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無添加コスメや食品の抜け道?キャリーオーバーとは

更新日:2017.05.11
公開日:2015.07.31
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この記事の監修者
スキンケア大学参画ドクター

化粧品には、配合されている全成分をパッケージなどに表示する必要がないとされるキャリーオーバー成分というものがあることをご存知でしょうか。ここでは、このキャリーオーバーについて、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

コスメを選ぶ際にぜひ知っておきたいのが、キャリーオーバーという言葉。キャリーオーバー(carry over)とは、直訳すると「持ち越す」という意味がありますが、化粧品においては一体どういう意味で使われているのでしょうか。今回は、このキャリーオーバーについて解説します。

キャリーオーバーとは

2001年の薬事法改正の際に全成分表示が義務づけられ、化粧品は使っている全成分を製品に記載することが必要になり、自分の肌質に合わない成分が入っていないかどうかを購入前に確認できるようになりました。しかし、例外もあります。化粧品の全成分表示に関して、「製品中にその効果が発揮されるより少ない量しか含まれないものについては、表示の必要はない」という特例が認められています。これは、原料そのものに含まれる成分や、原料から成分を抽出する過程で使われる添加物などを指し、このような成分をキャリーオーバー成分といいます。原料を育てる過程に混入した農薬なども、このキャリーオーバー成分に該当します。

キャリーオーバーにおける問題点

このように、現在の薬事法では全成分表示と決まっていながら、実は表示されていないものがあるのが現状です。実際にはアルコールが含まれていても、それが化粧品を安定させることを目的としている微量なものであれば表示する必要がなく、アルコール無添加コスメとして販売することも可能ということになります。また、天然のハーブエキスなどの植物由来成分を抽出する際には、化学合成の成分を使用することがありますが、こうした成分は組み合わせによっては発がん性や環境ホルモンなどの問題にもつながることもあり、安全とは限らないといわれています。しかし、この場合も、キャリーオーバー成分なので、表示せずに販売することができてしまいます。

キャリーオーバー成分は、効果が発揮されるより少ない量しか含まれていないので、一般的な肌質の人であればさほど問題にはなりませんが、肌が敏感だったり、その成分にアレルギーを持っていたりする人が使えば、肌トラブルを起こす可能性が十分に考えられます。配合されているキャリーオーバー成分について、消費者が自分で調べようと思っても実際には難しいのが現状です。メーカーに問い合わせても、メーカー側が十分把握していなかったり、調べてくれたりするとも限りません。成分分析をする機関に持ち込んで調べてもらうという手段もありますが、それなりにお金がかかってしまいます。このため、多くの場合は、実際に化粧品を使った際に肌トラブルが起きることで判明することが多いようです。

日用品に表示された無添加とは

身近にある日用品には無添加と表示してある製品があります。その中でも、化粧品と食品でそれぞれどのような決まりがあるのかを見てみます。

化粧品における無添加

2001年の薬事法の改定以前は、アレルギーの危険性が認められた102種類の化粧品表示指定成分だけが表示を義務づけられていました。その多くが石油から合成された成分で、香料や防腐剤、合成界面活性剤などが含まれています。現在は、これを旧表示指定成分と呼んでいます。一般的に、無添加化粧品とは、これらの102種類の成分を含んでいないもののことを指します。

しかし、表示が義務付けられた化粧品表示指定成分が制定されたのは1980年です。現在までの30年の間に旧表示指定成分でも安全性が高まったものもありますし、逆に新しく登場した成分の中にも安全性が不確かなものもあり、旧表示指定成分は意味をなしていないのが現状です。つまり、無添加化粧品は一般の人が考える安全なイメージとは一概に合致しているとはいえない状態なのです。

食品における無添加

食品添加物とは、食卓に上るさまざまな食品を製造や加工したり、保存したりするときに使われる物質で、甘味料、香料、着色料、保存料、酸化防止剤などがこれに該当します。食品に無添加と表示されていると、こういった食品添加物を一切使用していないようなイメージを抱いてしまいますが、実際はそうでないこともあります。例えば、着色料無添加という表記がある場合は、着色料が使われていないことをうたっているだけで、ほかの食品添加物は使用されているケースが多々あります。また、もともと保存料を必要としない食品であるにもかかわらず、イメージアップのためにあえて保存料無添加と表示していたりするケースもあります。

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