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糖尿病の原因(4)アルコール

更新日:2018/06/18 公開日:2015/06/24

糖尿病の原因

「適度なお酒は健康によい」と言いますが、飲み過ぎは体にさまざまな悪影響を及ぼし、糖尿病の原因にもなります。アルコールと糖尿病の関係性や、糖尿病を予防するための飲酒における注意点などを、ドクター監修のもとご紹介します。

日本人の糖尿病患者に圧倒的に多い2型糖尿病は、さまざまな要因が重なることで起こります。アルコールの飲み過ぎも、そのひとつです。今回は、アルコールが糖尿病にどのように影響するのかをご紹介していきます。

糖尿病とアルコールの関係

食べ物や飲み物から摂取した糖質は、体内でブドウ糖に分解されると血液に吸収されて全身に運ばれ、細胞に取り込まれてエネルギー源になります。そして、余ったブドウ糖は、グリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯蔵されるほか、脂肪として脂肪細胞に蓄えられます。こうした過程を糖代謝といい、この糖代謝が行われるうえで重要な働きをしているのが、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンです。

ところが、インスリンの分泌量が減ったり、効きが弱くなったりすると、糖代謝がうまく行われません。そうして血液中にブドウ糖が増えすぎてしまうのが、糖尿病です。アルコールの摂取が糖尿病を招く理由として、主に次のようなことが考えられます。

グリコーゲンの分解を促す

アルコールは、肝臓で分解されるときに、肝臓内のグリコーゲンのブドウ糖への分解も促進します。このため、お酒を飲んだあとは一時的に血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が上昇し、大量のインスリンを消費してしまいます。

糖質が高い

ビールや日本酒、ワイン、シャンパンなどのスパークリングワイン、果実酒といった醸造酒は糖質を含んでいます。甘いサワーなど果汁・糖類が含まれるアルコールドリンクや、甘みのあるカクテルなども血糖値を上げるので注意が必要です。一方、焼酎やウィスキー、ブランデーは糖質を含まない蒸留酒に分類されています。しかしアルコール自体もエネルギー源となりますので、やはり大量に飲むのは控えるべきです。

肥満を招きやすい

アルコール飲料自体も高カロリーですが、お酒のつまみには唐揚げやポテトチップスなど脂っこくて、カロリーの高いものを食べがちです。また、お酒の締めとしてラーメンやお茶漬けが欲しくなるように、アルコールには食欲を増進させる作用があります。このため、お酒を飲むと肥満につながりやすい傾向があるのが問題です。肥満もまた、糖尿病の危険因子のひとつです。

アルコールは絶対に飲んじゃダメ?

糖尿病予防のためにはアルコールを1滴も飲んではいけないというわけではありません。お酒には、ストレスをやわらげたり、気持ちを楽しくしたりする作用があります。仕事の付き合いなどで、どうしてもお酒を飲む機会があるという方も少なくないでしょう。また、酒は百楽の長という言葉があるように、適度な飲酒は糖尿病の発病に対しても抑制的に働く可能性が推定されています。

お酒を飲んでもいい場合は

糖尿病患者でも次のような条件を満たしている場合は、医師が飲酒を許可するケースもあります。

  • 血糖コントロールが良好で安定している
  • 標準体重を維持できている
  • 飲酒制限が必要な合併症などの病気がない
  • 高血圧や動脈硬化があっても症状が軽い
  • 飲酒量の限度を守れる自制心がある

大切なのは、適切な飲酒量を守るということ。血糖コントロールが安定していて、肝機能障害や合併症が現れていない糖尿病患者の飲酒量の目安は、多くても1日160キロカロリー程度までといわれています。これは、ビールでコップ2杯(400mL)、日本酒で1合弱(150mL)、ウイスキーでダブル1杯(60mL)、焼酎でコップに半分(80mL)、ワインならワイングラス2杯(200mL)程度です。

空腹時のアルコール摂取は注意

一方で、空腹時のアルコール摂取は肝臓内に蓄積されたグリコーゲンを分解してしまうため、ブドウ糖が消費され低血糖を引き起こすことがあります。特に糖尿病によりインスリン投与や薬物治療を受けている方の場合、大量にアルコールを摂取すると、より低血糖を起こしやすくなるため注意しましょう。

お酒と上手に付き合うためには

飲み過ぎないための工夫をする

ゆっくりと飲んだり、薄めて飲んだり、ノンアルコール飲料に切り替えたりして、飲み過ぎないための工夫をしましょう。最近では、糖質ゼロや糖質オフなどとうたわれた飲料も多く販売されており、それらをうまく活用するのも一つの方法です。

詳しくは、『糖質制限中の糖質ゼロビールの摂取について』をご覧ください。

食事の量を調節する

また、お酒にもカロリーがあるので、飲むときには食事の量を調節することも忘れないでください。ただし、食事をアルコールに置き換えたりしてはいけません。食事からしっかり栄養を摂るとともに、決まった量以上は飲まないよう気をつけましょう。

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