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ストレスによる胃痛は病院の何科に行くべき?市販薬での対処法は?

更新日:2018/07/02 公開日:2015/03/03

胃痛の原因と症状、対処法

過大なストレスを受けたときに胃痛を感じることはよくあることです。ここでは、どんな場合はどの診療科に行くべきか、市販薬などでの対処法、どうしてストレスで胃痛が起こるのかなどを、ドクター監修のもと詳しく解説します。

◎短くポイントをまとめると
強い痛みが数時間にわたり続く、痛みで腹筋に力が入ってしまうなどの症状があればすぐ病院へ
ストレスが関係する胃の病気で代表的なものは急性胃炎(急性胃粘膜病変;AGML)と機能性ディスペプシア
薬によって胃酸過多や胃の血流悪化を改善できる。ストレス解消にも取り組もう

ストレスによる胃痛になったら

こんな胃痛のときはすぐに病院へ!

ストレスが原因の胃痛と思っていたら、別の病気であったり、重症化していて一刻も早い対処が必要であったりすることがあります。胃痛が下記のような痛みであれば、我慢せずになるべく早く医療機関(内科、消化器内科、救急外来など)を受診してください[1]。

  • 強い痛みが数時間にわたり続いている
  • 痛みのために眠れない/寝ていても夜中に痛みで目覚めてしまう
  • 痛む場所がみぞおちから右下腹部に移動した
  • 右下腹部だけでなく、同時に他の部分も痛んでいる
  • 歩くなどの振動で、痛みがひどくなる
  • 痛みで腹筋に力が入ってしまう

また、胃痛に加えて下記のような症状がある場合も、早めに受診するようにしましょう。

  • 熱が出ている
  • 血便や下血がある
  • 何度も吐いてしまっている
  • ダイエットしているわけではないのに体重が減ってきている

なぜストレスが原因で胃痛が起こる?

ストレスには肉体的もの、精神的なものがあります。いずれのストレスも自律神経を介して、胃の粘膜への血行を悪くしたり、胃酸が多く出たりするように働きます。特に喫煙者やピロリ菌感染者では、ストレスによる胃への悪影響が強く出やすいといわれています[2]。

胃は食べ物を消化するために、胃酸という強い酸を分泌します。この胃酸によって胃そのものが溶けてしまわないように、胃の壁の表面は粘液で覆われています。過剰なストレスがかかると、胃酸が増え、胃を守る粘液が減ってしまいますので、胃の壁が刺激を受けて炎症を起こします。この状態を「胃炎」といいます。

この状態が悪化してくると、いよいよ胃の壁が胃酸にさらされて溶かされそうになります。粘膜にはびらんや潰瘍ができ、出血もあります。もっと悪化すると胃の壁に穴が空き、胃酸が胃の外に漏れ出してしまいます。ここまで来ると一大事です。緊急手術と入院が必要となります。

怖いことを書きましたが、多くは胃に穴が開く前に強い痛み(身体からの警告)が出ます。冒頭であげたような症状があるときはもちろん、胃痛が長引く場合は我慢しすぎずに病院に行きましょう。お近くの消化器クリニックがおすすめです。

ストレスで胃痛が起こるときは何の病気?

胃の病気のなかでも、ストレスが関係する可能性が高いと考えられている主な病気を紹介します。

急性胃炎(急性胃粘膜病変;AGML)

突然の胃痛や吐き気、嘔吐などが起こります。このときに胃カメラで胃の中を見てみると、粘膜が赤くなり、びらん、潰瘍、出血などが多発していることがあります。前述した通り、ストレスで胃を保護するための粘液が足りないことが一因となります。他にも、痛み止めの薬(NSAIDs)や抗生物質などの薬剤、ピロリ菌、アルコール、食べ物などが原因となります。潰瘍が目立つ場合には「胃潰瘍」と呼ばれることもあります。

機能性ディスペプシア

これは聞き慣れない病名ですが、胃に明らかな炎症や潰瘍などができているわけではなく、胃の働きや機能に問題があるために胃痛や胃もたれ、胸やけ、吐き気が起こっているときに付けられる病名です。これまでは「慢性胃炎」「神経性胃炎」もしくは「気のせい」といわれてきたものの一部が、この機能性ディスペプシアに含まれます。

胃の働きや機能に問題があるというのは、具体的には胃酸過多、胃運動異常、胃の知覚過敏などがあげられています。また、強いストレスを受けると胃の運動が止まり、吐き気や嘔吐をもたらします。さらにストレスに慢性的にさらされ続けていると、脳内にCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌され、この影響で胃酸過多、胃運動異常、胃の知覚過敏を引き起こすことが分かっています[3]。

ストレスによる胃痛の治し方

では、ストレスによる胃痛はどうやって治療すればいいでしょうか。胃酸過多や粘液減少は薬の内服によって治療できますし、出血は内視鏡で止めることがあります。機能性ディスペプシアの場合は薬に加え、ストレス解消にも取り組む必要がありそうです。

ここでは、薬局やドラッグストアで売っている市販薬を用いたセルフメディケーションや、ストレス解消法について解説します。

市販薬を用いたセルフメディケーション

胃痛のときに使える市販薬は、「胃腸薬」や「胃腸鎮痛鎮痙薬」があります。ここではよく配合されている成分の一部を紹介します。非常に多くの製剤があるため、購入に際しては薬剤師や登録販売者と相談しながら選ぶことをおすすめします。

  • 制酸成分(出過ぎた胃酸を中和する):酸化マグネシウム、重曹、水酸化アルミニウムなど
  • 胃酸分泌抑制成分(胃酸の分泌を抑える):H2ブロッカー、ピレンゼピン、ロートエキスなど
  • 粘膜修復成分(胃の粘膜保護、胃の血流を増加):アズレンスルホン酸、スクラルファート、テプレノンなど

ストレス解消法

胃痛の一因となっているストレスを解消することもよい対策です。ストレスを引き起こす原因そのものをなくすのが難しい場合もありますが、ストレスの感じ方を変えること、ストレスを解消して溜めないようにすることは今からでもできます。

ストレス解消法には、運動や音楽鑑賞、人との会話、入浴、アロマテラピー、腹式呼吸など、さまざまな方法があります。詳しくは『簡単にできるストレス解消法』『ストレスを解消するリラックス方法』をご覧いただき、ぜひ自分なりのよいストレス解消法を見つけてください。もし自分ひとりではストレス対策が難しいようなら、心療内科や精神科への受診や、カウンセラーなどに相談してみてください。

参考文献

  1. [1]北 啓一朗. 腹痛, 総合診療 2016;26(8): 661-664
  2. [2]日本消化器病学会編. 患者さんと家族のための消化性潰瘍ガイドブック
  3. https://www.jsge.or.jp/files/uploads/02_kaiyou.pdf(参照2018-05-23)
  4. [3]三輪洋人. ストレスと胃腸の病気. 日本消化器病学会ホームページ(一般のみなさまへ)
  5. http://www.jsge.or.jp/citizen/2006/kinki2006.html(参照2018-05-23)

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