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インプラントとは?構造と治療の歴史、メリット・デメリット

更新日:2018/02/13 公開日:2015/10/20

インプラントの基礎知識

歯の治療法として「インプラント治療」というものがあります。インプラントとはどのようなものなのでしょうか。インプラントの歴史や構造、治療費や使用感、治療制限などについて、ドクター監修のもと詳しく解説します。

歯科治療のひとつとして広まっている「インプラント治療」。インプラントとはいったいどのようなものなのでしょうか。ここでは、インプラントやインプラントを用いた治療の概要、メリット、デメリットについて解説します。

インプラントとは

「インプラント」とは、体内に埋め込む機器や材料全般のことを言います。そのため、人工関節やペースメーカーなどもインプラントに該当します。

歯科医院で行われるインプラント治療は、歯のなくなってしまった部分のあごの骨にインプラント(人工歯根)を埋め込み、そのインプラントに人工歯を付ける治療のことを言いますが、一般的に、この「歯科用インプラント」を指して「インプラント」と呼んでいます。

このような歯科医院でのインプラント治療は、歯周病などによって歯を失った場合、虫歯が進行してしまっていて抜歯せざるおえない場合、事故や経年的な劣化により歯根が折れて抜歯を余技なくされた場合、もともと永久歯がなかった場合などに行われます。

インプラント治療の歴史

インプラントの歴史は長く、もっとも古いものは、ホンジュラスにて、西暦7世紀頃に行われたであろう、女性の前歯に貝殻を精巧に加工し埋め込まれたものと考えられています。

治療法として確立されたのは、1952年、金属であるチタンが骨と結合する現象が発見され、1965年からスクリュー状のチタン製のインプラントの臨床応用が開始されました。

現在では100種類以上が存在し、メーカーによって様々な規格があります。メリット・デメリットがそれぞれのインプラントにはあります、ご自身の適応となるインプラントの説明を受けるようになさってください。

インプラントと差し歯の違いとは

治療方法の違い

差し歯は、残っている自分の歯根や歯の一部に「差し込む」治療方法です。歯の上の部分が虫歯などで失われても、残った歯根の部分に金属やプラスチック製の土台を入れて被せ物をすることで、以前のように噛むことができるようになります。歯根の部分に金属の土台を埋め込むため、歯の上の部分がなくなったときにだけ可能な方法で、歯根の部分も含めて抜歯しなければならない場合や、そもそも歯を失っている場合では差し歯を入れることができません。

一方、インプラントは歯がなくなってしまった、あるいはなくなる場所に「インプラント体」と呼ばれる人工の歯根を埋め込んで、その上に人工歯を装着あるいは義歯をかぶせる治療法です。

費用の違い

差し歯で広く使われている金属製の土台は保険診療です。それに対して、インプラントは保険外(自由)診療が基本となります。インプラントに比べて差し歯は低コストで治療を受けることができます。

メインテナンス(メンテナンス)・仕上がりの違い

差し歯のメインテナンスは基本的に天然歯と同じで、歯ブラシやフロス・歯間ブラシが必要です。仕上がりに関しては、差し歯に装着する上部構造の材質によりますが、インプラントと比べて比較的容易に天然歯と同じ色調や形態を回復することが可能です。

インプラントは、天然の歯と同様に、歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスによる入念なケアに加え、歯科医院で行う定期的なメインテナンスが必要になります。

インプラントは天然の歯と比べいったん歯周病にかかると、進行の速度は早いといわれています。歯周病を早期発見し治療を行うことで,長期間インプラントを使用していくことが可能となるのです。

差し歯と比べて、インプラントで自然の歯と見た目をほとんど変えず審美的に治療を行うことは難しいとされていますが、治療方法、施術者によっては、同じくらいの仕上がりが可能になっています。

インプラントの構造

現在、もっとも広く使われているインプラントは、あごの骨に埋め込む「人工歯根(インプラント体)」と、人工歯や義歯とも呼ばれる「上部構造」、その2つを連結する「アバットメント」の3つで構成されているものになります。

一般に連結部であるアバットメントの上に人工歯が付きますが、人工歯根に直接歯がつく場合もあります。また、人工歯とアバットメントまたは人工歯根を連結するために、スクリューで固定するものとセメントを利用して固定する、2種類の方法があります.どちらもメリット・デメリット・リスクがあります。歯科医師に相談し、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。

このような場合、患者自身で人工歯を取り外すことはできませんが、人工歯根の上と義歯の内面に特殊な装置を取り付け、患者自身での取り外しを可能にする方法もあります。

インプラントのメリット

見た目が美しい

差し歯と比べて、インプラントで自然の歯と見た目をほとんど変えず審美的に治療を行うことは難しいとされていますが、現在は施術方法・施術材料・施術者の技術によって可能になってきています。

人工歯と人工歯根を結合するアバットメントが歯茎の下に隠れるよう設計できるため、見た目が自然で、天然の歯とほとんど見分けがつきません。また、自分好みの審美的な人工歯を取り付けることも可能です。

