スキンケア大学 ヘルスケア大学 メンズスキンケア大学

歯槽膿漏を放置する危険性と他の病気との関係性

更新日:2017/06/14 公開日:2015/07/31

歯周病(歯槽膿漏・歯肉炎)の予防と治療

日本では成人の約8割がかかっているとされている歯周病(歯槽膿漏)。歯周病がかなり進行している場合は抜歯などが必要になります、ドクターが監修した記事で歯周病菌を原因とする病気について解説していきます。

歯科医

口内で繁殖した細菌によって虫歯や歯周病は発生しますが、実は、歯周病菌は体の中にまで侵入し、悪影響を与えてしまうということがわかっています。

歯周病を治療せずに放っておくと抜歯の可能性が高まる

歯周病が進行すると、歯を支える骨である歯槽骨が溶けてしまい、回復が見込まれない場合には抜歯の可能性が高まります。なぜなら、無理に残すことで他の健康な歯や骨に悪影響を及ぼすことがあるからです。

抜歯後には隣の歯が倒れてくることや対合歯の歯が伸びてくるなど歯並びやかみ合わせが悪くなることもあり、歯の隙間にたまった歯垢を取り除くことが難しくなることもあります。抜歯後には、ブリッジや入れ歯、インプラントなどで歯を補う必要があります。

歯周病が原因で引き起こす病気

歯周病を原因としてさまざまな病気を引き起こす可能性があります。

心筋梗塞や脳梗塞

非常にまれにではありますが、歯周病菌が歯周ポケットから歯肉の毛細血管、大きな血管へと入り込み、心臓に送られ、全身へ循環してしまうことがあります。歯周病菌は、心臓や血管内で血のかたまりである血栓を作りやすくし、心筋梗塞や脳梗塞の原因になってしまうおそれがあります。日本人の死因の第二位である心疾患と、第四位である脳血管疾患の原因になる可能性があるということです。

感染性心内膜症

歯周病菌は心臓の弁に付着しやすい性質もあり、心臓の弁に付着した歯周病菌が繁殖し、心臓内の血流が滞り、滞った血液が血栓を形成し、感染性心内膜症という病気を発症させる可能性もあります。もともと心臓の弁に異常がある場合には、注意した方がいいかもしれません。

誤嚥性肺炎

歯周病菌は、唾液や呼吸によって肺へ入り込み、誤嚥性肺炎の原因になると考えられています。肺炎は、日本人の死因の第三位にあたる病気ですが、その中で高齢者が約9割以上も占めています。高齢者の場合、飲み込む力が弱まったり咳の反射が弱くなったりしているため、口の中の細菌が気管に入っても押し出せず、肺に入り込み、誤嚥性肺炎を引き起こす可能性が高くなります。

早産や低体重児出産

女性の場合、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが歯周組織の炎症反応に影響を与えるとう研究報告もあります。エストロゲンは、歯肉の毛細血管の拡張と透過性を促進し、炎症反応を悪化させる可能性があります。妊婦の場合には、歯周病菌が子宮に到達し、子宮内で陣痛を促進させる作用をし、早産となり低体重児出産の危険性も高くなります。

この場合に生まれた赤ちゃんはむし歯に罹患しやすく進行も早いという研究結果も出ています。実際に低体重児出産の母親には歯周病罹患者が多く、早産の可能性も歯周病罹患者である妊婦では7~7.5倍も高まるとも考えられています。

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)

歯周病にかかった歯茎ではサイトカインが生じます。これが骨代謝に影響を与えて、骨密度を減少させる要因になるという研究報告が出ています。ただし、はっきりとしたことは分かっていません。

このほか、腎盂腎炎や関節リウマチなどの報告もあります。さらに、歯を失うことによって顎関節症が引き起こされる可能性もあります。

歯槽膿漏はなるべく早くに治療しましょう

このように、歯周病によって全身にあらわれる悪影響はいくつもあると考えられており、その中には脳梗塞や心筋梗塞のような危険度の高い疾患もあります。早めに歯周病を治すことが、身体の健康を保つことにつながっていくのです。

問題はほとんどの場合、痛みがないまま進行していくことです。定期的な検診や、ご自身によるメンテナンス(正しいやり方を指導してもらってください)が歯周病予防には欠かせません。歯は一生付き合っていくものですので、大切にしましょう。

あなたの悩み、歯科医に質問してみませんか?

関連Q&A

ヘルスケア本