ここでは、比較的初期の黒ニキビを治療する方法について解説します。
黒ニキビは皮脂が顔を出した状態
表面が黒く変色する黒ニキビというのは、角栓によりつまった毛穴内部に皮脂が溜まり、その皮脂が毛穴に収まりきらず表面に顔を出した状態です。専門用語ではブラックコメド、あるいは開放面皰(めんぽう)と呼んでいます。
黒ニキビの段階では、炎症が起きていませんから、特に痛みなどはありません。また、炎症がないということは皮膚組織へのダメージもないという意味なので、この段階で治癒させることができれば、目立つニキビ跡が残る心配もないでしょう。悪化して炎症を起こすと、赤く腫れ上がってしまうため、黒ニキビの段階で治療したいところです。
黒ニキビができる原因は「ケア穴のつまり」
白ニキビの内側で皮脂分泌が進み、ニキビ内部に角化物質や脂肪酸、アクネ菌などが溜まっていくと、収まりきらなくなった皮脂が毛穴を広げて皮膚表面に出てきます。皮脂は空気中の酸素に触れると酸化し黒く変色する性質があります。そのため、皮膚表面に出てきた皮脂は酸化して黒く変色し、肌にポツポツと目立つ黒ニキビになっていきます。
ニキビのもととなる「毛穴のつまり」が発生するのは、ホルモンバランスの乱れが原因と考えられています。男性ホルモン過多の状態になると、毛穴の収縮、角栓の発生が促され、ニキビができやすくなってしまいます。
黒ニキビの治し方
肌表面に黒い斑点が生じてしまい、美容面でも大きなマイナスとなる黒ニキビの治療法について見てみましょう。
ホルモンバランスの乱れを改善するホルモン治療
ニキビの発生原因は、ホルモンバランスの乱れにありますが、ホルモンバランスを正常に整えることが、ニキビの根本治療となります。ホルモン治療は、女性ホルモンや女性ホルモンに類似した作用をもつ成分を補うことでホルモンの乱れを改善する治療法です。毛穴のつまりの原因をダイレクトに取り除くことができるため、ニキビのできやすい体質そのものを改善することができます。
黒ニキビの治療に即効性がある面皰(めんぽう)圧出
面皰圧出というのは、ニキビの表面に穴を開けるなどして、そこから毛穴の内容物を摘出する治療です。ニキビの中身を外に出してしまえば、残った穴は自然と塞がっていくため、早期に治癒させることが可能になります。即効性という意味では非常にすぐれた方法です。しかし、これはすでに発生したニキビを消すには有効ですが、予防効果はありません。
ニキビ治療の外用薬であるディフェリンゲルによる治療
ディフェリンゲル(レチノイド)は角質を柔軟にして、角栓発生、毛穴収縮を抑えるための薬です。毛穴づまりの原因を取り除くことができるので、少なくとも塗っている間は新しいニキビの発生も予防することが可能です。ただし、皮膚刺激などの副作用も報告されているうえ、治療効果があるのは塗っている間だけなので、根本的な解決になるとはいえません。
面皰の改善ができる過酸化ベンゾイルによる治療
過酸化ベンゾイルは、フリーラジカルの作用で角質細胞同士の結合やゆるみ、角質が剥離されることにより面皰が改善されます。
黒ニキビのセルフケア方法
肌のターンオーバーを促す作用があるとされるビタミンB2や、美白効果が期待できるビタミンCを摂取することは、ニキビ予防に効果があると考えられています。サプリメントをうまく使いながら、積極的に摂取するようにしましょう。
洗顔の際は、肌への刺激を避けるため、ゴシゴシと手でこするような洗顔方法は控えるようにしましょう。また、洗顔後に角質層の保湿を行い、肌バリアの機能を向上させることも重要なホームケアになります。
正しい洗顔方法については、『意外と知らない人が多い"正しい洗顔"』をご覧ください。
保湿については、『保湿のメカニズム』をご覧ください。
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