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糖尿病の原因(1)肥満

更新日:2018/05/10 公開日:2015/06/24

糖尿病の原因

糖尿病の発症には悪い生活習慣の積み重ねが大きく影響しているとされています。その要因のひとつが、「肥満」です。そこで今回は、肥満の判定基準や肥満が糖尿病を招く理由などについてドクター監修の記事で解説します。

日本人の糖尿病患者の大半を占める2型糖尿病は、さまざまな要因が重なることで発症しますが、もっとも多い要因は肥満だといわれています。ここでは、肥満が糖尿病を招く理由について解説します。

2型糖尿病の基本情報

日本人の糖尿病患者の95%以上を占めているのは2型糖尿病といわれています。

2型糖尿病とは

運動不足やストレス、食べ過ぎによる高血糖が持続すると、インスリンを分泌するβ細胞が疲弊し、インスリンの分泌量が減少したり、肥満の状態があると、細胞におけるインスリンの作用が減弱します。こうして、慢性的に血糖値が高い状態が続くことで発症する糖尿病のことを2型糖尿病と呼びます。

原因

食事から摂取した糖質は、胃や腸などで分解されたのちにブドウ糖に変化します。ブドウ糖は、脳や筋肉の活動に必須なエネルギー源です。一定範囲の濃度を保った状態で、血液によって運ばれています。血中に含まれるブドウ糖の濃度のことを血糖値といいます。

血液に含まれるブドウ糖をエネルギーに変換する際、インスリンと呼ばれる物質が活躍します。インスリンは、すい臓のβ細胞から分泌されるホルモン物質のことです。インスリンは、血中に含まれるブドウ糖を活動エネルギーに変える働きを持ちます。そして、余ったブドウ糖をグリコーゲンや脂肪に変化させて肝臓や筋肉、脂肪細胞などに貯蔵しています。

しかし、運動不足やストレス、食べ過ぎによる肥満などの状態が続くと、インスリンの分泌量が減少したり、細胞がインスリンの働きを感じにくくなったりします。すると、やがて血液中に含まれているブドウ糖が消費されにくくなり、血糖値が高い状態が続くことで2型糖尿病を発症してしまうのです。

肥満って、どのような状態?

肥満とは、単に体重が重いことを指しているのではありません。体に脂肪がつき過ぎた状態のことを、肥満と呼びます。日本肥満学会が定めた判定基準によると、肥満の判定に使われている「BMI(Body Mass Index、肥満指数)」では、BMI25以上を肥満としています。(BMI値は、体重kg÷(身長m×身長m)で計算)

脂肪には、お尻や太ももなどの皮膚の下に蓄積される皮下脂肪と、お腹の内臓まわりに蓄積される内臓脂肪があります。どちらの脂肪も、エネルギーを貯蔵する働きがあります。さらに、皮下脂肪には体温を一定に保ったり、外からの衝撃をやわらげたりする役割もあるのです。一方、内臓脂肪は内臓を正しい位置に保ち、衝撃から内臓を守っています。皮下脂肪も内臓脂肪も私たちの体に必要なものです。

しかし、内臓脂肪がつき過ぎてしまう内臓脂肪型肥満になると、糖や脂肪の代謝が悪くなります。すると、糖尿病をはじめとしたさまざまな生活習慣病を引き起こしやすい状態になります。腹囲(ウエスト周囲径)が男性の場合は85cm以上、女性は90cm以上だと、内臓脂肪型肥満の疑いがあるので注意しましょう。

肥満が糖尿病を招く理由

原因のひとつに、肥満の人はエネルギー摂取量が多いことがあげられます。ブドウ糖は、食事から摂った糖質が分解されて、生成されます。そのため、1回あたりの食事の量が多ければ血中のブドウ糖が増え、それだけ大量のインスリンが必要になります。高血糖の状態が続くと、インスリンを分泌する膵β細胞が傷害され、インスリンが分泌されにくくなってしまうのです。

また、内臓脂肪の増え過ぎも、糖尿病を招く原因になります。通常、脂肪が脂肪細胞に蓄えられると、脂肪細胞からはアディポネクチンという、体の機能を調整する生理活性物質が分泌されています。アディポネクチンには、インスリンの働きをよくしたり、動脈硬化の進行を防いだりする働きがあるのです。

ところが、内臓脂肪が増え過ぎて脂肪細胞が肥大することで、善玉のアディポネクチンの分泌が減ってしまいます。その代わりに悪玉のTNF-αやレジスチンなどの生理活性物質が分泌されるようになります。これらの物質には、インスリンの働きを悪くしたり、アディポネクチンの産生を抑制したりする作用があるのです。

こうしたことから、肥満の方、特に内臓脂肪型肥満の方は血糖値が上がりやすく、糖尿病を発症しやすい傾向があります。食事の見直しや適度な運動を心がけ、まずは減量を目指しましょう。

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