肌のハリを取り戻すために必要なのは、化粧品を使ったスキンケアだけではありません。肌のハリが失われていく仕組みを理解して、内側と外側の両方から弾力を取り戻していきたいものです。ここでは、化粧品を使った外側からのケアと、内側からのケアの両面について見てみましょう。
化粧品で肌のハリを取り戻す方法
ハリや弾力のある肌は、重力に負けずにピンと張った状態を保つことができます。これは、表皮を支える役割を担っている真皮層がしっかりとした土台をつくっているためです。真皮層にはコラーゲンとエラスチンといった繊維状のタンパク質が網目のようにバランスよく張り巡らされており、その上にある表皮を持ち上げています。
しかし、20~25歳をピークに、コラーゲンとエラスチンの量は徐々に減っていきます。その結果、肌の水分量が減少することも肌のハリに影響を与えます。それに加え、紫外線を浴びることでもコラーゲンが破壊され、コラーゲンやエラスチンを生み出す線維芽細胞がダメージを受けます。すると、真皮層は表皮を支えられなくなり、肌がたるんでしまうのです。
また、表皮を支えているのは、真皮層だけではありません。顔の皮膚は、表皮・真皮・皮下組織(皮下脂肪)で構成されています。このわずか数mmという厚さの皮膚の下には筋肉があり、皮膚全体を支えるベースとなっているのです。この筋肉も使わなければ衰えていき、皮膚を支える力が弱まってたるみを招きます。
そのため、肌のハリを取り戻すには、以下のようなことが大切になってくると言えるでしょう。
- 十分な保湿
- 肌のハリに効果的な美容成分配合の基礎化粧品
- 表情筋を鍛えるトレーニング
まずは、化粧品を選ぶうえでチェックしたい美容成分について解説します。
肌のハリに効果的な美容成分
肌のハリを取り戻すうえで効果が期待できるといわれる化粧品成分として、以下のものがあげられます。
- コラーゲン
- エラスチン
- セラミド
- ヒアルロン酸
- ビタミンC誘導体
- レチノール(ビタミンA)
コラーゲン
コラーゲンは、前述したとおり真皮層で肌の弾力を担っている物質のひとつです。このコラーゲンを皮膚の表面から吸収させようというのが、化粧品に含まれているコラーゲンの狙いです。しかし、化粧品を皮膚に塗ることで得られるのは表皮(角質層)にうるおいを与える程度のものです。コラーゲンは美容成分の中でも分子量が大きい特徴があります。そして、その特性をカバーするために、分子を小さくした「低分子コラーゲン」を用いた化粧品もありますが、この場合でも肌の表皮にうるおいを与える程度です。
エラスチン
エラスチンは、真皮の中ではコラーゲンをつなぎとめる役割を持った、弾力のある物質です。また、水分をため込む性質があり、保湿効果も期待されています。化粧品で皮膚の表面にぬった場合、エラスチンは真皮層までは浸透しません。期待されるのは、主に保湿効果です。
セラミド
セラミドも皮膚の中にあり、細胞の間をつないで肌のうるおいを保持する作用があるため、高い保湿効果を持つといわれています。
ヒアルロン酸
ヒアルロン酸も、コラーゲンやエラスチン、セラミドと同じく人間の肌にある成分で、水分を保持する役割を持っています。ヒアルロン酸も肌に吸収されることは期待できませんが、肌の表面に水分をとどめることによる保湿効果が期待されます。
ビタミンC誘導体
ビタミンC誘導体は、高い抗酸化力を持つことから美白などの美容効果が期待される成分としてよく知られています。しかし、ビタミンCに期待される働きはそれだけではありません。特に肌のハリに関係すると考えられるのが、ビタミンCの「線維芽細胞が活発に働くのを手助けする」働きです。ビタミンCの働きにより、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などの生成が活発になることが期待されます。
レチノール(ビタミンA)
レチノール(ビタミンA)も美白効果が期待できる成分として知られています。また、肌のターンオーバーを活発にする作用があるといわれています。
コラーゲンもエラスチンも、同じ真皮層にある線維芽細胞がつくりだしています。この線維芽細胞の働きをサポートして、加齢とともに減少したコラーゲンやエラスチンを補いましょう。ビタミンAやプラセンタなど、
