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顔汗が止まらない顔面多汗症とは

更新日:2018.04.23
公開日:2015.05.29
ドクター画像
この記事の監修者
銀座禅クリニック 院長 コッツフォード 良枝

顔から出る汗が異常に多く、日常生活にも影響が出ているという人は「顔面多汗症」の可能性があります。その特徴や原因、治療法など、顔面多汗症についての情報をドクター監修のもとご紹介します。

いつも顔が汗で湿っていたり、ちょっとしたことでポタポタたれるほど顔から汗が噴き出してしまう…このような方は、「顔面多汗症」という病気かもしれません。顔面多汗症がどのような病気なのか、また、効果的な治療法はあるのかなど、詳しくご解説します。

顔面多汗症の症状

必要以上に汗をかいてしまう病気を「多汗症」と言いますが、特に、顔にその症状が多く現れるものを「顔面多汗症」と言います。

暑いときや激しい運動をしたとき、緊張したとき、辛いものを食べたときなどに、たくさん顔汗が出るからといって、必ずしも顔面多汗症とは限りません。多汗症と汗っかきは違いを見分けるのが難しいですが、一般的には、体温を下げる必要がないときやリラックスしているときでも常に汗が出てしまい、日常生活に支障が出るほどの症状を指して多汗症としています。

噴き出る汗ですぐに化粧崩れを起こしてしまう、常に顔汗が出ている、緊張するとポタポタしたたり落ちるほど顔汗がでる、といった方は、顔面多汗症の可能性が高いです。

顔面多汗症の原因・対処法

顔面多汗症を含め、身体の特定の部分に異常なほど汗が出る局所性多汗症は、その原因がはっきりとは解明されていません。ただし、発汗を促すのは自律神経の一つである交感神経なので、なんらかの理由でこの交感神経の働きが過敏になっていると考えられています。

顔面多汗症はクリニックで治療できます。以下に、主な治療法をまとめました。

ボツリヌス注射

「ボツリヌス注射」とは、ボツリヌス菌がつくるタンパク質を有効成分とした注射です。汗は、交感神経の末端から放出される「アセチルコリン」という神経伝達物質が、汗腺に発汗を促すことで分泌されます。ボツリヌス注射は、このアセチルコリンの放出を抑制し、汗を減らす注射で、半年ほど効果が持続します。顔の場合は、額に注射をして、額の汗を減らすために使うことが多いようです。

神経遮断薬

「神経遮断薬」は、アセチルコリンの放出を阻害して発汗を抑制する飲み薬で、多汗症の治療薬としては「プロパンテリン(商品名:プロ・バンサリン)」が、唯一の認可薬となっています。全身に作用するので、顔に限らず全身の汗を止めるのに有効ですが、口の渇き、眠気、胃腸障害、便秘などの副作用が出る場合があります。

精神安定剤

顔は、隠すことができず人目につきやすい部分なので、顔面多汗症の方は人目を気にしてしまいがちです。しかし、そういった緊張やストレスも交感神経を刺激するため、余計に汗が止まらなくなるという悪循環を招きます。多汗症は心の病気ではありませんが、このように汗への恐怖心や不安が余計に症状を重くしている場合は、「精神安定剤」が処方される場合もあります。服用することで気持ちが落ち着き、汗の減少につながることがあります。

漢方薬

漢方薬は、西洋医学の薬のように症状に直接作用するわけではないので、即効性がありません。しかし、身体全体のバランスを本来の状態に戻して自己治癒力を高める効果が期待できるため、西洋医学では原因が解明できず、対処しきれないような病気にも効果を発揮することがあります。同じ症状でも、患者によって処方される漢方薬は異なりますが、顔汗が多い場合は「柴胡桂枝乾姜(さいこけいしかんきょうとう)」がよく用いられます。

専門医に相談するだけでも気持ちが楽になるので、人より顔汗が多い気がしたり、人目が気になったり、日常生活に影響がある場合は、気軽に皮膚科を受診してみましょう。

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