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胃痛を伴う下痢の原因と正しい対処法

更新日:2018/05/28 公開日:2015/03/05

下痢の症状・原因・対処法

胃痛と下痢が同時に起こると、何が原因かと心配になりますよね。病院に行った方がいい? 薬局で薬を買って飲んだ方がいい? ここではドクター監修のもと、胃痛と下痢が同時に起こった場合の正しい対処法と、よくある原因について解説します。

◎短くポイントをまとめると
強い胃痛が何時間も続くような場合、下痢で脱水症状になっているような場合は早めに病院へ
胃痛を伴う下痢の原因で一番多いのは細菌やウイルスの感染による胃腸炎
感染性胃腸炎であれば、脱水に気をつけて安静にすれば数日で自然に治ることが多い

胃痛と下痢のイメージ写真画像

胃痛と下痢が同時に起こると、何か悪い病気にかかってしまったのかと不安になりますし、何をしても集中できなくなり、食欲も失せてしまいます。この場合は病院に行った方がいいでしょうか? もしくは薬局で何か薬を買って飲んだ方がいいのでしょうか? ここではドクター監修のもと、胃痛と下痢が同時に起こった場合の正しい対処法と、よくある原因について解説します。

こんなときは病院へ!

まず、胃痛と下痢それぞれについて、下記のような症状があるなら、我慢せずになるべく早く医療機関(内科、消化器内科、救急外来など)を受診してください。

胃痛

  • 強い痛みが数時間にわたり続いている
  • 痛みのために眠れない/寝ていても夜中に痛みで目覚めてしまう
  • 背中まで痛くなってきた
  • 歩くなどの振動で、痛みがひどくなる
  • 痛みで腹筋に力が入ってしまう
  • 何度も吐いてしまっている
  • 発熱や寒気がある

下痢

  • 血便や下血がある
  • 大量の水様便が続いている
  • 水分補給ができない
  • 脱水症状がある(口が乾く、脈が早い、肌や粘膜が乾燥)

脱水になっているかどうかを調べるには、「皮膚を指でつまむ」という方法があります。通常は指を離すと元通りになりますが、脱水になると指を離してもそのままシワがしばらく残ります。

脱水症状がある場合は、体内への吸収が早くなるよう調整されている経口補水液を飲むことが勧められます。しかし、吐き気や嘔吐などで飲めない状況であれば点滴で水分や電解質を補給する必要が出てきます。たかが脱水と軽く見ず、早めに病院に行くことを考えましょう。

脱水症状への対応について詳しくは『自宅でもできる!脱水症状の対処法』をご覧ください。

薬局で市販薬を買うべき?

薬局やドラッグストアに行くと、胃腸薬や整腸薬、下痢止め(止瀉薬)が多く取り揃えられています。胃痛や下痢に対してこれらの薬を試してみようと思う方も多いのではないでしょうか。

しかし、胃痛と下痢が同時に起きていて、症状が急性(始まってから2週間以内)の場合は、これらの利用はあまり適切でない可能性が高いです。というのも、この場合は細菌やウイルスの感染による胃腸炎であることが多く、止瀉薬で下痢を止めることが、細菌やウイルスを体外に出そうとする身体の防御反応を阻害してしまうことがあるからです。

また、薬局で売っている胃腸薬の多くは胃酸を中和したり出過ぎを抑えたり、胃の消化機能を高めるという作用がメインになっています。もし感染性の胃腸炎だった場合は、これらの薬が直接的に効くということは考えにくいです。

下痢がある場合に一番問題になるのは脱水ですので、薬局に行くなら経口補水液を買っておくことをお勧めします。

感染性の胃腸炎であれば、大部分は数日で自然に治ります。前項で挙げたような症状がなければ、安静にして過ごしましょう。常温の水分を定期的に摂り、お粥やうどん、野菜スープ、ヨーグルトなど胃腸にやさしい食べ物を少しずつ食べていれば改善することが多いです(味の濃いものや脂肪分の多いものは控えましょう)。

ただし、2~3日安静にしていても症状が変わらないときや、悪化する傾向にあるときは、早めに病院を受診しましょう。

下痢のときの食事について詳しくは『下痢・軟便時に適した食事・食べ物と食べてはいけないもの』をご覧ください。

胃痛と下痢が起こる原因

胃痛と下痢が一緒に起こっている場合で最も可能性が高いのは、細菌やウイルスによる感染性の胃腸炎です。しかし、別々の原因による胃痛と下痢が偶然同じタイミングで起こっているという可能性もあります。胃痛と下痢を引き起こす病気はまれなものを含めると数多くあり、病院で詳しく問診や検査をしないと分かりません。ここでは、胃痛と下痢それぞれを引き起こす代表的な原因を紹介します。

胃痛(みぞおちの痛み)を引き起こす原因

急性(発症から2週間以内)の下痢を引き起こす原因

  • 暴飲暴食(冷たいものやアルコールの飲み過ぎ、脂肪、香辛料など刺激が強いものの摂り過ぎ)
  • ストレス
  • 食物アレルギー乳糖不耐症
  • 毒素を産生する微生物(セレウス菌、黄色ブドウ球菌、コレラ菌、腸管出血性大腸菌、クロストリジウムなど)
  • 腸に炎症を起こす微生物(ロタウイルス、ノロウイルス、サルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオ、エルシニアなど)

慢性(1か月以上続く)の下痢を引き起こす原因

  • 過敏性腸症候群(IBS)
  • 薬剤やサプリメント(マグネシウム、下剤、胃薬、痛み止め、降圧薬、抗菌薬など)
  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)
  • 食物アレルギー乳糖不耐症
  • 感染症(クロストリジウム、腸結核、アメーバ赤痢など)
  • その他の病気

このように、胃痛と下痢を引き起こす原因は数多くあります。胃痛と下痢が同時に起こる場合は感染性の胃腸炎である可能性が高く、脱水症状に気をつけて安静にしていれば多くのケースが数日で自然に回復します。ただし、症状が重くて日常生活がままならない、悪化する、治らないというときは早めに病院を受診するようにしましょう。

参考文献

  1. ・北 啓一朗. 腹痛, 総合診療 2016;26(8): 661-664
  2. ・デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2016; 110, 271-278
  3. ・鈴木秀和. 下痢をみたら. ドクターズサロン 2013; 57(11): 851-857

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