便秘がひどいと、つい下剤に手を出しがちですが、下剤は一時的な解消法としての効果は期待できても、根治させることはできません。長引くひどい便秘も、生活習慣の改善を根気よく続けることで解消に向かわせることができます。便秘を解消させる正しい方法をご紹介します。
ひどい便秘も生活習慣の見直しで治せる
便秘の解消の基本は、「お腹にいい食事」「適度な運動」「規則正しい生活」の3つです。
お腹にいい食事
便のもとは食べ物なので、便秘の改善には、まず食事内容の見直しが肝心です。ひどい便秘を解消するには、食物繊維が豊富に含まれている食材をきちんと摂りましょう。
食物繊維には、不溶性のものと水溶性のものがあります。不溶性食物繊維は、穀物、根菜などの繊維質の多い野菜や、豆類などに多く含まれています。水に溶けずに水分を吸収して膨れ、腸管を刺激して腸のぜん動運動(消化管などの臓器の収縮運動)を高める働きをします。水溶性食物繊維は、果物、海藻類などに多く含まれます。水に溶ける性質があり、食品の水分を抱き込んでゲル状の便を作ります。その結果、便は柔らかくなります。水溶性と不溶性の両方をバランスよく摂取することで、出やすい便になるのです。ただし、腸が緊張状態にあるタイプ(痙攣性)の便秘の人が不溶性食物繊維を摂り過ぎると、よけいにお腹が張って症状が悪化する場合があるので注意が必要です。
ちなみに、1日の食物繊維摂取量の目標は、18歳以上で男性が20g以上、女性が18g以上とされています。
また、油分を摂るのもおすすめです。油分を控えると、便のすべりが悪くなることがあるからです。ダイエットなどで油の摂取を控えている人に便秘が多いのは、こうした理由もあります。エクストラバージン・オリーブオイルは、主成分のオレイン酸が腸の動きを活性化させるので積極的に摂るようにすると良いでしょう。毎朝大さじ1杯のオリーブオイルを飲むといいとされています。
腸内環境をよくするために、善玉菌を増やす食材である漬物などの発酵食品、チーズやヨーグルトなどの乳酸菌なども積極的に摂るよう心がけましょう。
適度な運動
ウォーキングをする場合は、下腹部を凹ませて力を入れて歩くことで、腸に刺激が伝わり、ぜん動運動が促進されます。深呼吸しながらの軽いストレッチも効果があります。背中からわき腹を伸ばすようなストレッチや体側を伸ばすストレッチは、自律神経を整える効果が期待できるとされています。夕食後に行うと、睡眠時の腸の働きが活性化するのでおすすめです。
規則正しい生活
不規則な生活は便秘の大敵です。規則正しい時間に食事をする、睡眠時間を十分にとる、ストレスをためない生活を心がけましょう。
また、朝に水やお茶、牛乳を1杯飲むことで、腸のぜん動運動が誘発されやすくなります。
ひどい便秘は、こうした日々の積み重ねによって解消につながります。時間はかかりますが、じっくりと取り組んでスッキリ生活を目指しましょう。
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