です。使われる糸は、下図のような糸に切り込みが入り、毛羽立ちがあります。

糸の入れ方は、「フローティングタイプ」と呼ばれる方式で、下図のように、とげ状のかえしやコーンがお互いに向かい合うように反対方向を向いていて、組織を中央に引き寄せます。こめかみなどの固定源(アンカー)に固定し、一方向に引き上げる「固定タイプ」ではありません。

固定源の部位に制約を受けず自由度が高いので、決まった方向だけではなくお顔のさまざまな方向に入れることが可能です。

ハッピーリフトの効果

ハッピーリフトの効果には、以下のようなものがあります。

(1)たるみ改善

上述の細かい毛羽立ちが皮下組織に引っかかることで、引き上げ効果を発揮します。糸の本数や挿入する位置を変えることで、たるみの症状に合った施術が可能です。

(2)美肌効果

ハッピーリフトの施術を行うと、糸が埋め込まれたことによる傷を治そうとする「創傷治癒」と、体が糸を異物と判断して排除しようとする「免疫反応」が起きます。すると、マクロファージという免疫細胞が糸周辺に集まり、それが真皮層のコラーゲンやエラスチンを生成する「線維芽細胞」を刺激します。

この作用により、糸の周りでは、体内コラーゲンやヒアルロン酸の増産、皮膚の線維化が進み、やがて糸の周りに「コラーゲントンネル」を形成していきます。ハッピーリフトの場合、糸は8ヶ月から1年ほどで体内に吸収されると言われています。その間、糸の周りで体内コラーゲンやヒアルロン酸の増産、皮膚の線維化が促され、肌の弾力性やハリがアップします。

ハッピーリフトの手術時間・ダウンタイム

挿入する糸の本数や、たるみの状態によって個人差はありますが、標準的な施術時間は約30分程度です。施術後の入院、通院は必要ありません。洗顔、入浴、メイクは翌日から可能です。

施術当日は若干の腫れが残りますが、冷やすと早く落ち着きます。また、糸を埋め込んだ跡が赤い点状になりますが、数日~10日ほどで消えていきます。

ハッピーリフトは、どのくらい効果があるのか?

以上がハッピーリフトによる、たるみ治療の概要ですが、実際の効果はどうなのでしょうか。また、メリットだけではなく、デメリットや後遺症なども気になるところです。

そこで、ハッピーリフトについて、「六本木境クリニック」院長、境隆博先生にお話を伺いました。

境先生は、形成外科医および美容外科医としてたるみ治療の豊富な経験を持ち、刺青除去手術などにおいて日本で屈指の技術力をお持ちのドクターです。

ドクターに聞く!ハッピーリフトの効果

Q: ハッピーリフトの糸は、約1年かけて吸収されるとのことですが、糸がなくなってもリフトアップ効果は継続するのでしょうか。

境先生:ハッピーリフトは糸が細くよく溶けるタイプのため、当然、引き上げ効果も早めになくなってしまいます。具体的には、わたくしの経験上、患者さんが実感できるハッピーリフトのたるみ引き上げ効果は1カ月後くらいがピークと思います。もちろん、糸が体内に吸収されるまでコラーゲンが生成されることで、弾力性やハリがアップするという点については否定できません。しかし、糸がある程度溶けて張力が弱まった後は、あくまでリフトアップや引き上げの作用は弱く、引き締め効果というところが主な作用のようです。

Q: それでは、糸は溶けないものの方が持続性は高いのでしょうか。

境先生:溶けないタイプの糸を使う場合、溶ける糸よりは効果が長続きしやすいでしょう。しかし、顔は表情を変えることが多く、伸縮性のない糸だと、組織を把持する突起部分が壊れたり、引っ掛かりが取れてしまうことがあります。

ハッピーリフトは糸を毛羽立たせた形状をしていますが、組織を掴む部分の面積が小さく、組織の把持力(組織を引っかける力)が弱いと言われています。強度の面でも、毛羽立ち部分が割けてしまう「バナナピール現象」が発生しやすいというデメリットがあります。

効果持続性の高いたるみ治療とは?

Q:効果持続性を求める場合、どのような治療を選ぶべきでしょうか。

境先生:効果持続性が高いという観点では、既に述べた通り、以下の点が重要です。

  • 糸は溶けないタイプを使う
  • 糸の突起の耐久性が高い
  • 糸に伸縮性がある

組織を引っかける突起部分の強度が弱いと、短い時間で突起部分が破損し、リフトアップ効果がなくなってしまいます。また、糸に伸縮性がないと、顔の表情筋を動かす度に糸に強い負荷がかかり、組織をひっかけている部分がゆるみやすく、持続性が低下します。

Q:具体的に、どのような施術が、効果持続性が高いのでしょうか。

境先生:適した治療内容は患者さんの状態によっても違いますが、糸を使ったリフトアップでは、個人的にはスプリングスレッド(スプリングリフト)は効果持続性が高いと思います。

スプリングスレッドの糸は伸縮性があり、また糸の突起がトゲのようではなく、上図のように高い強度の「コグ」が1cmあたり24個もついているため、リフトアップ効果の持続性が大変高い施術です。溶けない糸のため、術後すぐに効果が低減してしまうことはありません。

顔のリフトアップ施術を受ける場合は、当然ながら術後に問題が生じるリスクをしっかり確認すると同時に、慎重になりすぎて効果がない、またはすぐに後戻りしてしまうものを選ばないようにすることが大変重要です。

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