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腰痛の原因(1)筋肉や骨の障害による腰痛

更新日:2017/02/15 公開日:2015/08/27

腰痛の原因・基礎知識

腰痛の原因はさまざまで、原因別に症状も異なります。この記事では腰痛の中でも多く見られる、脊椎(背骨)とその周辺の筋肉になんらかの異常が起こることで発症するものについて、その原因や特徴をドクター監修のもと詳しく解説します。

腰痛の原因で多く見られるものとして、脊椎(特に腰の部分にあたる5つの腰椎)とその周辺筋肉が障害を受けたために発症するものがあります。腰椎や筋肉の状態がどう変化すると、腰が痛くなるのでしょうか?詳しく解説します。

筋肉の障害による腰痛の種類

筋肉の障害による腰痛は、一般的に「腰痛症」に分類されます。主に、不自然な姿勢や運動不足や加齢による筋力低下、仕事や運動などで腰を使いすぎることによる筋肉疲労によって引き起こされます。腰痛症は、いわゆる「ぎっくり腰」と呼ばれる急性腰痛症と、痛みがあったりなかったりをくり返す「慢性腰痛症」に分かれます。

急性腰痛症(ぎっくり腰)

急性腰痛症は、腰をひねったり、重い物を持ち上げたときに起こることが多いですが、特に誘因のない場合もあります。腰痛の原因として、筋・筋膜性腰痛、椎間板性腰痛、神経痛をともなう腰痛(椎間板ヘルニア)仙腸関節性腰痛、椎間関節性腰痛、骨折(圧迫骨折など)があげられます。

急性腰痛症(ぎっくり腰)の原因や症状については『腰痛の種類(1)ぎっくり腰』で詳しく解説しています。

慢性腰痛症

慢性腰痛症は、あるときに起こった腰痛が3か月以上持続するものの総称で、普段の生活の中での悪い姿勢や筋肉疲労、椎間板や椎体の変性などが関与していることが多いですが、原因がわからない腰痛がほとんどであるといわれています。

「筋・筋膜性腰痛症」は、スポーツ選手などに多く、筋肉のオーバーユースによる場合があります。ジャンプやスイング、ピッチングなど、腰に負担がかかる動作をくり返すことで筋肉が疲労し、筋膜や筋肉が損傷して発症します。腰椎の捻挫とほぼ同じような症状で、「肉ばなれ」とも呼ばれます。

「筋・筋膜性腰痛症」については『スポーツが原因で起こりやすい筋・筋膜性腰痛症とは』で詳しく解説しています。

骨の障害による腰痛とは

人間の体は、脊椎からたくさんの骨格が広がって構成されています。脊椎はおよそ30個の椎骨(ついこつ)が結合して成っており、このうち腰椎と呼ばれる5つの椎骨が「腰」と呼ばれる部分です。

椎骨と椎骨の間にはクッションのような柔らかい椎間板があり、脊椎にかかる負担を吸収・分散する働きを担っています。

正常な脊椎は正面からは1本の線のように見えますが、横から見るとS字状にカーブしており、このカーブによって体のバランスが保たれ、人間は重い頭を支えて立ったり、歩行することができます。また、脊椎にはバネのような弾力性があるので、体を前後左右に柔軟に曲げ伸ばしできるようになっています。

骨の障害による腰痛は、主に脊椎のゆがみや第4、5腰椎の異常により引き起こされるものと、椎間板の異常により起こるものに分けられます。

脊椎のゆがみ・腰椎の異常により腰痛が起こるメカニズム

脊椎は側面からみるとまっすぐではなく、緩やかなS字カーブを描いています。これにより、体のバランスが保たれ、しなやかな動きが可能になっているのです。しかし、筋力の低下や疲労が起こったり、悪い姿勢が続くと、このS字カーブがゆがみやすくなります。脊椎がゆがむと、体のバランスを保てなくなることから周辺部位に負担がかかり、腰痛も起こりやすくなります。

また、上半身を支える要の椎骨である第4、5腰椎は、脊椎の中でも特に不可がかかりやすいことから、異常が起こりやすくなっています。そもそも、腰椎はスムーズな動きが可能になるよう他よりも骨格組織が少なくなっています。デリケートなうえに負荷も大きいことを考えれば、異常による痛みが起こりやすいというのもうなずけます。

脊椎・腰椎の構造について、詳しくは『腰の構造と腰痛が起こるメカニズム』をご覧ください。

脊椎や腰椎の異常により引き起こされる腰痛症の種類

脊椎のゆがみや腰椎の異常により引き起こされる主な腰痛症には、腰痛症と腰椎分離症があります。腰椎分離症とは、発育期に腰椎にヒビが入ることで脊椎が不安定になり、腰の疲れや鈍い痛みなどの症状を引き起こす疾患です。激しいスポーツによって起こることが多いとされています。

