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危険!下剤の乱用の副作用

更新日:2018.04.20
公開日:2015.03.31
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この記事の監修者
銀座禅クリニック 院長 コッツフォード 良枝

頑固な便秘が続いて苦しいときに頼ってしまいがちな下剤。しかし、間違った使用は便秘を悪化させる原因になる可能性もあり注意が必要です。下剤乱用の危険性と注意点について、ドクターの監修の記事で解説します。

下剤は、便秘を手っ取り早く解消できるアイテムとして用いられますが、乱用すると逆効果になるので、使用には注意が必要です。下剤がもたらす副作用について、詳しく解説します。

下剤の継続使用は便秘を悪化させる

頑固な便秘が続く場合、下剤などの便秘薬を使ってしまうという方は多いでしょう。しかし、薬には副作用があることを忘れてはいけません。

そもそも、下剤は腸を刺激したり、便を柔らかくするなどして無理やり排泄を促すものであり、便秘体質を根本から治す薬ではありません。下剤を継続して使用すると、腸本来の力が衰え、動きが鈍くなって弱っていきます。結果、便秘が慢性化し、重篤化することも少なくありません。これにより、下剤なしでは排泄できない「下剤依存症」に陥るケースが多いのです。ここまで深刻でない場合でも、腸への刺激からくる腹痛や吐き気、下痢、食欲不振などの副作用に悩まされることがあります。

また、アントラキノン系の下剤を長期間使用すると、大腸の粘膜が黒くなる「大腸メラノーシス(大腸黒皮症)」という症状を起こすことがあります。発症すると大腸の神経機能が低下し、さらに便秘がひどくなることで下剤の服用がやめられなくなるという悪循環に陥ります。

下剤は本当につらいときに一時的に利用するだけに留め、日常的な使用は避けるようにしましょう。

下剤の成分に注意

下剤にはさまざまな種類があります。大きくは「刺激性下剤」と「機械性下剤」の2つに分けられます。

刺激性下剤

腸に刺激を与えて無理やりぜん動運動(消化管などの臓器の収縮運動)を引き起こすものです。大腸や小腸、直腸を刺激するものがありますが、ほとんどが大腸刺激性下剤です。大腸刺激性下剤には、以下のような種類があります。

・アントラキノン系

効き目が強い成分なので、ひどい便秘にもよく効きます。しかし、乱用すると大腸メラノーシスを引き起こしたり便秘を重篤化させる可能性があるため、継続して使用するのはやめましょう。漢方・生薬系で腸に優しそうなイメージのセンナや大黄、アロエなども、ここに含まれます。子宮の収縮を誘発する作用もあるので、妊娠中の使用は避けてください。

・ジフェニルメタン系

アントラキノン系と比べると効き目がおだやかで、腹痛などの副作用も軽めです。ピコスルファートナトリウムやビサコジルという成分も、この仲間です。胃腸に疾患のある方には、ごくまれに腸閉塞や虚血性大腸炎などの症状が出る場合があるので、注意が必要です。

機械性下剤

便の水分を増やしたり便を柔らかくすることで、排便をスムーズにさせるものです。機械性下剤は、以下の4種類に分類されます。

・膨張性下剤

水とともに服用することで水分を吸収しながら腸の中で膨張し、便のかさを増やします。これにより大腸が刺激され、排便が促されます。

・浸潤性下剤(DSS)

界面活性剤の作用により便を柔らかくします。効き目自体は弱いため、一般的にはアントラキノン系下剤と一緒に用いられることが多いです。

・塩類下剤

マグネシウム系の便秘薬が代表格です。浸透圧の高い物質を腸内に入れることで、便に水分を含ませて柔らかくします。ただし、腎臓や心臓に疾患のある方は、高マグネシウム血症や心不全を引き起こす危険性があるので、使用は避けたほうがいいでしょう。

・浣腸剤

直腸を刺激して排便を促します。腸を直接刺激するので、内服薬より即効性があります。

どうしても下剤を使用したい場合は、薬剤師からアドバイスを受けて、成分まできちんとチェックして使うことをおすすめします。また、長期間の使用はしないよう心がけましょう。

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