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悪い病気!?下痢が続く時に考えられる原因と対処法

更新日:2017/12/18 公開日:2015/03/03

下痢の症状・原因・対処法

下痢が長く続くと、肉体的な負担だけでなく、「もしかして悪い病気では?」と不安が募ってしまいます。そこでドクター監修のもと、慢性的な下痢から考えられる病気や対処法についてご紹介します。

下痢に苦しむ女性のイメージ写真

慢性下痢とは

下痢は、腸の水分吸収がさまたげられたり、腸内の水分が増えたりすることで、便に含まれる水分が異常に多くなっている状態です。下痢になってからの期間が2週間以内の「急性」、2週間以上の「遷延性」、4週間以上の「慢性」に分類されます[1]。

急性下痢の90%以上はウイルス、細菌などの感染に由来するといわれています。感染以外の原因としては暴飲暴食、心因性(ストレス)、薬剤の副作用などがあげられます。

ウイルスや細菌の感染による下痢について詳しくは『食中毒(食あたり)の種類と主な原因』をご覧ください。また、暴飲暴食による下痢は『食べ過ぎで下痢や吐き気の症状が出た時はどうすればいい?』を、ストレスによる下痢は『どうすればいい?ストレスによる下痢・腹痛の正しい予防法・対処法』をご覧ください。

一方で、慢性下痢の原因となる病気は多様です。

慢性下痢を引き起こす病気

慢性下痢を引き起こす病気として、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、吸収不良症候群、腸管慢性感染症、大腸がんなど様々な病気があげられます。ここではその一部をご紹介します。診断のためには腹部超音波検査、腹部CT検査、消化管内視鏡検査など検査が必要になります。ご心配であれば、消化器内科を受診されることをお勧めします。

過敏性腸症候群(IBS)

腹痛もしくは腹部不快感と、それに関連した便通異常(便秘や下痢)が慢性・再発性に持続する一方で、検査で検出できるような腸の異常があるわけではないという病気です。

原因はストレスや緊張、不安などによる精神的な影響が代表的です。過敏性腸症候群は、腹痛や腹部不快感が起こり、排便すると症状が軽くなる、排便の頻度が変化する、便の見た目が変化する(固い/ゆるい)といった特徴があります。

炭水化物や脂質の多い食事、香辛料、アルコール、コーヒーの摂取は症状悪化の原因となります。また、心理的なストレスで発症したり、症状が悪化することが証明されています。そのため、過敏性腸症候群では生活習慣の見直しをすることが大事です。また、多忙な毎日を過ごしていても、息抜きの時間をつくり、規則正しい生活で体のリズムを整えるなど、日常生活でできる予防を行いましょう。

過敏性腸症候群(IBS)について詳しくは『家庭の医学 過敏性腸症候群』にリストアップされている記事をご覧ください。

乳糖不耐症、食物アレルギー

乳糖不耐症と呼ばれる、乳糖(ラクトース)を遺伝的に上手く分解できない(=分解酵素の働きが良くない)体質の人がいます。牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしたり下痢になったりする人は、この乳糖不耐症だと考えられます。乳糖を含む食品の制限、ラクターゼ製剤の併用、豆乳や乳糖を分解した食品の摂取で対応可能です。

また、食物アレルギーのある人が原因食品を食べたときに、アレルギー反応として下痢や嘔吐、腹痛などの胃腸症状が起こることがあります。

乳糖不耐症について詳しくは『乳糖不耐症の症状について』をご覧ください。また、食物アレルギーについて詳しくは『食物アレルギーの種類と日常での注意点とは』をご覧ください。

大腸がん

大腸がんとは、大腸にできる腫瘍(しゅよう:異常な細胞が自律的に過剰に増殖して塊になったもの)のうち、徐々に大きくなって周囲にしみ出るように広がったり(浸潤)、他の臓器に転移を起こしたりする悪性の腫瘍のことです。近年、大腸がんは増加傾向であり、注意が必要です。

大腸がんが進行すると大きな塊をつくり腸がせまくなってしまうため便の通りが悪くなり、便秘になったり、細い便になったり、排便したのにまだ便が残っているような感じがしたりします。進行した大腸がんは出血しやすく、便に血液が混じることもあります。腸の中に溜まった硬い便のすき間を水っぽい便がすり抜け、少しずつ、何回にも分けて排泄されるため、まるで下痢のような症状を起こすこともあります。以上のような症状があれば、大腸内視鏡検査などの精密検査を受けることを検討した方が良いでしょう。

