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高血圧によい漢方薬とは

更新日:2017/11/21 公開日:2014/11/04

高血圧の予防・改善方法

漢方薬は、高血圧の治療にも有効なのでしょうか?今回は、漢方が高血圧に対してどのようなアプローチをするのか、どんな漢方薬が処方されるのかなどについて、ドクター監修の記事でご紹介します。

高血圧と漢方

漢方をはじめとする東洋医学では、血圧を数値で見るということがないので、「高血圧」という概念自体がありません。脈の強さや全身の様子をみて、東洋医学の診断を下します。

東洋医学は、西洋医学のように、病気の原因をピンポイントで取り除くのではなく、体全体のバランスを整え、本来持っている自然治癒力を引き出すことを重視しています。

このため、高血圧の治療においても、血圧を下げることを目的にするのではなく、体全体のバランスを本来のものに近づけ、不快な症状を抑えることを目的とします[1]。

ただし、漢方薬には、直接血圧を下げる作用はないので、高血圧の改善に漢方を用いるときは、西洋医学をあわせて利用する場合が多くなります。

単に血圧を下げるだけでは、頭痛や耳鳴り、肩こり、動悸など、高血圧にともなう諸症状が改善しない場合があります。漢方は、このようなときに有効です。また、血圧はストレスなどによっても上昇するので、漢方薬で慢性的な体調不良が解消し、ストレスから開放されることで、血圧が下がる可能性もあります。

高血圧に処方される漢方薬

漢方では、患者の症状に合わせて、それぞれ違った漢方薬が用いられます[1]。高血圧にともなって起きる症状には、主に次のような漢方薬が処方されます。

大柴胡湯(だいさいことう)

のぼせ、頭痛、肩こり、胃のつかえ、便秘などがある場合に用いられます。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

精神不安からくるイライラ、不眠、動悸、脇腹からみぞおちあたりにかけて苦しい、便秘などがある場合に用いられます。

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)

のぼせぎみで顔色が赤く、イライラして落ち着かない、鼻血、不眠症、体の炎症などがある場合に用いられます。

釣藤散(ちょうとうさん)

起床時や午前中の頭痛に悩まされている、めまい、耳鳴り、肩こりなどがある場合に用いられます。

八味地黄丸(はちみじおうがん)

疲れやすい、足腰の冷え、頻尿、軽い尿もれ、頭痛、耳鳴りなどがある場合に用いられます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

冷え症で貧血の傾向があり、疲労しやすい、下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などがある場合に用いられます。

高血圧を引き起こす生薬「甘草」

漢方薬が高血圧の原因を引き起こすこともあります。「麻黄」などの交感神経を働かせる成分を含む生薬を配合したものはもちろんですが、見落とされやすいものに甘草の過剰摂取による高血圧があります。

甘草はいろいろな漢方薬に配合され、非常に有益な生薬として知られていますが、成分である「グリチルリチン」を摂りすぎると、「偽アルドステロン症」という症状が出現します。アルドステロンという血圧を上昇させるホルモンが分泌されていないにも関わらず、高血圧、むくみ、カリウム喪失などを引き起こす症状です[2]。血圧をチェックするなどして気をつけておくことが大切です。

参考文献

  1. [1]矢数圭堂 松下嘉一監修. 漢方治療指針. 緑書房. 1999
  2. [2]森本昌宏, et al. < 総説> 肩こりの臨床--適切な診断と治療のために. 近畿大学医学雑誌, 2010; 35(3-4): 151-156
  3. [3]森本靖彦, et al. 甘草製剤による偽アルドステロン症のわが国における現状. 和漢医薬学会誌, 1991; 8: 1-22
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