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顔面多汗症の手術での治療

更新日:2016/12/09 公開日:2015/05/29

顔汗・顔面多汗症

顔汗は、発汗を促している交感神経を切断する手術を受けることでかなり減らすことができます。しかし、この手術は副作用をともなうこともあるので、方法や効果など、手術について詳しく知ったうえで検討する必要があります。ドクター監修のもと、顔面多汗症を改善する手術の効果と副作用について解説します。

顔汗が異常に出て仕事やプライベートに支障をきたしているという方は、手術を受けるという手段もあります。ただし、多汗症の手術は副作用をともなうこともあるので、手術を受けるかどうかには慎重な検討が必要です。手術の内容と効果、起こり得る副作用について解説します。

顔汗を止められる手術とは?

多汗症の改善には、主に「胸腔鏡下交感神経節遮断術(ETS)」が用いられます。これは、発汗の指令を伝達している交感神経を切断する内視鏡手術です。交感神経は背骨の左右を上下方向に走っていますが、これを胸の当たりの高さで切断すると、手のひらや顔面、首筋、ワキの下の汗が減少します。手の汗を止めるための手術ですが、上述のとおり顔やワキなどの汗も減少することから、顔面多汗症の改善にも用いられます。

具体的な手術方法としては、まずワキの下の皮膚に2~4ミリほどの小さな傷をつけ、そこから胸の中に炭酸ガスを送り込んで肺を少し移動させます。こうすることで、肺の下に隠れていた交感神経を内視鏡で見えるようにし、内視鏡の先についた電気メスを使って交感神経を10ミリ程度切断するのです。切断できたら、内視鏡を抜き取ってから炭酸ガスを吸引し、傷を縫合してます。両側の交感神経を切断する場合は、反対側のワキの下からも同じ処置をします。

胸腔鏡下交感神経節遮断術(ETS)の副作用

胸腔鏡下交感神経節遮断術(EST)は短時間で終わる手術で、その効果もほぼ確実といわれています。しかし、ほぼ全ての人に「代償性発汗」が起こります。

代償性発汗とは、体温を下げる必要があるときに胸やお腹、背中、お尻、太ももなどから出る汗が増えるというもの。つまり、顔などの汗が止まった分を、他の部位で補うという現象です。増える汗の量や発生する部位には個人差がありますが、中には代償性発汗のほうが手術前の多汗よりもツラく、手術を受けたことを後悔する人もいるようです。このような理由から、まず片側だけを手術し、汗が多くでる夏の季節を超えた後に代償性発汗に堪えられるかどうか判断してもらい、もう片方も手術するか決めるという方法を用いることもあります。もちろん、両方すぐに手術したい場合は、それも可能です。自身の判断で選べるので、代償性発汗のことを踏まえた上で検討しましょう。

また、辛いものなどを食べたときに起こる「味覚性発汗」が出やすくなったり、まぶたが重くなる「ホルネル現象」が起こる方もいます。

上記を踏まえたうえでもっとも気をつけなければならないのが、一度切断してしまった交感神経は元に戻すことができないという点。副作用が気になるから元に戻したい、ということは不可能というわけです。顔面多汗症の治療法には薬物療法などもあるので、手術だけを考えるのではなく、まずは他の治療方を十分に試し、それでも症状が改善されなかった場合のみ、手術を検討するといいでしょう。