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子供の知能(IQ)は妊娠中の行動・状態で決まる!?

更新日:2017/10/30 公開日:2015/04/14

妊娠の超初期症状

妊娠中のお母さんの行動や状態が子供の知能・IQに与える影響については、数多くの研究が行われています。近年の研究結果を中心に、赤ちゃんの知能への影響についてまとめました。ドクター監修の記事で紹介します。

妊娠中のお母さんの行動や状態が、子供の知能・IQに与える影響については、数多くの研究が行われています。近年明らかになった研究結果を中心に、赤ちゃんの知能に悪影響を与える妊娠中の注意点について、ご紹介します。

妊娠中のダイエット

米テキサス大学が行った研究により、母親が妊娠中から授乳中にかけて十分なカロリーや栄養素を摂らないと、胎児の脳の発達が妨げられる可能性があると分かりました。

行われたのは、ヒヒを使った実験です。妊娠中のヒヒを2つのグループに分けて、一方のグループは食べたいだけエサを与え、もう一方は30%程度制限しました。カロリー制限をしたヒヒから生まれたオスのヒヒは、成長しても学習能力が低くなるなど、脳への影響が継続すると分かりました。メスのヒヒではそのような影響は見られませんでした[1]。

生活用品に含まれる化学物質

米コロンビア大学のメールマン公衆衛生学部(Mailman School of Public Health)は、328名の妊娠中の女性と生まれてきた子供達を対象に、生活用品に含まれる化学物質が、胎児にどのような影響を与えるかを調査しました。

具体的には、妊娠中の女性の尿に含まれる4種類の化学物質のレベルを測定し、胎児が化学物質にどの程度さらされているかを事前に調べました。そしてその後、生まれた子供が7歳になった時点でIQテストを実施し、お腹の中にいるときにさらされた化学物質の量と、その後の知能(IQ)の関連性を分析しました。

その結果、「フタル酸ジブチル」と「フタル酸ジイソブチル」という2種類の化学物質と子供の知能に関連性が見られ、胎児期にこれらの化学物質に多くさらされた子供は、そうでない子供よりもIQの値が6.7から7.6ポイント低い結果となりました[2]。

妊娠中のビタミンC不足

コペンハーゲン大学の研究で、妊娠中のビタミンC不足は、脳の構造に影響を与えることが判明しました。具体的には、ビタミンCが不足すると、記憶をつかさどる「海馬」部分の発達が妨げられてしまいます。なお、出産後には、ビタミンCによる影響はみられませんでした。[3]。

子供の脳の発達のために気をつけたいこと

まとめると、妊娠中に子供の脳の発達に悪影響を与える要素を排除するためには、以下のようなことが重要だと考えられます。

(1)ビタミンCを含め、十分な栄養を摂る

ママタレントなどの影響で、「キレイなママでいるために、妊娠中もなるべく太らないようにしたい」と考える方は多いかもしれません。しかし、妊娠中の過度なダイエットは、子供の将来に悪影響を与える可能性があります。どうしてもダイエットが必要な場合は、十分な栄養と必要なカロリーは摂取し、お菓子など、不必要なカロリーだけをカットするようにしましょう。

妊娠中は赤ちゃんを守るため、羊水が増えるほか、血液の循環量も増えます。胎児や胎盤の重さも含めて、妊娠中は10~12kgほど体重が増加します。妊娠中の体重減少には注意しましょう[4]。

また、ビタミンCは免疫力を高めてくれる効果もあるため、積極的に摂りたい栄養素のひとつです。ビタミンCを含むフルーツや野菜は多く知られていますが、熱に弱く水に溶けやすい性質から、調理の過程で失われやすいため、注意が必要です。

ビタミンCを多く含む食品や効果的な摂取方法については『抗酸化成分・食品(2)ビタミンCの効果と効率的な摂取法』をご覧ください。

(2)化学物質をなるべく避ける

次のように、化学製品に触れないような配慮が大切でしょう。プラスチック製のお皿などに入れて電子レンジで加熱されたものを口にしない。外食時など、調理方法が不明なものは口にしない。香料入りの製品(芳香剤、エアフレッシュナー、乾燥器に入れる柔軟剤シートなど)を使用しない。

授乳も子供のIQに影響を与える?

授乳の方法が子供のIQに影響を与える可能性も、さまざまな機関の調査で指摘されています。

たとえば、英国エセックス大学とオックスフォード大学が行なった調査によると、3時間おきなど一定の時間ごとに母乳やミルクを与えた場合に比べ、欲しがったときに与えた子供の方が、学校の成績もIQも高くなる傾向にある、という結果が出ました[5]。

子供の将来のために

IQは家庭環境や両親のIQに影響を受けることもありますが、これらの結果を見ると、妊娠期間中や新生児の頃の環境も影響を与える可能性があることが読み取れます。

今回ご紹介した中で、気をつけるべきポイントは、妊娠中の健康管理としても重要な要素もあります。IQだけでなく、子供の健康的な将来のためにも、ぜひ日常生活で気をつけてみてください。

参考文献

  1. [1]Rodriguez JS, et al. Sex-dependent cognitive performance in baboon offspring following maternal caloric restriction in pregnancy and lactation, Reprod Sci 2012; 19(5): 493-504
  2. [2]Factor-Litvak P, et al. Persistent Associations between Maternal Prenatal Exposure to Phthalates on Child IQ at Age 7 Years, PLoS One 2014; 9(12): e114003
  3. [3]Tveden-Nyborg P, et al. Maternal vitamin C deficiency during pregnancy persistently impairs hippocampal neurogenesis in offspring of guinea pigs. PLoS One 2012; 7(10): e48488
  4. [4]池ノ上克ほか編, NEWエッセンシャル産科学・婦人科学 第3版. 医歯薬出版 2015; 297
  5. [5]Iacovou M, et al. Infant feeding: the effects of scheduled vs. on-demand feeding on mothers’ wellbeing and children’s cognitive development. Eur J Public Health 2013; 23(1): 13–19

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