なお、早期の大腸がんでは、自覚症状がないことが多く、症状からがんを早期発見するのは困難です。ですから、定期的にがん検診を受診し、早期に発見できるようにしておくことが大事です。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起こる病気です。腸に炎症が起きてただれや潰瘍※となることから、主な症状として粘血便(血液・粘液・膿の混じった軟便)、下痢、発熱、体重減少などが現れます。ダメージを受けている腸の粘膜病変の範囲と重症度によって症状は変わり、重症になるほど便に血液が混じるようになります。病状は治まったり(寛解期)、悪化したり(活動期)を長期にわたって繰り返します。発症年齢は30歳前後に多いとされています。

原因ははっきりと分かっていませんが、体の免疫機能の異常が要因ではないかと考えられています[2]。厚生労働省によって指定難病とされており、医療費助成制度の対象疾患です。この制度を使っている人(医療受給者証所持者)は年々増加傾向です。

※潰瘍:炎症がくり返されることで表面の粘膜がはがれ落ち、粘膜の下の層がむき出しになっている状態

潰瘍性大腸炎の検査については『潰瘍性大腸炎の診断に必要な検査とは』をご覧ください。

クローン病

クローン病は若い人に多い病気です。男性では20歳代から30歳代前半、女性では10歳代後半から20歳代で発症することが多いとされています。口から肛門までの消化管のあらゆる場所に慢性的な炎症や潰瘍が起こります(主に小腸と大腸が冒されやすい)。腸に炎症や潰瘍ができることで、消化・吸収がうまくできなくなり、下痢をしやすくなります。しばしば、痔瘻(あな痔)、肛門周囲膿瘍などの肛門の病気が合併することが特徴的です。潰瘍性大腸炎と同様、病状は治まったり(寛解期)、悪化したり(活動期)を長期にわたって繰り返します。

クローン病は遺伝的な要因と様々な環境要因が加わって、腸の粘膜の免疫が正常に働かず炎症が起こるとされていますが、まだ不明な点も多いです[1]。よくあるのが「食事をすると下痢やお腹の痛みが起こり、やがて栄養が足りずにやせてくる」という症状なので、このようなことがあれば早めに受診することをお勧めします[3]。

診断には内視鏡検査や造影検査(小腸造影、注腸造影)などの検査が有用です。潰瘍性大腸炎と同様、厚生労働省によって指定難病とされており、医療費助成制度の対象疾患です。この制度を使っている人(医療受給者証所持者)は年々増加傾向です。

その他の病気

細菌や寄生虫の感染症、手術や放射線治療後の後遺症、膵臓や甲状腺の病気、糖尿病、膠原病などによっても起こることがあります[1]。

白っぽく、油ぎってギラギラとした光沢のある便が出る場合は『脂肪便の原因は膵炎?』をご覧ください。

薬の副作用

薬の副作用により慢性下痢になることもあります。下痢を引き起こす可能性のある薬は、抗菌薬、便秘薬、胃薬、降圧薬、痛み止めなど多岐にわたるため、心配なようなら医師や薬剤師に相談してみてください[1]。

慢性下痢の対処法

下痢をしているときは体内の水分やミネラル(ナトリウムやカリウムなど)が失われやすくなっており、脱水症状におちいってしまいやすくなります。少しずつでもいいので、白湯や常温のミネラルウォーターやスポーツドリンクなどでこまめな水分補給を心がけましょう。下痢では体力も消耗しますので、消化の良い炭水化物(柔らかいご飯やうどん、スープ、リンゴのすりおろし、ヨーグルトなど)をしっかり摂りましょう。一方、脂肪の多い食事は消化吸収が悪いので控えましょう。コーヒーや炭酸飲料、アルコール類はお腹を刺激するので避けるべきです[4]。

なお、慢性下痢が認められている場合、今まで述べてきたように色々な病気が原因の可能性があります。そのため、早めに消化器内科を受診されることをお勧めします。

参考文献

  1. [1]日本消化器病学会監. 消化器病診療編集委員会編. 消化器病診療 第2版. 医学書院 2014
  2. [2]難病情報センター. “潰瘍性大腸炎(指定難病97)” 難病情報センター.
  3. http://www.nanbyou.or.jp/entry/218(参照2017-06-17)
  4. [3]日本消化器病学会. “患者さんと家族のためのクローン病ガイドブック” 日本消化器病学会. http://www.jsge.or.jp/citizen/kouza/pdf/03_cloning.pdf(参照2017-06-17)
  5. [4]日本臨床内科医会. 下痢の正しい対処法.”わかりやすい病気のはなしシリーズ42” 日本臨床内科医会. http://www.japha.jp/doc/byoki/042.pdf(参照2017-06-13)

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