成分を肌に浸透させるための家庭用美顔器もあります。肌が乾燥して水分が不足すると、コラーゲンやエラスチンは壊れてしまうので、毎日の保湿ケアも欠かさずに行いましょう。
肌のハリを取り戻すための化粧水や美容液の選び方
肌のハリや弾力を取り戻すためのスキンケアにおいては、化粧水や美容液、クリームの選び方も大切です。以下のポイントを重視して選ぶとよいでしょう。
- 前述した美容成分が配合されているもの
- ラインで選ぶこと
まず、前述したように肌のハリを取り戻すためには、保湿や肌のターンオーバーに影響を与える成分を肌に与えるとよいと考えられます。そのため、このような成分を化粧品でとり入れるとよいでしょう。
また、化粧水や乳液、クリームを同じブランドでそろえる「ライン使い」も美肌効果を高めることが期待できます。順番通りに使えばよいという簡便さがあるだけでなく、配合されている成分の相性を考えて作られていると考えられるためです。配合されている成分にも相性があり、組み合わせによっては成分同士が合わないというケースも見られます。しかし、同一ラインのスキンケアアイテムであれば、そのようなことがないよう処方されていると考えられるため、相性のよい組み合わせで使うことができるのです。
しっとり、さらさらなどテクスチャの違いはありますが、美容成分が配合されているアイテムをラインで使うことを基本にいくつか化粧品を試してみて、自身の肌に合ったものを選ぶことをおすすめします。
肌のハリを取り戻すためにとり入れたい生活習慣
肌のハリや弾力を取り戻すために気をつけたいのは、化粧品だけではありません。生活習慣にとり入れたい以下のポイントも、簡単にチェックしましょう。
- 紫外線対策
- 表情筋エクササイズ
- 食事
まずは、紫外線対策の必要性について解説します。
- 紫外線対策
- 紫外線は、肌の奥深くまで入り込み、コラーゲンやエラスチンを破壊します。そのため、肌のハリを取り戻すというよりは肌の弾力を失いにくくするためのケアとして、紫外線対策が重要になります。紫外線は、1年中降り注いでいるため、つねに紫外線対策を怠らないようにしましょう。
- 表情筋エクササイズ
- 肌のハリを取り戻すためには、コラーゲンやエラスチンを補うだけでは十分とはいえません。皮膚の下にある筋肉が、皮膚全体をしっかりと支えている必要があるからです。繊維状になっている顔の筋肉の細胞を強く太くすることで、弾力のある肌を手に入れることができます。そのために、顔の筋肉を鍛える習慣をつけましょう。フェイシャルフィットネスや表情筋のエクササイズといった、顔の筋肉にアプローチするトレーニングが有効です。
- 食事
- 皮膚を含め、人間の身体は食事などでとった栄養からできています。そのため、肌のハリを取り戻すにはしっかり栄養をとるといった内側からのケアも重要です。以下の成分は美肌に効果を期待できるといわれているため、意識的にサプリメントや食事で摂取するとよいでしょう。
- ビタミンC
- コラーゲン
- エラスチン
- ヒアルロン酸
- プラセンタ
- イソフラボン
ただし、サプリメントで栄養を補う場合は、とりすぎに注意しましょう。また、サプリメントの原料はさまざまなので、体質によってはアレルギー反応を起こす可能性が否定できません。事前に成分や原材料をチェックしましょう。また、サプリメントを服用してから発疹やかゆみなどの異常が見られた場合は、すぐにサプリメントの服用をやめて医師に相談しましょう。
まとめ
肌のハリを取り戻し、弾力のある肌を手に入れるには、化粧品による適切なケアと生活習慣の改善が大切です。
化粧品選びでは、以下のポイントを意識してみてください。
- 保湿やターンオーバーに関連した美容成分が含まれているか
- ライン使いできるか
また、生活習慣の中では以下のポイントを意識してみましょう。
- 紫外線対策を1年中すること
- 肌によい栄養を日常的にとること
- 表情筋エクササイズで鍛えること
肌の状態は、1日で劇的によくなるということはありません。しかし、基礎化粧品や生活習慣を意識して変えることで、徐々に肌がしっかりと応えてくれることを目指しましょう。
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