肌の赤みには、さまざまな原因があり、原因によって、皮膚科での治療法も違ってきます。それぞれ、どんな治療法があるのか見ていきましょう。
原因別に見る肌の赤みの皮膚科治療
毛細血管拡張症による赤み
毛細血管拡張症とは、なんらかの原因で毛細血管が拡張したままになり、滞った血液が透けて見え、肌が赤く見える症状です。このため、治療では、レーザー治療やフォトフェイシャルを使って、拡張した毛細血管を収縮させていきます。
レーザー治療とは、特殊な装置を使って、特定の波長の光を発生させ、それを患部に照射する治療法のことです。照射するレーザーの種類によって、いろいろなレーザー治療がありますが、毛細血管拡張症の場合は、血液のヘモグロビンに反応するものを使い、毛細血管を凝固、収縮させて、赤みを消します。
一方、フォトフェイシャルは、ソフトな光を当てる治療法です。レーザー治療の場合は、症状に合わせた単一波長の光を照射しますが、フォトフェイシャルの場合は、広域な光を使うので、赤みだけでなく、シミやシワなど、複数の症状に対応できます。ただし、フォトフェイシャルの効果は、レーザー治療よりもマイルドです。
酒さ
酒さも、毛細血管拡張症の1つですが、以下の治療薬を用いられるのが一般的です。
- 内服薬(飲み薬)
- テトラサイクリン系抗生物質(商品名 ミノマイシン、ビブラマイシン)
抗菌薬メトロニダゾール(商品名 フラジール、アスゾール)
- 外用薬(塗り薬)
- 外用薬(商品名 ロゼックスゲル)
また、赤みを消すために、レーザー治療やフォトフェイシャルが行われることもあります。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは、皮脂の分泌が多いTゾーンや頭皮などに起こる皮膚炎で、カビの一種であるマラセチア菌の増殖が大きく影響すると考えられています。このため治療では、マラセチア菌を抑えるための抗真菌剤の塗り薬が利用されます。
また、マラセチア菌は、皮脂をエサにして繁殖するので、過剰な皮脂の分泌を抑えるために、ビタミンB2やビタミンB6などの飲み薬が用いられたり、かゆみを抑えるための抗アレルギー剤が用いられることもあります。
敏感肌
敏感肌とは、肌の表面にある角質層のバリア機能が低下して、肌がさまざまな刺激に対して、敏感になっている状態のことです。角質層は、細胞が積み重なってできており、健康な状態であれば、細胞と細胞のすき間を、セラミドなどの角質細胞間脂質が、しっかりとつなぎ止め、外部からの刺激や異物が、肌の中に入り込まないようにしています。ところが敏感肌の人の角質層は、乾燥して、角質細胞間脂質が少なくなっているので、バリアとしての機能が十分に果たせていないのです。
このため皮膚科治療では、保湿剤の軟膏やステロイド剤の塗り薬などを使って、乾燥を治していくのが一般的です。
ニキビ・ニキビ跡
ニキビは、古い角質や皮脂によって毛穴が塞がれ、内部に皮脂が溜まってしまっている状態です。進行して、毛穴の中でアクネ菌が繁殖すると、炎症を起こして赤くなります。また、炎症を起こした状態が長引くと、炎症が治まってからも、赤いニキビ跡が残ります。
皮膚科でのニキビの治療は、症状によって変わってきます。炎症を起こしている赤ニキビの場合は、殺菌効果や消炎効果がある抗生物質の飲み薬や塗り薬がよく利用されます。また、炎症を抑える手段としてステロイド剤をニキビに直接打つ方法もあります。しかし、薬剤の量など治療としては難しく、間違えてしまうと患部の状態を悪化させてしまう場合があるため、クリニックによって行わない場合もあります。
ニキビ跡の治療では、美白効果があるビタミンC誘導体を肌に浸透させるビタミンCイオン導入や、薬品で古い角質をはがして皮膚の再生を促すケミカルピーリングのほかに、レーザー治療やフォトフェイシャルなどを行います。
今回ご紹介したそれぞれの症状の詳細については、『顔の赤みの種類』をご覧ください。
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