身近な保湿剤として知られるワセリンですが、ワセリンは顔に使用してもよいのでしょうか。ここでは、ワセリンを顔に使うことに関する以下のことを紹介しています。
- ワセリンを顔に用いることの効果
- アトピー肌への効果
- アトピー肌に使用した場合に考えられる副作用や有害事象
- おすすめの顔のケア方法
まずは、そもそもワセリンを顔に塗ってもよいものなのかを確認しましょう。
ワセリンを顔にぬってもよい?
ワセリンが保湿剤に好んで使われる理由のひとつに、肌トラブルが起こりにくいことがあります。しかし、ワセリンでも精製純度が低いものだと多少のかぶれが生じることもあります。ワセリンであれば、絶対に問題が起こらないというわけではありません。
ただし、ワセリンの精製技術が上がっている現代では、不純物が少なく、より安全に使用できるワセリンが広まっています。肌の表面に留まるワセリンは必要以上に肌へ刺激を与えないため、特に肌の弱い方には適している場合もあります。顔への使用も、基本的に問題ないと考えてよいでしょう。
ワセリンに対して過度な心配をする必要はないものの、以下のポイントについては留意しておきましょう。
- 使用感がベタつきやすい
- ワセリン自体に水分を保持する力はない
ワセリンは、あくまで皮膚の表面に油分でふたをすることで保湿を期待できるものです。ワセリン自体が水分を保持するわけではないため、ほかの保湿剤と比較して優秀な保湿能力を持っているとは言えません。保湿効果を期待するのであれば、尿素やヘパリン類似物質といった処方のほうが効果的な場合もあります。
ワセリンのアトピー肌への効果と有害事象
ワセリンは、アトピー肌やアトピー性皮膚炎自体を改善するといった効果はありませんが、アトピーによって起きる症状のケアに使用されます。ワセリンによるケア方法と、考えられるトラブルについてご紹介します。
ワセリンを使用したアトピー肌のケア
アトピー肌の状態のひとつに、角質による肌バリアの破綻があると考えられています。肌バリアは、外部の刺激から皮膚を守る役割のことです。それが弱くなることで肌表面は乾燥しやすくなり、小さな刺激でも皮膚炎が起こりやすくなると考えられるのです。そのような肌の乾燥をケアするために、ワセリンが役立つと考えられます。
ワセリンの使用によって、アトピー肌自体の改善は見込めません。しかし、肌の表面をワセリンで覆うことで、肌表面から水分が蒸発して乾燥することを防ぐことにつながります。また、皮膚の表面に留まることから、目元などの特にデリケートな肌の部位にも使用できます。
ただし、保湿効果という面では、前述のようにワセリンより効果的な処方もあります。
ワセリンの副作用や有害事象について
基本的にワセリンは処方薬あるいは薬局で販売される医薬品ですが、アメリカで作られたワセリン(商品名ヴァセリン)など一部は化粧品に分類されています。医療従事者がいないところで消費者が購入できるため、使い方や体質によっては医薬品の副作用や有害事象というよりも、化粧品トラブルが起きる可能性があります。
ワセリンで考えられる化粧品トラブルとして、肌に合わなかった場合のかぶれ(接触性皮膚炎)による肌の赤みやかゆみがあります。また、肌トラブルではありませんが、ワセリンにはベタつきやすいという特徴もあります。
ワセリンは石油が原料であることから、安全性に疑問を持つ方もいます。たとえば、ワセリンを塗った場所に紫外線が当たることで色素沈着しやすくなると言う話などです。これを「油焼け」とも言いますが、油焼けの原因はワセリンなどに含まれる不純物です。現在では精製技術の向上のおかげでワセリンに含まれる不純物は少なくなっており、安全性も高まってきています。そのため、あまり油焼けについて過敏になる必要はないでしょう。ただし、ワセリンを塗った場所の肌の変化は、念のため観察しておくとよいでしょう。
ワセリンを使用した顔のケア
保湿以外にもワセリンを活用できる方法があります。ここでは、ワセリンの活用法を2つ紹介したいと思います。
血行をよくするマッサージ
顔をマッサージすると一時的に血行が促され、定期的にとり入れることで肌のターンオーバーが活性化すると考えられています。また、肌を引き締める効果もあり、二重アゴや頬のたるみを改善することにもつながると期待されています。フェイシャルマッサージ用のクリームは多く存在しますが、このマッサージクリームにワセリンを使うと、マッサージ時の摩擦が軽減されて肌への負担が軽くなります。
それでは、実際のマッサージ方法をご紹介することにしましょう。
- 手のひらにワセリンを取り、温めてから顔全体に延ばす。
- 両手の人差し指、中指で顔の真ん中から外側に向かって、広げるようにやさしくマッサージ。
- 鼻、アゴ、鼻の下も軽く揉みほぐし、さらに額も中心からこめかみに向かってマッサージする。
- アゴから耳の方向にフェイスラインのたるみを伸ばしていき、次に首から顔へ、下から上へとやさしくリフトアップしましょう。
- 最後に、両方の手のひらで顔を包んでプレスして終了。
化粧下地として使う
化粧下地としてワセリンを使う方法も知られています。これは皮脂が浮いてファンデーションが崩れるといった悩みをお持ちの方におすすめの方法とされていますす。化粧下地にワセリンを塗ることで、ファンデーションのムラが生じにくくなるというメリットもあります
まとめ
ワセリンは刺激が少なく、肌トラブルも起こりにくい傾向にあるため、顔に使ってもよいでしょう。今回ご紹介したワセリンの顔への使用方法としては、以下のものがあげられます。
- 保湿(アトピー肌のケアを含む)
- フェイシャルマッサージ用の潤滑油として
- 化粧下地として
ただし、ワセリンは絶対に肌トラブルが起きないというわけではなく、かぶれが出る場合もあります。アトピー肌の治療などで医師に処方してもらう場合は、指示された使用方法を守って使いましょう。また、使用した部分を観察し、かゆみや赤みなどが出てきた場合には医師に相談することをおすすめします。
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