強い力で咬むことができる

人工歯根はあごの骨に埋め込まれて完全に固定されているため、天然の歯と同じような力で噛むことができます。

はずれる心配がない

前述した通り、インプラントはあごの骨に人工歯根が結合し、さらに人工歯もしっかりと固定されているので、入れ歯と比較するとはずれる心配はほとんどありません。「はずれるかもしれない」という不安なく、食事を楽しめます。

インプラントのデメリット

治療費が高額

インプラント治療は自由診療であるため、健康保険が適用されません。そのため、一般的な歯科治療に比べ高額になります。ただし、条件によっては医療費控除が適用されることがあります。

治療期間が長い

チタン製の人工歯根とあごの骨が結合するのに必要な期間だけでも3~6か月必要なため、治療は長期にわたります。個人差はありますが、4~8か月が目安になります。ただし、近年では、骨の状態によっては1日で仮歯まで定着させることが可能な「即時インプラント治療」という治療法もあります。

条件によって治療を受けられない場合がある

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、高血圧、糖尿病、肝炎などの患者、妊娠中の方など、手術に危険をともなうと考えられる場合は、治療できないことがあります。

定期的なメインテナンス(メンテナンス)が必要

インプラントは身体に異物を埋め込む治療法です。そのため、定期的なメインテナンスが必要になります。血液が供給される「歯根膜」がないため、細菌などへの抵抗力が弱く、定期的にきちんとメインテナンスを行わないと、インプラントの周りの歯肉が腫れたり、出血したりするインプラント周囲炎が起こることがあります。

インプラントの治療期間

インプラントの治療期間は、平均して3か月~1年ほどとされています。治療期間に幅はあるのは、治療法や患者の口腔内の状態、埋め込むインプラントの本数などによっても異なってくるためです。明確な治療期間を判断するためには、治療を行う前に、口の型取りや歯科用CTなどの精密検査を受ける必要があります。

インプラント治療では、あごの骨に埋め込んだインプラントと骨がしっかりと結合されることが重要になりますが、これには2~6か月ほど要します。

さらに、歯周病などがある場合はインプラント手術が行えず、治療を終えてからインプラント治療に入るため、歯周病などを発症している方はこれらの治療期間も必要になります。

インプラント治療の一般的な流れ

一般的なインプラント治療の流れと期間については以下のようになります。

1.カウンセリング
問診や口腔内検査、簡単なレントゲン検査などを行い、治療法や費用、治療期間などを相談します。

2.精密検査
歯科用CT検査を行い、埋入するインプラントの種類や具体的な治療法など、より詳細に決めていきます。
プランニングソフトを使い、インプラントの種類・サイズ・角度・本数・骨造成量などを綿密に計画し術前の診査を行います。

3.一次手術
歯肉を切開して骨内にインプラントを埋め込んでいきます。

4.経過観察(2~6か月)
この期間、徐々にインプラントと骨が結合されていきます。

5.二次手術
インプラントを歯茎から露出させ、人工歯を装着するためのアパットメント(土台・連結部)を取り付けます。

6.経過観察(1~6週間)
この期間にセラミックスなどの上部構造・人工歯を作っていきます。

7.上部構造・人工歯の装着
完成した上部構造・人工歯を装着します。

インプラントは医療保険が適用されるか

インプラント治療はほとんどの場合で医療保険が使えない(保険外)

インプラント治療は、保険外診療(自由診療)で扱われることがほとんどです。これは、誰にでも等しく同費用で悪くなった歯を治療し「噛めるようにする」ことを目的とした保険診療と異なり、インプラント治療の場合、見た目や使用感、耐久性を含んだ「より質のよい仕上がり」を目的としているためです。

保険が適用されるケース

2012年4月から、病気や事故などが原因であごの骨を広範囲にわたり失ってしまった場合、国が定めた条件を満たしていれば「インプラント義歯治療」の保険が適用されることになりました。しかし、次に解説するようなケースに限られているのが現状で、虫歯や加齢による治療は対象外です。

インプラント治療を保険診療で受けられるケースの詳細や、医療費控除に関しては『インプラントは医療費控除の対象になる?』で解説しているのでご覧ください。

インプラント以外の義歯の種類と特徴

入れ歯

失った歯を補うための取り外し可能な人工歯のことで、歯が1本もない場合に利用する「総入れ歯」と、一部の歯が残っている場合に利用する「部分入れ歯」があります。保険適用でも作れることから費用を安く抑えられる一方で、食事が終わったらはずして清掃する手間が必要であったり、毎日のメインテナンスが必要になったり、入れ歯を使用しているうちに合わなくなったりすることがあります。

ブリッジ

失った歯の両隣の歯を削って土台をつくり、橋渡しをするように人工歯を被せる方法です。たとえ一本歯がなくなった場合でも、両隣の歯を削ることになりますから、三本分の負担を二本で受けることになります,荷重負荷が多くなることにより、耐久性に問題が出ることが多くみられます。保険適用のものと審美的に仕上げる素材を使い、精密に製作する自由診療のものがあります。

インプラント・入れ歯・ブリッジのどの義歯が適しているのか

どのような義歯が適しているかは、失った歯の数・場所、残った歯の状態、装着する人が何を優先するか(食べ心地、見た目、会話のしやすさなど)によって異なります。また、義歯の種類によって費用や治療期間も変わってくるので、歯科医師と相談し、決めるとよいでしょう。

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