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糖尿病がもたらす合併症(2)心筋梗塞

更新日:2016/12/09 公開日:2015/09/28

糖尿病がもたらす合併症

糖尿病が進行すると、全身にさまざまな合併症が起こります。ここでは、そのひとつである「心筋梗塞」について、糖尿病の合併症として起こる理由と、症状、対処法について解説します。

糖尿病がもたらす合併症の1つに「心筋梗塞」があります。糖尿病と心筋梗塞の関連性、心筋梗塞の症状、対処法について、詳しく見ていきましょう。

心筋梗塞とは

心臓は、1日に約10万回も収縮と拡張をくり返しながら、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。そのため、心筋(心臓の筋肉)は、心臓の表面に張り巡らされた「冠動脈」という毛細血管から、常にたくさんの酸素や栄養を受け取り、働きを維持しています。

「心筋梗塞」とは、動脈硬化が進んで冠動脈がほぼつまってしまい、心筋に血液を送れなくなった状態のことです。心筋に血液が行かなくなると酸素や栄養が届かなくなるため、これらを受け取れなくなった部分は壊死してしまいます。また、壊死の部分が大きくなると、心臓の収縮や拡張ができなくなり、命を落とすこともあります。

糖尿病は心筋梗塞のリスクを高める

糖尿病の人は、そうでない人に比べて心筋梗塞のリスクが2~3倍高くなるとされます。実際に、心筋梗塞になった人の3分の1に糖尿病が見られます。これは、糖尿病が「動脈硬化」を進行させることに関係があると考えられます。

動脈硬化とは、動脈血管の内側の壁が分厚くなったり硬くなったりして血流が悪くなった状態のことで、主に、動脈の壁に大量のコレステロールが付着・流入することで起こります。

コレステロールは油なので、水に溶けません。そのため、血液中では、水に溶けるタンパク質がコレステロールを包んで「リポ蛋白」という形になっています。糖尿病で高血糖状態が続くと、リポ蛋白が酸化されたり、ブドウ糖と結びついたりします。そして、変化したリポ蛋白は、血管の壁にへばりついて「プラーク」と呼ばれるこぶになり、これが大きくなると、血管の内腔(ないこう:管状器官の内部)が狭くなってしまいます。

動脈硬化はコレステロール値が高い人に起こりやすい病気ですが、糖尿病があると上記のようなメカニズムから、コレステロール値がそれほど高くなくても進行しやすくなってしまうのです。

心筋梗塞の症状・対処法

心筋梗塞が起こると、胸の中央あたりに焼けつくような激しい痛みや圧迫を感じ、このような症状が30分以上、時には数時間以上続くのが特徴です。また、顔面が蒼白になって冷や汗が出たり、不整脈、血圧の低下などが起きて、意識不明に陥ることもあります。

心筋梗塞の発作が治まったあとも、壊死した心筋の細胞はほとんど再生しません。そのため、心臓の収縮・拡張が弱くなったり、心拍のリズムが乱れやすくなるといった後遺症が残ることもあります。

心筋梗塞は、発作が起きてから治療開始までの時間の長さが命や後遺症の程度に大きく影響するため、上記のような症状が現れたらすぐに救急車を呼ぶことが重要です。ただし、糖尿病で「神経障害」の合併症があると、胸の痛みを感じない場合があり、これを「無症候性心筋虚血(無痛性心筋虚血)」と言います。異常に気づけず手遅れになってしまった、ということにならないためにも、糖尿病を発症したら年に1度は心臓の検査を受けることをおすすめします。

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