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化粧品の界面活性剤の種類と働き

更新日:2017.02.28
公開日:2015.08.12
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この記事の監修者
マブチメディカルクリニック 院長 馬渕知子

界面活性剤は化粧品にとって重要な原料のひとつで、あらゆる化粧品に配合されています。界面活性剤とはいったいどのようなものか、その働きや種類ごとの特徴についてドクター監修の記事で詳しく解説します。

「界面活性剤」は、洗顔料やシャンプー、洗剤、メイクアイテムなど、あらゆる製品に配合されています。どのような目的で界面活性剤は使われるのでしょうか。詳しい働きや、界面活性剤の種類などを紹介します。

界面活性剤って何?

界面活性剤とは、界面(異なった物質の境の面)に作用し、界面の性質を変化させる物質の総称です。界面活性剤1つの分子の中に、水になじみやすい「親水性」と、油になじみやすい「親油性」の両方の性質を持っているので、水分と油分のように通常では決して混じり合わないような成分同士を混ぜ合わせるのに役立ちます。

洗顔料やシャンプー、化粧水、乳液、ファンデーション、マスカラ、口紅など、あらゆる化粧品に配合されており、化粧品にとって重要な原料のひとつです。

界面活性剤は必要な存在

界面活性剤というと「肌に悪い」というイメージを持っている方も多いかと思いますが、界面活性剤は化粧品などに不可欠な成分です。

たとえば、クレンジング剤には界面活性剤と油が含まれています。化粧品を落とすとき、水やお湯だけでは落ちません。これはメイクアイテムの多くが油性だからです。この油性のメイクを同じ油で溶かして落とすのがクレンジング剤ですが、洗い流すためには水と油を中和させる必要があります。この役割を担っているのが、界面活性剤です。また、界面活性剤はシャンプーなどにも含まれています。これも、皮脂や整髪料などの水で洗い流せない汚れを包みこみ、再び髪につかないようにするためです。界面活性剤は、メイクなどの油性の汚れを洗い流すために欠かせない成分と言えるのです。

乳液やクリームなどに含まれる界面活性剤

界面活性剤は、クリームや乳液などにも含まれています。乳化作用で他の化粧品の成分をなじませることが目的です。この場合、界面活性剤はすでに油分や水分と結びついていることから、肌にのせても皮脂と結びつくことはありません。ただし、配合されている界面活性剤自体の安全性は考慮したほうがよいでしょう。

界面活性剤の種類と働き

界面活性剤は、水に溶かしたときに電離してイオンになる「イオン性界面活性剤」と、イオンにならない「非イオン(ノニオン)性界面活性剤」の2つに分けることができます。さらに、イオン性界面活性は、水に溶けた場合のイオンの性質によって、「陰イオン界面活性剤」「陽イオン界面活性剤」「両性界面活性剤」の3つに分けらます。ここでは、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤のそれぞれの特徴と働きについてお話していきます。

陰イオン界面活性剤

水に溶けて電離した際、親水基の部分がマイナスの電気を帯びる界面活性剤です。洗浄力が強く、泡立ちがよいので、洗顔料やシャンプーなどに利用されており、私たちがもっともよく消費する界面活性剤です。また化粧品作りでは、水と油のように通常ならなじまない液体同士をなじませて、クリームや乳液のような乳化物をつくる「乳化剤」、粒子を性質が異なるものの中に散らばせるための「分散剤」、本来なら液体に溶けこまないはずの物質を、透明かつ均一に溶かし込む「可溶化剤」としても利用されます。

陽イオン界面活性剤

水に溶けて電離した際、親水基の部分がプラスの電気を帯びる界面活性剤です。殺菌性があるので、頭髪用化粧品や制汗剤の殺菌剤として使われたり、柔軟性や帯電防止効果があるので、リンスやコンディショナーに用いられたりします。

両性界面活性剤

陽イオンになる部分と陰イオンになる部分の両方を分子の中に持っている界面活性剤で、周りがアルカリ性なら陰イオン性に、酸性なら陽イオン性になります。陰イオン性のときには洗浄力を、陽イオン性のときは温和な殺菌力を発揮しますが、陰イオン性のときは殺菌力がなく、陽イオン性のときはそれほど洗浄力が強くありません。

刺激が少ないことから、ベビーシャンプーなどにもよく使われます。

非イオン界面活性剤

プラスマイナスのどちらにも傾かない界面活性剤です。さまざまな界面活性剤と自由に組み合わせて利用できるので、乳化剤、可溶化剤、増粘剤、マイルドな洗浄剤などとして幅広く用いられます。

化粧品に含まれる界面活性剤についてのまとめ

界面活性剤の働きと、その種類や使用目的などについて解説しました。さまざまな化粧品に含まれる界面活性剤には、化粧品の成分同士をなじませたり、油性の汚れを落としたりと役割があります。界面活性剤自体が、必ずしも肌に悪いわけではないということや、種類によって刺激の強さなどに違いがあることも大切です。

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