椎間板の異常により腰痛が起こるメカニズム

脊椎は、およそ30個の小さな骨である椎骨が積み重なって構成されています。椎骨と椎骨の間には、脊椎にかかる衝撃をやわらげるためのクッションのようなものが挟まっており、これを椎間板と言います。椎間板は、外側の「線維輪」(靭帯に似た構造物)と中心にあるである「髄核(ずいかく)」(水分を含んだゼラチン状の物質)で構成されています。椎間板には弾力性があり、前後左右に動く腰椎を支えています。

椎間板の異常による腰痛は、その原因により主に4つに分かれ、痛みが起こるメカニズムもそれぞれで異なります。

  1. 腰椎椎間板ヘルニア
  2. 椎間板の大部分を占める線維輪が弱くなって亀裂が生じることで線維輪内中心部にある髄核が外に飛び出し、これが神経を圧迫することで腰や下肢が痛みます。

  3. 変形性脊椎症
  4. 老化により椎間板に変性が起こり、脊椎を支える筋力の低下により椎体や椎間関節に不安定性が生じることで骨棘(こっきょく)と呼ばれるとげのような出っ張りが作られます。また、椎体同士を連結する靭帯が固くなって腰椎の可動性が低下します。椎間板の変性や骨棘の形成は加齢にともなう現象なので、誰にでも起こります。軽度であれば無症状のことも多いですが、変形が進んで高度になると、慢性の疼痛などが起こります。

  5. 腰椎変性すべり症
  6. 老化によって椎間板の弾力性や柔軟性がなくなると、椎間関節がすり減って腰椎が前にずれてしまうことがあります。このずれ度合いが大きいと、脊柱管がすぼまって狭くなり、中の神経が挟まって、腰痛や下肢の痛みやしびれが引き起こされます。ただ、ほとんど症状がない人もいます。

  7. シュモール結節、椎体辺縁分離
  8. 激しいスポーツなどで腰へ負担をくり返し与えると、椎間板の中心にある髄核が上下に突き抜け、腰痛を引き起こすことがあります。髄核が椎骨の中心部に突き抜けた状態をシュモール結節、椎骨の周辺に飛び出した状態を椎体辺縁分離と呼びます。

筋肉や骨の障害による腰痛の症状と痛みの特徴

筋肉や骨の障害によって起こる腰痛は、原因によって症状と痛み方が異なります。痛みの特徴について具体的に見ていきましょう。

急性腰痛症

腰痛の程度はさまざまですが、ときに激烈な痛みが起こり、体動困難となります。腰の運動制限も強くなり、前後に曲げることが難しくなります。また、お尻や下肢にしびれや痛みをともなうこともありますが、坐骨神経痛をともなう場合は除きます。

慢性腰痛症

急性に比べると痛みは軽いことが多いです。腰全体がだるくなったり、お尻や下肢にしびれや痛みをともなうことがあります。

筋・筋膜性腰痛症

背筋が緊張したり、筋肉に沿った痛みが起こります。

腰椎分離症

腰の疲れや鈍い痛みが起こり、腰を動かしにくくなります。ときに、分離部が神経根を刺激すると、椎間板ヘルニアに見られるような下肢の痛みを生じます。

腰椎椎間板ヘルニア

急性腰痛症(ぎっくり腰)のような痛みと同時か、または腰痛が数日続いた後、片側の下肢に放散する激痛が生じます。睡眠が妨げられるほどの激痛が起こることも多いとされます。2~3週間がピークで、その後は下肢へ放散する鈍痛が徐々に軽くなっていきますが、足に力が入らない、感覚が鈍い、時に膀胱直腸障害といわれる残尿感や排尿・排便障害などの麻痺症状をともなう場合には緊急の対応が必要となることがあります。

変形性脊椎症

軽度の場合は、痛みを感じないことも多いです。変形が進むと、慢性的な疼痛や運動制限が生じることがあります。まれに、神経根症状が起こることもあります。

腰椎変性すべり症

軽度の腰痛のみのこともありますが、脊柱管狭窄にともなう下肢痛が起こります。足の親指や足首に力が入らなくなる神経根症状や、歩行開始後5~10分して腰痛や下肢痛が生じることで休息を強いられる「間欠跛行(かんけつはこう)」が見られることもあります。

一口に筋肉や骨の障害による腰痛と言っても、その原因と症状はさまざまです。放っておくと悪化することもあるので、休んでも痛みが引かない、下肢のしびれをともなうなど、いつもと違うと感じた時は、すぐに医療機関を受診し、原因に合った治療をほどこすようにしましょう。

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